TikTokのECがアジアで急成長、中国版Slack「Lark」国内から日本などへの展開優先に転換か——中国スタートアップシーン週間振り返り(1月9日~13日)

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「Lark(中国国内では飛書)」と「TikTok」
Image credit: Bytedance(字節跳動), Copyright free photo by Anton via Pexels

本稿は、Technode(動点科技)が、1月9日〜1月13日に配信した「News Feed」記事の中から主要ニュースを翻訳したものです。

李克強首相、プラットフォーム経済への支持を表明(1月13日)

中国の Li Keqiang(李克強)国務院総理(首相)は9日、国家市場監督管理総局(SAMR)を訪問し、「プラットフォーム経済の健全な発展と雇用、消費、イノベーションを促進するその役割を支持する」と述べた。

李氏のスピーチは、中国で2年前に始まったテック企業の取り締まりのさらなる緩和を示唆していると見られる。中国銀行保険監督管理委員会の委員長 Guo Shuqing(郭樹清)氏は、先週発表されたインタビューで、当局はテック企業への支援を強化し、規制をより予測可能なものにすると述べた。毎日経済新聞

「Douyin(抖音)」と「TikTok」、中国と東南アジアで e コマースが急成長(1月12日)

ByteDance(字節跳動)の短編動画アプリ「Douyin(抖音)」および中国国外版の「TikTok」は、ユーザがアプリを通じて商品を購入するのに費やした金額は、前年から76%増加し1兆4,100億人民元(約26.9兆円)に達したと The Information が ByteDance の社内データを引用して言及した。

同時に、TikTok は東南アジアでの e コマース支出が4倍という目覚ましい伸びを示し、取扱高(GMV)は44億米ドルに達した。Tiktok は、アメリカ、ブラジル、スペインなど、より多くの国でショッピング事業を展開する計画であると情報筋は伝えている。The Information

Nio Capital(蔚来資本)、高級オフロードEV分野に出資へ(1月11日)

Nio Capital(蔚来資本)は、高級オフロード EV の製造に注力する「Zhixing(至星)」という別ブランドをインキュベートする計画で、2025年に約100万元(約1,900万円)の価格で最初のモデルを発売する可能性があると、地元メディア LatePost(晩点)が報じた。

この動きは、Nio(蔚来)がより高価なセグメントに参入し、ターゲットとなるブランドのポートフォリオを管理することによって、市場範囲を拡大するのに役立つ可能性がある。Nio は、すでに中国の上流階級の間で高い評価を受けている。

LatePost は9日、匿名の情報源の話を引用して、2022年初頭に結成された EV スタートアップの Zhixing が、Nio の CEO William Li(李斌)氏が設立したベンチャーキャピタル、Nio Capital から数千万米ドルをシード調達すると報じている。晩点

Alibaba(阿里巴巴)曰く、「ジェネレーティブAIは今後数年で広く商業化される」(1月11日)

Alibaba DAMO Academy(阿里巴巴達摩院)は、2023年の主要テクノロジーのトレンド予測を発表した。ジェネレーティブ AI は、その用途の拡大によりデジタルコンテンツの制作方法が変化するため、リストのトップに挙げられている。

また、港のスループットの最適化や空港のスタンドの割り当てなど、リアルタイムのリソース割当を支援するために、機械学習を意思決定最適化に連携する「デュアルエンジン意思決定インテリジェンス」が重要な新興テクノロジーになると、報告書は述べている。

2023年を見据えると、さまざまな技術の進歩により、ソフトウェア/ハードウェアの共同設計や、コンピューティングと通信技術の統合が進むだろう。(DAMO Academy の責任者 Jeff Zhang=張建鋒氏)

Alibaba のグローバルリサーチ部門は、企業のデジタルトランスフォーメーションにおいて、クラウドコンピューティングとセキュリティが引き続き重要な役割を果たすと予測している。阿里巴巴達摩院

Bytedance(字節跳動)、エンタープライズ向けメッセージアプリ「Lark」を海外展開優先に転換か(1月10日)

Bytedance(字節跳動)の「Lark(中文名:Feishu=飛書)」の経営陣は、中国市場の収益性に問題があるため、海外市場にさらに注力する可能性があると社内会議で明らかにしたと、匿名の情報筋の話を引用し Jiemian(界面)が1月10日に報じた。Lark はJiemian の報道に対して回答していない。Lark は、日本、東南アジア、ヨーロッパをターゲットとする予定だ。

Lark は、国内では Alibaba(阿里巴巴)の「DingTalk(釘釘)」や Tencent(騰訊)の「WeChat(微信)」のエンタープライズ版「WeCom(企業微信)」との激しい競争に直面している。2021年にデイリーアクティブユーザ数を1,000万人とする目標を掲げていたにもかかわらず、その年の年末までにユーザ数は500万人にとどまったと、内部情報筋は報じている。Lark は、昨年12月下旬に報じられた Bytedance の最近のレイオフで、激しい人員削減に直面した。界面

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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