ロールアップECのACROVE、5億円超をシリーズA調達——ニッセイ・キャピタル、博報堂DY、日本郵政、CACから

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ACROVE のオフィス
Image credit: Acrove

マーケティング BI ツール「ACROVE FORCE」を軸に、EC プラットフォーム事業を展開する ACROVE は20日、シリーズ A ラウンドで5億円を超える金額を調達したと明らかにした。このラウンドはニッセイ・キャピタルがリードし、博報堂 DY ベンチャーズ、日本郵政キャピタル、サイバーエージェント・キャピタル(CAC)が参加した。CAC が2021年4月の出資に続くフォローオン。なお、博報堂 DY ベンチャーズと日本郵政キャピタルとは、マーケティングや物流での戦略的提携を視野に入れたものだとのことだ。

ACROVE の事業は B2B と B2C に大別される。B2B では主に国内メーカー向けに EC 成長支援サービスを展開、導入後の平均売上成長率を300%を実現している。B2C 事業では、俗にロールアップ EC と呼ばれるサービスを展開。これは、主に Amazon や楽天上でレビューが良く成長が見込まれる収益性の高いブランドを買収し、商品調達やオペレーションの効率化やマーケティングの強化により、さらなる成長を目指すモデルだ。

「ACROVE FORCE」
Image credit: Acrove

ACROVE は2018年11月、当初はサプリメント事業で創業(創業時の社名はアノマ)。E コマース支援、工場シェアリングなどに事業を多角化し、2020年10月に現在の社名に変更した。同社は E コマース支援やロールアップ EC  事業開始から2年間経過した昨年4月の段階で、買収ブランドが30を超えたことを明らかにしている。また、昨年8月には、ブランドの M&A にあたり、PE 投資やベンチャー投資を行う JIX CAPITAL と業務提携したことを発表した。

ロールアップ EC として世界的に有名なのは Thrasio で、昨年10月に10億米ドルを調達し、時価総額は最大で100億米ドル(=デカコーン)に達した。一昨年7月時点での時価総額は10億米ドルだったことから、1年間で時価総額は最大で10倍に成長したことになる。このほか、インドの GlobalBees は昨年末、11億1,500万米ドルを調達し、時価総額は11億米ドル(=ユニコーン)に、中国の Nebula Brands(奈百勒)は昨年末、PE大手 L Catterton から5,000万米ドルをシリーズ B 調達している

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