地域密着・生活関連サービス見積比較のミツモア、23億円をシリーズB調達——累積調達額は33億円に

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ミツモアのメンバーと、今回ラウンド参加の投資家の皆さん。中央が CEO の石川彩子氏
Image credit: MeetsMore

不用品回収、エアコンのクリーニング、ハウスクリーニング、庭木の剪定など、地域密着・生活関連サービスを提供する事業者の見積比較と受発注代行、それらの事業者に対する SaaS などを提供するミツモアは4日、シリーズ B ラウンドで23億円を調達したと発表した。このラウンドは Eight Roads Ventures がリードし、MPower Partners、三菱 UFJ キャピタル、AngelBridge、WiL(World Innovation Lab)が参加した。

これはミツモアにとって、2021年6月に実施したシリーズ A ラウンドに続くものだ。三菱 UFJ キャピタルからの資金調達は戦略的出資の意図を含んでおり、三菱 UFJ キャピタルが属する 三菱 UFJ フィナンシャルグループ(MUFG)各社との協業が期待される。今回参加した投資家のうち、AngelBridge とWiL は、シリーズ A ラウンドに続くフォローオンでの出資。今回の調達を受けて、ミツモアの累積調達額は33億円に達した。

ミツモアは2017年2月、石川彩子氏(現 CEO)により創業。石川氏はミツモアを創業する前、コンサルファーム大手ベイン・アンド・カンパニーで戦略コンサルタントとして勤務した後、シリコンバレーのアート系マーケットプレイススタートアップ Zazzle でプロダクト開発・マーケティング・ファイナンスを担当した。アメリカで地域密着・生活関連サービスの市場効率化を目指すプラットフォームが複数誕生していた中で、日本ではこの分野がまだまだ成熟していなかったため、ミツモアをローンチした。

「ミツモア」
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2017年3月の最初の依頼から、5年4ヶ月を経て、今年7月に累計依頼数が200万件を突破、この件数が昨年同月比で2.4倍となったことを明らかにした。現在では生活関連サービスに加え、リードジェネレーション領域として、企業向け営業支援ソフトウェアを開発する事業者への送客も行っている。これはミツモアが従来から税理士など士業紹介などもサービスしていて、ユーザからの依頼にソフトウェアで解決できるものが含まれていたことから、ソフトウェア事業者への送客に発展したものだ。

この分野では、Zehitomo、「くらしのマーケット」を運営するみんなのマーケット、ユアマイスターなどを競合として見ることができるだろう。総じてどのスタートアップもシリーズ B ラウンドを終え、直近で数十億円規模の資金調達を明らかにしている。ミツモアでは独自開発した AI により、ユーザにとって最適な事業者を最大5社選んで見積もりを提示する機能を実装しており、事業者にとっては案件への提案応募を無料、手数料を成約時発生にしたことで、ユーザと事業者の双方から評価を得ているという。

ミツモアではまた、今回の資金調達とあわせ、事業者向けの業務効率化 SaaS「MeetsOne」を正式ローンチした。電気工事、機器修理や設置、リフォームといったフィールド業務に特化して、オペレーションの最適化、ルート最適化により、業務効率の向上を支援する。スケジューリング、顧客情報や案件履歴の管理、顧客への技術者の到着予定時間通、見積書や請求書の作成と管理といった機能を提供し、ミツモアに参加する事業者のエンゲージメント向上につなげる。

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