中国では正式には利用できないにもかかわらず、AI チャットボットサービス「ChatGPT」が中国国内のヘッドラインを独占している。今週、検索エンジン大手の Baidu（百度）が3月に独自の ChatGPT 風サービスを開始すると発表した数日後、少なくとも他の中国のテック大手5社が、この強力な AI 技術でツールを開発する計画を明らかにした。

まずは e コマースの Alibaba（阿里巴巴）が、独自の AI チャットボットを開発中であると発表した。NetEase（網易）のオンライン学習部門「Youdao（有道）」は、教育業界に焦点を当てた同様の AI サービスを開始すると述べ、同じく e コマース大手のJD（京東）は、AI における豊富な経験から、これらの技術をすぐにサービスに取り入れることができると自慢している。

OpenAI が開発した ChatGPT は、自然言語の質問に人間らしい回答ができる AI チャットボットだ。大量のデータで学習させた言語モデルの第3世代「GPT-3」をベースに構築されている。

ChatGPT の熱狂的な人気により、中国の株式市場では投資家が関連銘柄を追いかけている。すでに市場では、いわゆる「ChatGPT コンセプト銘柄」が盛り上がりを見せている。

中国のソーシャルプラットフォームや検索プラットフォームでも、ChatGPT は検索キーワードのトップになっている。2月4日、WeChat（微信）における「ChatGPT」の1日の検索回数は515.7％増の約3,800万回、その後も検索回数は急増し、わずか5日後には2.5倍の9,500万回の検索を記録している。

高度な AI 技術が現状を打破する勢いを増す中、ChatGPT のような能力を証明しようと競争しているのは、中国のテック企業だけではない。Google は7日にAI チャットボット「Bard」を発表し、ChatGPT の主な出資者であるマイクロソフトは7日に ChatGPT を組み込んだ検索エンジン「Bing」の新バージョンを発表した。

• Baidu（百度）…… Baidu は12日、「文心一言（英語名 ERNIE Bot）」と呼ばれる独自の AI チャットボットツールを立ち上げると発表した。このボットは、2019年に発売された同社の大型言語モデル「文心（英語名：ERNIE=Enhanced Representation through Knowledge Integration）」をベースに構築される予定だ。Baidu のサービスが ChatGPT に迫る可能性が高いとの見方もある。
• NetEase（網易）…… NetEase のオンライン教育チーム「Youdao（有道）」は、AIGC（AI 生成コンテンツ）技術を AI 口頭英語教育や中国語エッセイ添削などの教育シナリオに応用することに取り組んできたと述べた。同社は近日中に関連するデモ版を発表する予定で、中国のオンライン教育シーンにおける AIGC 技術と ChatGPT 的モデルの初上陸を飾ることになりそうだ。
• iFlytek（科大訊飛）…… 音声認識と自然言語処理技術に特化した同社は、投資家の質問に対し、関連する AI 技術をしっかりと蓄積していると回答した。例えば、2022年、iFlytek は CommonsenseQA 2.0 や OpenBookQA など、複数の認知知能分野の権威ある評価で1位を獲得している。一方、iFlytek は、認知知能の一般的な40分野を含む一連の事前学習用言語モデルを開発した。
• Alibaba（阿里巴巴） …… ネット通販大手の Alibaba は2日、ChatGPT のようなサービスの社内テストを実施していると発表した。このツールは、グループの職場コミュニケーション・コラボレーションツールで「DingTalk（釘釘）」と組み合わせて使われる可能性が高いという。
• JD（京東） …… 北京に拠点を置く eコマースプラットフォーム「JD」は、ChatGPT を「刺激的で最先端の探求」と見ており、特にカスタマサービスにおいて、関連する手法や技術を自社製品に取り入れる予定であると述べた。

【via TechNode】 @technodechina

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