ニュースサマリ:Web3スタートアップのAstar Networkは28日、新たな資金調達を公表している。リードしたのはPolychainキャピタルで、このラウンドにはAlameda Research、Alchemy Ventures、Animal Ventures、Crypto.com Capital、Digital Finance Group、GSR、Vessel、Injective Protocol、Scytale Ventures、そしてGavin Wood氏(polkadot)、Richard Ma氏(Quantstamp)、Keisuke Honda(本田圭佑氏)、Web3 Foundation、Parity Technologiesに所属するエンジェル投資家らが参加している。調達した資金は2,200万ドル。
Astar Networkは日本発のパブリックブロックチェーンの公開を目指し、2019年から活動してきたプロジェクト(旧名称はPlasm Network)。2020年5月にローンチしたPolkadotをベースレイヤーとするdAppハブになるべく開発を進め、昨年12月にはPolkadot Parachain枠を確保するオークションにおいて400億円以上のステーキング(信用枠確保)に成功。オークションにおいて世界3番手としてここに参加した。1月17日にはメインネットを立ち上げて、開発当初の目標であった日本発パブリックチェーンの立ち上げに成功している。
今回出資したPolychainキャピタルは取引所最大手のCoinbaseやCOINLISTなどトッププロジェクトに投資するベンチャーキャピタル。polkadot創設者のGavin Wood氏や、大谷翔平選手をアンバサダーとして起用したことで有名なFTX系列にあるAlamedaがラウンドに参加するなど注目度が高い。Astar Networkの中核企業であるStake Technologies Pte Ltd(本拠地:シンガポール・CEOは渡辺創太氏)が法人としての機能を有しており、同社はこれまでにBinance LabsとFenbushiをリードとするラウンドで、OKX VenturesとHuobi Capitalなどから1,000万ドル(約11億円)の調達を完了させている。
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Astar Networkが解決しようとしている課題は相互運用性(インターオペラビリティ)と開発者インセンティブの問題がある。相互運用性についてAstarは、Ethereum Virtual MachineとWebAssemblyの両方をサポートしており、開発者はSolidityコントラクトだけでなく、Polkadotネイティブのスマートコントラクトをデプロイすることが可能になっている。加えてAstarは複数のEVMと非EVMのL1ブリッジをサポートする。EthereumブリッジはMultichain、Celer Network、Nomadによってすでに配信されており、Cosmosブリッジは第1四半期に配信される予定となっている。開発者のインセンティブについては、先頃のメインネットローンチに合わせて、Astarが上場させたガバナンストークン「ASTR」が使われる。
「次に、Astarは#Build2Earnプロトコルをネイティブでサポートしています。#Build2Earnプロトコルは、Astar Network上の開発者にベーシックインカムを配布するものです。開発者はAstar上で製品を構築することで、そのパフォーマンスと分散型投票に基づくブロック報酬から基本収入として$ASTRトークンを獲得することができます。これは、開発者がAstarを選択する強いインセンティブとして機能します」(リリースより)。
Tier1としてグローバルで認知されている暗号資産取引所「Huobi Global」などに上場を果たしたASTRは、上場時の評価額で日本円にして2,000億円をつけるなど注目度も十分高い。
同社では次のステップとしてAstarとして複数のレイヤー1(L1)チェーンに接続し、複数のスマートコントラクト仮想マシンをサポートし、マルチチェーン・スマートコントラクトハブとなることを目指すとしている。
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