手塚作品アートNFTが120ETH(5,300万円)で落札、ジェネレーティブアートNFTも500名以上が購入

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本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

ブロックチェーンゲームやNFT事業を手がけるdouble jump.tokyoは12月20日、手塚プロダクションと協力してプロデュースした公式NFTプロジェクト「From the Fragments of Tezuka Osamu(手塚治虫のかけらたちより)」のシリーズ第一弾の販売結果を公表している。

販売されたのは手塚治虫氏の代表作品を題材とした「モザイクアートNFT(1点)」「ジェネレーティブアートNFT(1050点)」の2形態。モザイクアートNFTは、タイトル(Astro Boy/鉄腕アトム)のカラー原稿とそれ以外の手塚作品のカラー原稿、さらに白黒原稿の断片で構成されている。10ETH(発表時点の価格で約440万円)で販売開始され、120ETH(約5,300万円)でユーザー「D67C91」が落札した。

また、このモザイクアートNFTで使われた素材を基にランダムに生成されたのがジェネレーティブアートNFTで、1050枚のアートワークが出品されている。1000枚についてはNFTのマーケットプレイス「OpenSea」に出品されており、残り50枚についてはマーケティング目的で使用される。

本原稿執筆時点(28日)でのジェネレーティブアートNFTのオーナー数は565名、最低価格は0.1ETH(日本円の現在価格で約4.6万円)、平均価格は0.36ETH(約16.6万円)取引総額は265ETH(約1.2億円)となっている。

手塚プロダクションはこのプロジェクトで得た純売上の10%をユニセフと日本の子供のための組織に寄付するとしている。また、このシリーズ第一弾に続き「火の鳥」「ブラック・ジャック」を展開する予定で、この第二弾の販売を2022年1月開始予定としている。

今回販売されたNFTは画像データのみで、購入者は画像データの情報を含むNFTを利用・処分する権利を保有するが、画像データに関する著作権や商標などの知的財産権は付与されない。私的な利用のために提供され、その範囲を越えて第三者に提供したり商業利用することはできない。

ジェネレーティブアートNFTは現在も活発にトレードされている

NFTとは「Non Fungible Token(代替不可トークン/イーサリアムERC721)の略で、暗号資産取引所などで取引されている暗号資産とは異なる。ブロックチェーン上で生成したトークンをデジタルデータに紐づけることで、デジタルデータの真贋を証明することができるので、OpenSeaなどのマーケットプレイスで自由な譲渡・売買が可能となる。

手塚プロダクション取締役の清水義裕氏はプレスリリースにて「手塚治虫の欠片たちが世界の人々に認めて頂き大変喜んでおります。手塚治虫もコロナ禍に苦しむ日本をはじめ世界の子供たちのお役に立てることを喜んでいることでしょう」とコメントしている。

今回、手塚プロダクションのNFTプロジェクトを支えたdouble jump.tokyo代表取締役の上野広伸氏によれば、同社が開発・運営するブロックチェーンゲーム「My Crypto Heores(マイクリプトヒーローズ)」でのコラボレーションがきっかけだったそうだ。

今回販売したアートNFTに値がついたことについては、この手塚治虫作品に対する絶対的な価値と同時に、コミュニティがこのプロジェクトに対して注目を集めたことがなにより重要だと語っていた。

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