Plug and Play Japan「Batch 2」デモデイが開催、国内外59チームが大企業との協業内容を披露——次期「Batch 3」の募集は15日まで

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2019.3.10

(No New Folk Studio の写真は同社 Twitter から、Adinte の画像は同社ウェブサイトからの引用。
それ以外は筆者撮影。)

シリコンバレー・サニーベールに本拠を置くアクセラレータ Plug and Play の日本プログラムである Plug and Play Japan は7〜8日、アクセラレーションプログラムの BATCH 2(第2期)のデモデイを都内で開催した。「Plug and Play Japan Expo」と題したイベントには多数の参加者が訪れ、3ヶ月間に及んだアクセラレーションプログラムの成果や、大企業パートナー各社との協業成果に注目を集めた。

BATCH 2 では4つのバーティカル(Fintech、Insurtech、IoT、Mobility)が設定され、国内外59社が採択された。本稿では、参加者投票などの結果、受賞に至ったスタートアップについて、バーティカル毎に紹介したい。プログラム採択・ピッチ登壇スタートアップについて、バーティカル毎の Expo Winner(1位)と Runner-up(2位)の2つの賞が設定され表彰された。

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【EXPO Winner – FinTech】REMETIS by RESTAR(日本)

RESTAR が提供する「REMETIS」は、不動産投資のためのオンラインプラットフォームだ。不動産投資においては、利回りを計算するため、投資対象物件周辺の賃料分布や建物ごとの空室率などの情報が必要となるが、これらは概ね紙の資料の形でしか入手できず、まとめて一ヶ所で入手することが困難だ。REMETIS ではこれらの情報をワンストップで提供し、不動産投資事業者の情報収集、情報統合、情報分析を支援する。

ユーザが自ら用意した情報は、PDF ファイルをアップロードするだけで文字認識・形式認識の上、情報格納が可能。また、周辺エリアの将来の開発計画なども一覧できる。従来に比べ、投資分析資料の作成に要する時間が10分の1になるという。昨年10月にローンチしクローズドベータ版として運用。現在、住友商事や SOMPO ホールディングスとサービス利活用に向けた協議を行っている。

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【Runner-up – FinTech】dotin(アメリカ)

Dotin は、CRM やソーシャルメディアなどの情報をもとに、人工知能を用いて個人の性格を決定づける技術を開発している。行動科学分析により、ユーザの潜在心理にまでアクセスすることで、企業が意思決定を支援する。具体的には、企業がマーケティングを実施たり、人材を求める時に適任者を探したりするのに役立つ。

最も期待されるのは、企業が人材を雇用する際に、社風に合った人材を見つけるのを支援する点だ。また、E コマース事業者がデジタルメディアを通じてユーザのモチベーションを理解することにより、よりユーザ毎の深いパーソナリゼーションを行うのに活用している例もあるそうだ。

【EXPO Winner – InsureTech】UrDoc(日本)

UrDoc は、外国人が日本において医療を受けやすくするサービスだ。チャットボットを使った問診とオンライン医師により、外国人の健康上の不安や体調不良などをリアルタイムでサポート。必要に応じて、対面で診療を受けられる医療施設への誘導なども行う。日本における言語障壁の問題に加えて、オンラインで医療施設の情報が入手しにくいという情報の非対称性の問題を解決する。

海外からの旅行客が体調を崩した際、普通にスマートフォンで探すと3時間かかったが、UrDoc を使うと10分間で解決した事例があるという。B2B2C でのマネタイズを想定しているが、医療という緊急性が生じる可能性も考慮し、B2C の選択肢も残している。世界中の医師をネットワークすることで、日本以外の市場においても、同様のサービスを提供する計画を持っている。

【Runner-up – InsureTech】Lily Medtech(日本)

乳がん検診で使われるマンモグラフィを使った方法では、乳房を挟むため痛みを伴う、東洋人に多い乳腺が高密度に発達している女性の場合、乳がんを見落としてしまうことがある、などの課題がある。Lily MedTech は、東京大学で開発された医用超音波技術を使うことにより、乳房を挟まず機械にうつ伏せになるだけで診断が可能な、非侵襲の乳がんスクリーン検査を実現した。

高精細の画像診断により乳腺が高密度な乳房でもがんを見落としにくく、再現性の高い乳房全体の3次元画像を簡単に撮影できるのが特徴。また、AI による診断支援により、がんかどうかを判断するのに必要な教師データを集めやすいとしている。

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【EXPO Winner – IoT】No New Folk Studio(日本)

No New Folk Studio は、モーションセンサーや通信機能を備えた靴型ウエアラブルデバイスのプラットフォーム「Orphe」を開発。今年2月には、MTG Ventures、三菱UFJ信託銀行、Darma Tech Labs、Mistletoe からシリーズ A ラウンドで2億5,000万円を調達した。

昨年、同社が参加した MUFG デジタルアクセラレータ第3期では、「1日1歩あるく毎に、医療費が0.065〜0.072円削減される」というデータに基づき、いわゆる情報銀行のプラットフォームを使って、パーソナルフットデータを集約し、健康保険やヘルスケアに反映させる構想を明らかにしている。

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【Runner-up – IoT】Adinte(日本)

Adinte は、ショッピングモールやイベントなどで消費者データを取得可能な O2O ソリューション「AI ビーコン」を開発。一般的なビーコン技術は BLE(Bluetooth Low-energy)を旗艦技術としているものが多いが、スマートフォンやモバイルデバイスの BLE をオフにしている人は意外と多く、リアルでのユーザ行動を把握する技術としては課題が残る。

Adinte のビーコンは WiFi を使っており、MAC アドレスの取得によって端末(=ユーザ)の行動を捕捉、これを広告識別子と結びつけることにより、ユーザに対して行動に応じた最適な広告発出を実現する。主に O2O マーケティングでの活用を想定。

【EXPO Winner – Mobility】Swipe Video by Amatelus(日本)

一般的な動画はもとより、360°パノラマ動画であっても視点を切り替えることはできない。この種のサービスがまだあまり実用化されていないのは、受信側・閲覧側のデータ処理が非常に重いものになるためだ。AmatelusSwipe Video は、視点切替可能な動画を効率的に伝送し再生できるテクノロジーを開発した。自分とトレーナーの動きを見比べたりできることから、スポーツでの遠隔トレーニングや有効だという。

スポーツクラブの東急スポーツオアシスで検証映像を撮影、NEC とは PoC を実施し、また富士通の協力で卓球の T リーグでも撮影を実施した(富士通は T リーグの ICT パートナーを務めている)。同じ対象物を撮影するユーザ同士が、他者のスマートフォンのシャッターを切って映像を共有できるマルチ視点のサービスを開発中。今後、5G の市場導入が進むのに合わせ、5G 向けサービスの開発も進めたいとしている。

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【Runner-up – Mobility】nearMe.(日本)

nearMe. は、タクシーの相乗りを促進するプラットフォームだ。同じ方向をへ向かう人をマッチングし、同じタクシーに乗り合わせた人同士を距離按分しアプリ決済、最後にタクシーを降りる人がまとめて全体料金をタクシーに支払う仕組み。タクシー側には特別な仕組みが必要無いため、事実上全てのタクシーで利用可能。

タクシーに対しては、日本のタクシー実車率が平均40%とされる中、乗車料金を割安(平均40%割安になる)にすることによって、実車率を上げる効果が期待される。ユーザは、日本で相乗りアプリが規制される中、それに似た体験ができるメリットがある。これまでに12社と協議を実施し、うち4社が継続検討中。東急不動産とも協業中だが、協業内容については現時点で開示されていない。


今回から InsureTech における新たな大企業パートナーとしてアフラックが加わった。また、これまでの FinTech、InsureTech、IoT、Mobility に加え、Batch 3(第3期)からは Brand & Retail が新たなテーマとして加わり、大企業パートナーとして、新たにコカコーラとアサヒビールが参加することが明らかになった。

募集は3月15日(日本時間で、23時59分59秒)まで実施され、プログラムは6月3日から開始される。

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