デジタル流通技術基盤からピボット、コンテンツ版Shopify「LITEVIEW」に馬場稔正氏、山口豪志氏が参画

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左から:馬場稔正氏(社外取締役)、Kun Woo Lee 氏(CEO)、山口豪志氏(社外取締役)
Image credit: Liteview

動画やデジタル画像のコンテンツ流通技術を開発する Pulit については、2016年から2018年にかけて、3回ほど取り上げた。同社は東京工業大学出身で Samsung Electronics で研究開発に従事していた Kun Woo Lee 氏(CEO)、フリーランスでアプリ開発をしていたキム・ミンス氏(CTO)らによる、テクノロジー系のスタートアップだ。同社は、動画やデジタル画像のコンテンツ流通のためのプラットフォーム「超流通」を提供、これまでに、日本や韓国のベンチャーキャピタルなどから数億円を調達した。

システム開発や設備投資に資金や手間がかかるなどの理由から、動画や画像のコンテンツ配信はプラットフォームへの依存を余儀なくされることが多い。かくして、コンテンツクリエイターよりもプラットフォーマーが主導権を取りがちで、クリエイターは自分が考えるようなビジネスモデルやマネタイズメソッドで、コンテンツ配信のビジネスを展開できないことがしばしばだ。クリエイター側が主導権を持ち続けられるようにするというコンセプトをそのままに、Pulit は今年5月、LITEVIEW に社名変更しピボットした。

LITEVIEW は、動画やデジタル画像はもちろん、ライブ配信、写真集、ラジオ、ライブコマース、オンラインイベント、オンライン教育、そして、コンテンツを伴うクラウドファンディングなど、さまざまなフォーマットのコンテンツを販売できるプラットフォームだ。e コマースにおいて、店舗オーナーが自前で思うように切り盛りしたいというニーズから、大手 EC から Shopify やインスタント EC プラットフォームに乗り換える動きがあるが、LITEVIEW は無形コンテンツ版の Shopify と言えるだろう。

Image credit: Liteview

LITEVIEW は3日、馬場稔正氏と山口豪志氏が共に社外取締役に就任したことを明らかにした。ちなみに、山口氏は2016年8月のシードラウンド(当時の社名は Pulit)に出資参加したエンジェル投資家の一人でもある。馬場氏は、医師・看護師の人材紹介大手 MRT(東証:6034)の創業メンバーの一人で、後に代表取締役を務めた人物だ。最近では再生医療テクノロジー(略称:RMT)、企業とインフルエンサーをマッチングするインフルエンサー Z を創業、美術業界 DX の TODOROKI にエンジェル投資している。

LITEVIEW では、現在の「LITEVIEW」を昨年秋くらいからクローズドベータ運用でテストを重ねてきた。レベニューシェアではなく、コンテンツの売れた分の収益がそのままクリエイターに還元されるモデルが受け、コンセプトレベルでの目標が達成されたことから、今年6月に名前非開示の事業会社などから1億円を資金調達した。馬場氏と山口氏を社外取締役に迎えたのを受けて、同社では今後、他社との事業提携、LITEVIEW のマーケティングや販売体制を強化していくとみられる。

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