CB Insights、2021年の世界のスタートアップ資金調達動向を発表——ユニコーンの4社に1社がフィンテック

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Image credit: CB Insights

CB Insights が年次の世界スタートアップ資金調達動向をまとめた「State of Venture」を公開した。世界的に見て、投資実績が史上最大規模であったのに加え、フィンテック分野が急成長した。2021年、ユニコーンになった4社に1社はフィンテックスタートアップであることが分かった。2022年はフィンテックスタートアップの成熟につれ、さらなる成長傾向を見せることになりそうだ。

  • 世界のユニコーン数は959社で2020年に比べ69%増加、1年だけで517社増加した。時価総額100億米ドル以上のデカコーン企業は144社。
  • 2021年のグローバルベンチャー投資は621億米ドルで、2020年比2倍以上増加した。第4四半期には史上最大の資金が集まり、6四半期連続で成長を見せた。世界全地域で記録的な成長を示し、上から規模の大きい順に、アメリカ、アジア、ヨーロッパ、中南米だった。
  • 10億米ドル以上のメガラウンド投資は、2021年初めて1,000社は超え1,556社を記録した。メガラウンド投資は世界の投資件数の5%を占めたが、金額ベースでは59%を占めた。
  • アメリカで調達された資金は、史上最高額の311億米ドルに達し、世界の投資額の半数以上を占めた。投資件数も12,281件と史上最大を記録した。アーリーステージが投資件数の55%を占め、2022年はベンチャー市場のさらなる活性化が予測されている。
  • アジアは投資件数で12,484件を記録し、アメリカの投資件数を突破(7年ぶり)、2021年の世界の投資の36%を占め史上最多を記録した。中国のスタートアップ投資はアジア全体の50%を占めた。アジアにおける投資金額は178億米ドルで、昨年から89%増加した。
  • 2021年、世界で M&A が初めて1万件を突破した。2020年に比べ58%の増加。デジタルトランスフォーメーションがすべての産業分野の企業の必須条件となり、スタートアップ買収や合併を促進。M&A は6四半期連続で増加し、2021年第4四半期に最多の2,938件を記録した。
  • SPAC(特別目的買収会社)上場の時価総額中間値は、IPO 上場の時価総額中間値5億4,700万米ドルより高い16億米ドルだった。SPAC 上場は IPO 上場より早く推進できる代替手段となり、2021年に247%増加した。SEC(米国証券取引委員会)の規制により、2022年は成長は鈍化すると予想されている。
  • 2021年、フィンテックスタートアップが調達した資金総額は132億米ドルで、投資金額の21%を占めた。投資金額は2020年に比べ169%増加し、ユニコーン4社に1社はフィンテック企業だった。フィンテックスタートアップは、すべてのシードラウンドで最も多くの割合を占めており、2022年のスタートアップ成熟度に応じて爆発的に増加すると予想される。
  • 2021年に最も多くの投資を実行投資した会社は Tiger Global Management で、投資先は328社に上った。2021年第4四半期だけで107社に投資。次いで、SOSV が314社、Sequoia Capital China(紅杉資本)が276社。
  • サンフランシスコを含むシリコンバレーは、現在もアメリカ最大のテクノロジー投資の中心地だ。シリコンバレーのスタートアップが調達した金額総額は105億米ドルで、2020年に比べ2倍増加した。2位のニューヨークは2020年に比べ3倍に増加した。バイオテック市場が成長し、ボストンが3番目の地域に上がった。

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