DeFiプロバイダに金融機関レベルのセキュリティ提供、台湾KryptoGO(重量科技)が300万米ドルをシード調達

KryptoGO のチーム
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台湾のレグテックスタートアップ KryptoGO(重量科技)は、シードラウンドで300万米ドルを調達した。このラウンドには、Hive Ventures(蜂行資本)のほか、National Development Council(台湾国家発展委員会)、Red Building Capital(紅楼資本)、AVA Angels(AVA 天使)、New Economy Ventures(新経済資本)、Hao Fong Investment(皓豐投資)、Pegatron Venture Capital(和鼎創業投資)などの VC が参加した。

ISO/IEC 27001と27701の両方の情報認証を受けた初のブロックチェーン企業 KryptoGo は、この資金を活用して、アメリカでの市場プレゼンスを拡大し、さらにチームを増強して年内に新しい製品機能を立ち上げる予定だ。

今日のデジタル社会では、企業や個人がより効率的に資産にアクセスし、追跡し、保護する方法を見つけることが非常に重要だ。DeFi(分散型金融)の分野では、近年、金融資産の価値が急騰しているため、このことはより適切なものとなっている。

情報の透明性とデータの安全性を最重要視する KryptoGo の主要なソリューションにおける模範的な実績に感銘を受け、レグテックと DeFi 分野における彼らの今後の展開に期待している。(Hive Ventures 創業パートナーの Yan Lee=李彦樞氏)

DeFi は今日の金融エコシステムで勢いを増しているが、そのデジタルの複雑性とチェーンや DApp(分散型アプリケーション)の成長エコシステムは、機関投資家や初心者ユーザーとって、Web3 の世界へのシンプルで統一的かつ信頼できるゲートウェイの必要性に光を当てている。

ここで我々の出番だ。金融機関から信頼されている、安全かつコンプライアンス準拠の技術により、我々のユーザは、伝統的な DeFi のニーズを満たしながら、仮想通貨ポートフォリオを入手・管理・拡大できる環境を享受することができる。(KryptoGO の創業者兼 CEO Kordan Ou=欧曜瑋氏)

KryptoGO の創業者兼 CEO Kordan Ou=欧曜瑋氏
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2019年に設立された KryptoGO は、Web3エコシステムで動作する暗号資産と DApp を管理するための、より安全で透明な環境を確立することによって、金融機関や個人を強化することを目的としている。同社は、包括的なグローバルマネーロンダリング防止データベースと人工知能システムを備えた自然言語処理技術を使用し、マネーロンダリング防止データとその他の危険な行動の相互比較を可能にする。

2021年には約32億米ドル相当の仮想通貨がハッカーに盗まれたばかりで、データセキュリティに対する重要視が高まっている。こうした脆弱性に対処するため、KryptoGO は旗艦製品であるモバイルウォレットとコンプライアンス準拠のプラットフォームを通じて、ユーザのデータセキュリティに積極的かつ能動的なアプローチを導入している。

KryptoGO ウォレットは、ユーザが単一プラットフォーム上でクロスチェーン資産を統合・管理し、データセキュリティを確保しながら、DeFi の多数のチェーンから有利な DeFi 投資機会を特定できることを保証する。
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同社は、金融アイデンティティの確認と DeFi 資産管理機能を備えた分散型クロスチェーンウォレット「KryptoGO ウォレット」を発表した。KryptoGO ウォレットは、同社独自のクロスチェーン技術を活用し、ユーザがクロスチェーン資産を単一のプラットフォーム上で統合・管理し、データの安全性を確保しながら、DeFi の多数のチェーンにまたがる有利な DeFi 投資機会を特定できることを保証するものだ。

KryptoGO ウォレットに存在するクロスチェーン技術は、仮想通貨と情報を異なるブロックチェーン間でシームレスに共有し、その過程であらゆるスケーリングの制限に対処することができる。

KryptoGO ウォレットは、Bitcoin(BTC)、Ethereum(ETH)、Binance Smart Chain(BSC)、Solana(SOL)、TRON、 MATIC など、いくつかの仮想通貨をサポートしている。さらに、このウォレットには、暗号技術「Advanced Encryption Standard(AES)」を持つ Secure Enclave や、生体認証およびパスコード認証機構を含むセキュリティ機能が組み込まれている。これにより、ユーザはウォレットにアクセスする際に顔認証やタッチ認証を採用することができ、最適なデータ保護とパーソナライズされたユーザ体験を提供する。すべてのマルチチェーン資産は電話番号だけで管理され、システムオンチップ(SoC)によって守られたハードウェアストレージに安全に保管される。

ISO/IEC 27001 と 27701 の両方の情報認証を受けた最初のブロックチェーン企業として、KryptoGO は金融データの侵害に対してユーザセキュリティを最大化することを基本としている。同社はさらに、製品とソリューションにおいてユーザ中心主義を強調している。それは主に、ユーザが DeFi のニーズに対応する際に、複数の個別の DApp ブラウザを使う複雑さを回避するため、包括的なモバイルウォレットの使用というネイティブな経験を提供することだ。

今年初めに「NFT 福袋」をローンチした現在のパートナーシップの取り組みに加え、KryptoGO は、アメリカ、日本、東南アジアのエコシステムパートナーとのコラボレーションを通じて、その強固なパートナーシップと顧客基盤を拡大する計画だ。パートナーは、NFT コレクションから GameFi プロジェクトや DeFi プラットフォームに至るまで、KryptoGO ウォレットのユーザ間でより大きなソーシャル要素とコミュニティ意識を醸成することを目的としている。

また、KryptoGO ウォレットの機能にこのようなソーシャル要素を組み込むことを目指し、ユーザが仮想通貨投資や NFT コレクションに基づいて交流し、情報を共有できるようにする可能性もある。現在、同社は今年後半に KryptoGO ウォレットのプレミアム機能へのアクセスをユーザに付与する、初の NFT GEM パスのローンチに向けて動き出したところだ。

【via Meet Global by Business Next(数位時代) 】 @meet_startup

【原文】

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