「StartX」採択のエンタメ志向NFTメタバース開発Anifie、日本の投資家複数から資金調達し日本本格進出へ

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Image credit: Anifie

<26日午後2時更新> 投資家の名前を一部追加。

NFT とメタバースは、互いに相性が良いので同じ机上で話されることが多いが、性質的には全く異なるものだ。かたや NFT はブロックチェーン技術の礎に、バーチャルの世界でも希少性や唯一性を担保できる仕組み、かたやかつての Second Life もそうであったように、リアルと同じくらいさまざまなものを再現できる仮想空間である。NFT で付加価値を担保されたアセットをメタバース上に展開できる融合プラットフォームを構築できれば、ビジネスの可能性は大きく広がることは想像できる。

ロサンゼルス郊外を拠点に、弁護士で連続起業家の岩崎洋平氏が運営する Anifie( iOS アプリAndroid アプリ ) はまさにその可能性の途上にあるスタートアップと言えるだろう。Anifie の共同創業メンバーには、グラミー賞受賞者 John Oetjen 氏、「Sex And The City」や「CBS 60 Minutes」の作曲を手掛ける Patrick Woodland 氏などのハリウッドの重鎮らが名を連ねる。同社は24日、日本の投資家を中心に資金調達を実施したことを明らかにした。

このラウンドに参加したのは、DG ベンチャーズ、PKSHA SPARX アルゴリズムファンド、サイバーエージェント・キャピタル、パーソル(東証:2181)、ブイキューブ(東証:3681)、KIM.Z ファンド(元 Droptokyo, The Fashion Post の沼澤裕太氏のファンド)のほか、個人投資家として、金當一臣氏(ドリーム・プロジェクト・インキュベーターズ創業者)、大冨智弘氏(ティルス代表取締役社長)、麻生要一氏(AlphaDrive CEO、UB VENTURES ベンチャーパートナー)、佐藤嵩一郎氏(弁護士・公認会計士)、Raline Shah 氏(女優)。

Anifie は2017年8月の創業。スタンフォード大学のアクセラレータ「StartX」に採択されたのを機に、2020年4月に同アクセラレータ(出資者としては Standord Angels and Entrepreneurs)からシード資金を調達している。その後もハリウッド周辺のエンジェル投資家などから資金を調達しているようだが、詳細は明らかにされていない。今回のラウンドの位置付けは、シードラウンドか、ポストシードラウンドあたりと見られる。同社の創業以来の累計調達金額は、日本円換算で約3.9億円に達した。

Image credit: Anifie

NFT メタバースとしては、「Decentraland」や Animoca Brands 傘下の「The Sandbox」が有名。しかし、これらのメタバースと Anifie が異なるのは、モジュール式の NFT コンテンツを作り出せることだ。岩崎氏によれば、NFT は純粋なデジタルコレクティブル的な要素を持つもの、とりあえずブームに乗っているもの、NFT を使って資金調達しようとするもの(モジュール式)の3つに大別でき、2021年に世界で発行された NFT のうち全54%は、この資金調達を意図したモジュール式 NFT だったそうだ。

セレブリティや有名キャラクタが出す NFT コンテンツと、資金調達が可能なモジュール式の NFT の仕組み。その両方を同時に出せるのが Anifie の強みだ。この仕組みを、ホワイトブランドの提供形態で、強い影響力を持つファッションブランドや音楽アーティストなどが集うメディア向けにメタバース環境を展開、強い IP を取り込み、クロスプラットフォームで NFT が展開される環境形成に成功した。主催者は NFT 販売により資金調達ができるため、メタバースを使ったさらなるコミュニティ形成に再投資が可能になる。

今回の資金調達は、Anifie がこれまでのハリウッドを中心としたアメリカ市場に加えて、強い IP を持つコンテンツやブランドを多数擁する日本市場への本格展開を見据えてのものだ。今回の調達で VC 以外に事業会社が投資家に名前を連ねている背景には、何らかの協業や事業シナジーを見出していることが推測できる。Web3 で産業構造が大きく変わる可能性が高いとされるエンタメ業界に近い分野を手掛けているだけに、Anifie が日米両国で展開する動きは特に興味深いと言える。

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