NearMe、制度緩和受け東京都内4区でタクシー相乗りサービス開始へ——AIでルート最適化、相乗り客をマッチング

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Image credit: NearMe

都市部を中心に、乗合タクシーサービス「nearMe.(ニアミー)」を運営する NearMe は、24日から東京都内4区(中央区、千代田区、港区、江東区)でタクシーの相乗りサービス「nearMe.Town(ニアミー タウン)」を開始する。このサービスは nearMe. のアプリから利用できるが、AI を活用したルーティング最適化により、出発地や目的地が近い利用者をマッチングすることで、1人で乗る場合に比べ最大5割ほど安くなる。運営は nearMe. と協力関係にあるタクシー会社が行い、nearMe. は手数料を得る。

NearMe はこれまで、ハイヤーや大型タクシーを使った相乗りサービスを提供してきたが、これらはオンデマンド形式で、空港、ゴルフ場、工場など、予め出発地と目的地を設定し、指定日よりも前に予約することで送迎サービスを受けられるというものだった。NearMe は旅行業免許を有し、相乗りの注文が発生するたびに募集型企画旅行を作成し、その契約を履行する形でサービスを運用してきた。

タクシーやバスなどの運送について規定された道路運送法では、タクシーは1回の運送につき1つの運送契約が結ばれることが原則となっていて、1回の運送につき複数の運送契約(相乗り)はできないとされていた。国土交通省では昨年11月、都市部の通勤ラッシュの混雑緩和や MaaS 拡大の観点から、他人同士のタクシー相乗りを全国で解禁。これを受けて、NearMe は nearMe.Town を開始することを発表していた。同社では nearMe.Town を年内にも都内23区全域に拡大する考えだ。

韓国でも長年にわたって相乗りタクシーは認められていなかったが(ただし違法ではあるものの、事実上、横行していた)、昨年7月に改正されたことを受けて相乗りタクシーが解禁となった。相乗り時の料金トラブルが絶えず1982年から相乗りが禁止されていたが、相乗り客をマッチングさせ、料金を瞬時に当分割するアプリ「Banban Taxi(반반택시)」などの登場により問題が解決されるようになった。この分野では日本にも進出した Via が昨年末の資金調達で、時価総額33億米ドルをつけた

NearMe の設立は2017年7月で、タクシー相乗りアプリ nearMe. を2018年6月に公開。KEIKYU ACCELERATOR PROGRAM 第2期、JR 東日本スタートアッププログラム第3期Plug and Play Japan「Batch 2」に採択された。これまでにプレシリーズ A およびシリーズ A ラウンドを通じて約8億円を調達している。

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