ハイブランドEC「Balaan」が31億円調達しBNPLサービス準備など——韓国スタートアップシーン週間振り返り(10月18日~10月22日)

本稿は、韓国のスタートアップメディア「Startup Recipe(스타트업 레시피)」の発表する週刊ニュースを元に、韓国のスタートアップシーンの動向や資金調達のトレンドを振り返ります。

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10月18日~10月22日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは13件で、資金総額は1,011億ウォン(約98億円)に達した。

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主なスタートアップ投資

  • 名品プラットフォーム「Balaan(발란)」がシリーズ B ラウンドで325億ウォン(約31億円)を調達。広告を開始した10月の月間アクティブ利用者数が増加し、週間取引額が100億ウォン(約9.7億円)増加した。毎月ユニークユーザが15%成長。今回調達した資金は、ヨーロッパのブティック、国内小売間の需要予測に基づいた B2B2C プラットフォーム強化商品カテゴリの拡張、フルフィルメントシステムの強化に活用する予定。新韓金融と BNPL(Buy Now, Pay Later=後払い)サービスもローンチするする計画。
  • ライフスタイル企業 Gloent Group(글로엔트그룹)が200億ウォン(約19億円)を調達。グローバル市場で認められるライフスタイルブランドを披露する計画。ビューティー、ヘルスケア、プレミアム飲料カテゴリを追加し、高品質ブランドを目指す。
  • Travel Wallet(트래블월렛)が9月に続き、30億ウォン(約2.9億円)を追加調達し、188億ウォン(約18億円)規模となったシリーズ B ラウンドをクローズする。国際取引で発生するコストを大幅に下げる海外決済サービスを提供。さまざまな外国為替サービスをワンストップ支援する金融プラットフォーム会社を目指す。
  • 物流スタートアップ Techtaka(테크타카)がシリーズ A ラウンドで125億ウォン(約12億円)を調達。Coupang(쿠팡)、Amazon などで経験を積んだ物流専門家が設立した会社で、e コマースに必要な物流 IT プラットフォーム「Argo(아르고)」を開発。Naver(네이버)、Kakao(카카오)が同時に投資したことは、物流システムの競争力の高さの現れだ。技術開発強化と配送サービス全般に事業領域の拡大する計画。
  • ブロックチェーンクラウド企業 Common Computer(커먼컴퓨터)が120億ウォン(約12億円)を調達。大規模コンピューティングリソースをリアルタイム共有する技術を有し、ブロックチェーンテストネット「AI Network」とオープンソースプロジェクト「Ainize」を主なサービスとして提供する。
  • ヘルスケアソリューション開発企業 H Robotics(에이치로보틱스)がシリーズ B ラウンドで120億ウォン(約12億円)を調達。ロボットリハビリ運動デバイスと遠隔診療可能なプラットフォームが統合されたリハビリソリューション「Rebless(리블레스)」を提供。来年 IPO 推進を控えて新規資金を集め、海外進出と商業化サービス開発を加速する計画。

トレンド分析

宇宙版ゴールドラッシュがやってくる?

韓国ロケット「ヌリ号(누리호)」が21日、打ち上げに成功した。衛星ダミーの地球低軌道投入はできなかったが、それまでの飛行は通常通り行われた、国産独自開発ロケットの初飛行試験という点では大きな意義があったと言えるだろう。2013年の140トンの「ナロ号(나로호)」打ち上げから8年で、300トンあるヌリ号を打ち上げできたことは、300トンロケットの開発に平均7年要している宇宙強国と比べても、我々の技術力の発展が遅れをとらないことを示している。政府は、来年5月に打ち上げを計画するなど、今後6年間でヌリ号を4回打ち上げる予定だ。

ロケット「ヌリ号」開発に参加した主要企業

ヌリ号には37万個の部品が使われ、300社以上の民間企業が参加した。2兆ウォン(約1,900億円)近い全体事業費の80%が民間企業に支払われ、こういった民間企業の参加は、韓国が民間宇宙産業の足場を作る機会になることが期待される。NASAは、昨年アメリカ企業13社と提携し、将来の宇宙ミッションに役立つ技術開発を支援すると発表した。

このような公共部門と民間部門の協業が技術開発を加速することが期待される。代表的な民間宇宙企業では、Elom Musk 氏が率いる SpaceX、Jeff Bezos 氏率いる Blue Origin、Richard Branson 氏率いる Virgin Galactic がある。

SpaceXは2020年5月、国際宇宙ステーションにロケットを打ち上げた。アメリカ本土から宇宙飛行士が直接宇宙に出るのは9年ぶりで、これを実現したのは民間宇宙企業だった。Richard Branson 氏は7月11日に Virgin Galactic のロケットに乗り、また、Jeff Bezos 氏はその9日後の7月20日に Blue Origin のロケットで宇宙旅行に出たことで話題を集めた。

これらの企業はすべて、近い将来に商業宇宙旅行の開始を目標としている。SpaceX もすでに国際宇宙ステーションに人員の輸送を代行し、民間の乗組員を宇宙に送っている。

これらの企業のほか、宇宙スタートアップ The Space Perspective は熱気球宇宙船を利用して3万メートルの高さまで乗客を連れて行く宇宙体験を準備中だ。World View Enterprises も成層圏気球を利用して、乗客用カプセルを地上30kmの高さに上げようとしている。

宇宙ステーションも例外ではない。 2016年に設立された民間宇宙開発企業 AxiomSpace は、民間商業宇宙ステーション事業を通じて1億3,000万米ドルを調達した。この企業は、商用宇宙ステーションの構築に向け注力しているが、2022年の民間宇宙飛行士を乗せた国際宇宙ステーションの旅を推進している。

Nanoracks と Voyager Space は、Lockheed Martin と協力しコンソーシアムを設立、民間宇宙ステーション「Starlab」を建設し、2027年に稼動を始めると発表した。Nanoracks と提携した日本の宇宙スタートアップである GITAI は今年初め、シリーズ B ラウンドで1,710万米ドルを調達した。

ロケット開発にもスタートアップが頭角を表している。Rocket Lab は、推定時価総額41億米ドルに達する見込みで、企業向けに月探査船の打ち上げを準備している。Relativity Space は2022年初めに、世界で最初の完全 3D プリントロケットの打ち上げを目標としている。この企業では、Hanwha AeroSpace、NH 投資証券、Consus Asset Management のコンソーシアムが5,000万米ドルを投資した。Relativity Space の時価総額は42億米ドルだ。ニューヨーク証券取引所に上場する Spirit Aero Systems も40億米ドル前後の時価総額を認められている。

しばらく前には、Apple 共同創業者 Steve Wozniak 氏が Privateer Space と呼ばれる航空宇宙企業を設立したと発表し、注目を集めた。アメリカだけでなく、昨年12月にはインドのロケット開発スタートアップ Skyroot が、固体燃料を使ったロケットの試験打ち上げに成功した。この企業は、インド宇宙研究機構 ISRO の支援を受けていて、これまでに430万米ドルの資金を調達している。

国内でも小型衛星の打ち上げ市場を狙う宇宙開発企業 Innospace(이노스페이스)、小型宇宙ロケットを開発する Perigee Aerospace(페리지에어로스페이스)などの民間宇宙スタートアップが成長している。Perigee Aerospace は昨年11月、シリーズ B ラウンドで100億ウォン(約9.7億円)以上を調達しており、Innospace も今年7月、シリーズ B ラウンドで250億ウォン(約24億円)規模の資金を調達した。

世界の宇宙産業は9,400億米ドル規模。たとえば、世界の通信市場が1.5兆ドル規模で、世界経済で約1.5%を占めることを考えれば、まだ宇宙産業は世界経済に地殻変動を引き起こすほどではないかもしれない。

しかし、宇宙市場の成長の可能性は大きい。IoT やコネクテッドカーの成長などを後押しする衛星通信サービスがそうであり、宇宙観光事業、さらに将来に向かえば、エネルギー生成や宇宙データ処理、ひいては宇宙マイニングのような事業も投資リストに上がり得る。このような理由から、今後5〜10年の間に、宇宙版ゴールドラッシュが発生する可能性があるとも言われる。宇宙が新時代スタートアップのブルーチップになるだろうか。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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