支援集まる「Ukraine DAO(ウクライナ DAO)」に参加してみた【追記あり】

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ニュースサマリ:ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから数日、クラウドファンディングなどによる民間支援の輪が広がっている。中でも、25日(※記事中の日付はすべてJST)に公開されたDAOプロジェクト「UkraineDAO」には注目と暗号資産が集まりつつあり、3月1日15時の時点で430万米ドル(1470ETH)近くの支援を取り付けている。ウェブサイトによると、支援の方法は2つで、イーサアドレス「UkraineDAO.eth」宛に直接イーサリアムなどのトークンを送るか、PartyBidを通じて開催されているNFTオークションに入札することで参加することができる。

前者はMetamaskなどのウォレットを持っておらず、暗号資産取引所から送付したい場合に適しており、後者は参加した証として「LOVE Token」を配布する予定としている。このトークンに特にユーティリティ性はなく、オークションの入札は日本時間で3月2日午後9時に終了する予定。なお、全ての情報はウェブサイトおよびTwitterから得たものであり、状況に応じて変更の可能性があることを付記しておく。下記にサイトのメッセージ箇所を掲載しておく。

3月2日7時:文末に支援先の情報について追記しました。

Ukrainian Flag
This is the Ukrainian flag 🇺🇦 1/1. Funds raised from this sale will be directed to helping the Ukrainian civilians suffering from the war initiated by Putin. “Come Back Alive,” one of the most effective and transparent Ukrainian charitable and volunteer initiatives can be found at: https://savelife.in.ua

This project has been organized by Pussy Riot, Trippy Labs, PleasrDAO, CXIP, and many Ukrainian humanitarian activists working tirelessly on the ground and generously consulting with us to assure we have a safe place to direct our donations that will help those who need it the most. Much support and love to Ukraine 🇺🇦

これはウクライナの国旗です。🇺🇦  この販売で集まった資金は、プーチンによって始められた戦争に苦しむウクライナの民間人を支援するために使われます。「Come Back Alive」は、最も効果的で透明性のあるウクライナのチャリティーとボランティアの取り組みの一つで、savelife.in.uaにも掲載されているものです。

このプロジェクトは、Pussy RiotとTrippy Labs、PleasrDAO、CXIPによって立ち上げられました。そして現地で精力的に働く多くのウクライナの人道活動家の方々は支援を最も必要としている人々を助けるため、そして私たちの寄付が安全に、そして確実に届けられるために相談に乗ってくれています。ウクライナに多くの支援と愛を。🇺🇦

Ukraine DAOのメッセージ

話題のポイント:天災・人災問わず、人には無力だなと感じる時があります。思い返せば東日本大震災が発生した2011年3月11日、まだ日本では駆け出しだった頃のクラウドファンディングが活用されたのも、あの出来事がきっかけのひとつでした。金額は僅かであっても人の力が集まる、そういう意志のようなものを可視化する取り組みには一定の価値があると認識させられたのを覚えています。

そして今回、事象について言及することは控えますが、それでも何かできることをと思って探していたところ、このUkraine DAOに出会いました。こういったプロジェクトは素性を調べなければ怖くて参加できませんが、イーサリアムのヴィタリク・ブテリンさんや、イーサリアム財団の宮口あやさんたちがTwitterで信頼していたので、私もこちらに参加することにしました。なお、元々はMistletoe(ミスルトゥ)の孫泰蔵さんがFacebookグループでシェアしていたのがきっかけです。

ということで本稿ではウクライナを支援する、というのはもちろんなのですが、折角ですからWeb3というコミュニティ活動に参加する方法についても共有してみようかなと思います。興味はあったけど機会がなかったという方は、ぜひ参考にしてみてください。

イーサリアムを入手して送付準備するまで

Ukraine DAOを支援する二つの方法

Web3で嫌というほど目にするのが体験の悪さです。以前の「話題の鉄腕アトムNFTを買ってみた」でも書きましたが、基本的に初心者(一般消費者)の方にとって「保存・実行」という行為に手数料と時間がかかる、というハードルは永遠に理解されないのではないかなと考えています。インターネット老人会な人々がたまに口にする「その昔、インターネットに繋ぐためにはテレホーダイというものがあってな・・」というネタに近いと思います。時間課金とか今から考えても恐ろしいです。

さておき、今はそれを乗り越えないといけません。

まず、イーサリアムの入手は国内の暗号資産取引所で実施します。bitFlyerやコインチェックなど金融庁に暗号資産交換業として届出がある事業者はここで確認ができます。個人認証を終えると、日本円での入金ができますのでそれを使ってイーサリアムを購入します。この段階で、UkraineDAO.eth宛の送付も可能なのですが、今回はオークションへの入札に挑戦してみます。

次にウォレットの用意です。Web3におけるウォレットの役割はお財布であると同時に、ログインアカウントとしても機能します。AppleやGoogleなどのアカウントでログインし、アプリやECの決済をしたりしますが、それに近い体験です。サービスに「Connect wallet」というボタンを見かけることがあるのですが、これはウォレットでログインしてくれというものになります。

ということで今回はMetamask(メタマスク)というウォレットを使います。Metamask自体の入手はPC-ウェブでChromeなどのブラウザに機能拡張があります。これを通じてセットアップします。セットアップそのものは割愛しますが、検索するとずらりとノウハウが出てきます。

さて、今度は取引所で購入したイーサリアムをMetamaskに送付する必要があります。これも各取引所で方法が記載されていますが、Metamaskを作った際に取得したアドレスですね、これを使って送付を実施します。送付そのものの方法は各取引所のヘルプなどに委ねますが、送付反映のタイミングにものすごく時間がかかる場合があります。私はbitFlyerから送付したのですが、取引所で承認のプロセスがあるそうで、3時間ほどかかりました。

こうしてようやくMetamaskのウォレットにイーサが補充されたことになります。いよいよ入札参加です。

PartyBidへの参加

ウォレットを繋いでログイン

Ukraine DAOのサイトからリンクを辿ると、ウクライナ国旗がNFTとして掲げられているオークションページに到達します。このPartyBidは、NFT(ノン・ファンジブル・トークン/非代替性トークン)をチームで購入できるものです。今回はオークションというより、クラウドファンディング的に使われています。この仕組み自体もParty DAOが運営しており、寄付された暗号資産やNFTはスマートコントラクトによってトラストレスに自動管理されているので、どこかの誰かが持ち逃げすることもありません。

では、入札参加してみます。私のウォレットを繋いでログインします。ここに表示されている「kigoyama.eth」は私のウォレットアドレスをENSというドメインサービスで名前解決したものです。今回はウォレットに入っている0.5ETHを寄付したいと思います。

手数料計算時にMetamaskのウォレットが立ち上がって手数料(ガス代)を計算してくれます

PartyBidで入札額を設定すると、Metamaskのウォレットが立ち上がります。ここで入札時に必要な手数料(ガス代)を上乗せして支払う必要があり、その合計額が表示されます。0.5ETHを送付するのに必要な手数料は23米ドル(日本円で2500円)ほどでした。少額を送る際、このガス代が送付額を上回る「手数料負け」を起こす可能性もあるので、最初に送付する時に注意しましょう。ということで、この入札のリストに「kigoyama.eth」が無事表示されました。このブロックチェーンに刻み込まれた履歴は消すことができず、ずっと残ります。Etherscanで確認ができるので、どのアドレスからいつ、どの情報が送られてきたのか、チェックしてみるとよいです。

入札している間にも続々とリストにETHが送付されていました

これで私も入札、クラウドファンディングに参加することができました。また、他のDAOではDiscordなどが用意されていて、そこにサービス認証すると会員だけが見れるチャンネルが出てくるなど、コミュニティ活動への参加が可能になっていることがあります。ここにコントリビューター(貢献者)として役割を果たすことで、また違う広がり・景色を見られるという仕組みです。Ukraine DAOにはそういう仕組みは(私が確認した範囲で今のところ)ありませんが、こうやってブログを書くこともひとつの貢献かなと思います。

また、何か参加できるものがあればお伝えしたいと思います。

3月2日7時追記:このUkraine DAOがどの支援団体に資金を提供するのか、という点について情報を追記しておきます。まず、このプロジェクトの中心的なメンバーはロシアでプーチン政権に対して抗議的な活動を続けていたバンド「Pussy Riot」とデジタルアーティストのTrippy Labs、そしてPleasrDAOです。25日の立ち上げの際にクリプト系メディアDecryptの取材に対して「ウクライナの民間組織に寄付するため」として、資金提供先にReturn Alive(※) FoundationとNGO Proliskaを挙げていました。しかし、その後、このDAOプロジェクトはサイトにも記載されている通り、支援先として「Come Back Alive」という団体を記載しています。※Come Back Aliveの運営組織

ただ、この団体はCNBCなどの報道にある通り、集めた資金の一部が軍事関連機器に使われる可能性があるということで、掲載していたクラウドファンディングサイト「Patreon」から調査のため一時停止を受けています。この件について、The New York Timesは28日にプロジェクトのメンバーであるNadya Tolokonnikovaさんに取材し、「支援先のCome Back Aliveには兵士を武装させるのではなく、戦争の犠牲者のための医療支援に資金を使うことに同意した」との回答を掲載しています。

現在、日本からウクライナを支援する方法としては大使館を通じたものなどがあります。寄付した資金がどのように使われるか、その判断も含めて必要な情報でしたので、記事を一旦非公開として上記を追記の上、再公開させていただきます。追記は以上です。

※タイトルには分かりやすく「募金」としましたが、記事中に記載の通り、法定通貨(日本円)を募金する方法ではありません。暗号資産は価格変動が大きくリスクのある商品です。利用についてはその特性をよく理解した上でご参加ください。また、各サービスへのリンクは必ずUkraine DAOサイトから辿ってください。

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