台北に500社が集結、スタートアップイベント「Meet Taipei」が開催——3日間で7.2万人が来訪

Photo credit: 侯俊偉

2022年の Meet Taipei(創新創業嘉年華)が16日に開幕した。世界経済の低迷、景気循環の到来、革新技術業界の混乱に直面して、今年の Meet Taipei は「The New Paths for Disrupters」をテーマに、経済変化、技術革新、トレンドの影響を受けた台湾のスタートアップを紹介する。

2022年の Meet Taipei は、スタートアップコミュニティに親しまれている圓山花博公園に戻り、展示会場は3,000坪に拡大され、台湾の入国時の感染症予防管理が緩和されたこともあり、海外スタートアップ15チームが17地域から参加した。シリコンバレーの伝説的なベンチャーキャピタリスト Tim Draper 氏もオープニング会場を訪れ、台湾副総統の William Lai(頼清徳)氏や台北市長 Ko Wen-je(柯文哲)氏も出席し約500人が参加した。スタートアップ、企業、政府、アクセラレータ、学術機関などが、アジア最大のスタートアップカンファレンスに集まった。

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台北から世界へ、Meet Taipei はアジアのスタートアップの出発点

台北市長の Ko 氏は、台北市は起業家サービスオフィス「StartUP@Taipei(創業台北)」、21億ニュー台湾ドル(約95.5億円)を超える補助金を提供する「台北市産業発展奨励補助計画」、貸付額25億ニュー台湾ドル(約113.7億円)を超える「中小企業融資」と「青年起業融資」プロジェクトなど、台湾スタートアップの発展を牽引する重要拠点だ、と述べた。

すでに運営を開始している15の起業拠点は、すべて台北の起業エネルギーを高めることを目的としている、という。また今年は、「Meet Taipei」や「POP UP ASIA」などの大規模カンファレンスで構成される「2022 台北国際創業週間」の一連のイベントも、より多くの国際交流の活性化と、台北市を「アジアで起業に最適な都市」にすることを目的としている。

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(編注:イベント主催者で、「Meet=創業小衆」発行元の)Business Next(数位時代)名誉発行人の Feipeng He(何飛鵬)氏は、テック大手が最近従業員を解雇したが、こうした企業の10万人の人材がスタートアップに散らばったことは、スタートアップがハイレベルの人材を引き付ける力を持っていることを意味し、それは国の未来であり、今年の Meet Taipei は非常に重要になる、と述べた。

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副総統の Lai 氏は、一般的な環境の観点から、現在の台湾には、新しいイノベーションのための3つの優れた条件——適切な時期、適切な場所、適切な人材が揃っていると述べた。時期としては、IoT がもたらすスマート世代やグリーンテクノロジーの台頭は、スタートアップにとってチャンスであり、場所としては、政府が多くのインセンティブや削減、人材育成プログラムを提供しており、人としては、9年前から開催されアジア最大のニュービジネスフェアとなった Meet Taipei には、500以上の新しいスタートアップ、ベンチャーキャピタル、アクセラレータ、インキュベータ、その他のコミュニティパートナーが集結している。

台湾のスタートアップは、この最悪の時期を最高の時期に変えることができるに違いない。

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在台湾フランス人協会理事長の Jean-François Casabonne-Masonnave 氏と日台交流協会台北事務所副代表の服部崇氏は、現在のパンデミック下でも台湾経済は活況を呈しており、特にスタートアップのエネルギーの多様性は驚くべきものであると考えている。パンデミックが落ち着いたのを受け、国際的なスタートアップがついに再び Meet Taipei に参加する機会を得て、台湾のスタートアップと交流する機会が増えることを楽しみにしている、と語った、

「NFT Neo」を初リリース、台湾に新しいクリエイティブコミュニティを作る

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アジア最大のスタートアップ展示会として、今年の Meet Taipei には台湾のスタートアップ362社と海外スタートアップ77社が参加し、海外スタートアップ約50社が展示会参加のため台湾に上陸した。また、シリコンバレーの伝統的な投資家である Tim Draper 氏は「イノベーションと起業家精神のトレンド」と題したフォーラムに登壇し、基調講演を行った。また、展示期間中は、日本のメディア THE BRIDGE やカナダ商工会議所の国際的な活動も、台湾の新しいスタートアップとの交流のハイライトだった。

台湾スタートアップの多様性は、台湾のスタートアップシーンで最も象徴的な「Meet Neo Star Demo Show」で確認することができる。例えば、持続可能性(サステナビリティ)は、今年最も急成長するアプリカテゴリの一つになった。また、Meet Taipei では、持続可能性を議論するために、「Profit in Green, Benefit the World」というセッションを設け、企業やスタートアップが「正しい方法」で「正しいお金」を稼ぐ方法を共有した。

9年連続で開催されている Meet Taipei も、自らイノベーションを実践している。 「ブロックチェーン」は最もホットなイノベーションの波だ。Meet Taipei はWeb3 スタートアップ15社と協力し、「ブロックチェーンと Web3」をテーマにした展示エリアや、DAO などのさまざまな角度からの多数のフォーラムを開催する。情報セキュリティ、データアプリケーションに関する講演を多数開催するほか、ブロックチェーンスタートアップの FDC(發動科技)と協力して「NFT NEO」を発行、聴衆が今年の最も代表的な「未来のユニコーン」に投票できるようにする。投票結果は、「新しいユニコーン創造ギャラリー」の展示エリアにリアルタイムで表示される。

「Startup Corridor(新創光廊)」展では、台湾のスタートアップエコシステムの萌芽を振り返るとともに、今後のスタートアップの発展に向けた期待感を高めることができる。

ポストパンデミックといわれる激動と不況の時代には、スタートアップのエネルギーが危機をチャンスに変える鍵となる。台湾内外のスタートアップを集めた Meet Taipei は3日間で、より多くの交流を促進し、スタートアップの回復力と活力を紹介する。

Photo credit: 侯俊偉

【via Meet Global by Business Next(数位時代) 】 @meet_startup

【原文】

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