「失われたSNSの美学を取り戻せ」——Instagram Stories元開発者が起業、写真コミュニティアプリ「Retro」が人気

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「Retro」
Image credit: Lone Palm Labs

App Store で紹介されたあるユーザは、そう言及した。

Retro は新しく登場した写真ソーシャルメディアだ。 近年、Instagram の機能は常に進化しており、ショップや短編動画、さらには Twitter のようなテキストコミュニティ機能まで追加されている。 もともと写真コミュニティだった Instagram は、もはや友人や家族と写真を共有するだけのプラットフォームではない。

Instagram の元チームメンバー Nathan Sharp 氏と Ryan Olson 氏もまた、この問題に苦しんでいた。そこで彼らは、新しい写真コミュニティ「Retro」を作るため Instagram を辞めた。Retro を開くと目に飛び込んでくるのは、ブランド広告やネットセレブではなく、友人や家族が共有した写真である。ユーザは、日常を共有することのシンプルさと美しさを再び体験することができる。

Instagram Stories で共に仕事したことが原点、いざ起業の道へ

Retro 創業者の Sharp 氏と Olson 氏は、Instagram の元チームメンバーであるだけでなく、時間限定公開の投稿機能「Stories」の開発における重要な推進者でもあった。

Stories の開発中、最も忘れられない瞬間は、この機能のローンチ前夜だったことを覚えている。人々が Stories で写真を共有し始めるのを見るのはエキサイティングだった。周りの人を知るための全く新しい方法だった。(Sharp 氏)

しかし、時間限定投稿には多くの変更があった。友達の投稿に加え、Instagram でフォローしている作家、出版物、コンサート、レストラン、ブランドをなど、さまざまなコンテンツが表示されるようになった。

Sharp 氏と Olson 氏は、ソーシャルメディアをダンスフロアに例えるのが好きだ。

Instagram は、よりエンターテイメントの場になった。Instagram はプロがパフォーマンスする場になったが、実際のところ、ほとんどの人は友達とダンスフロアにいたいだけだ。

この変化が Retro の誕生につながった。

今を生き、日常を振り返り、ストレスなく共有する

Nathan Sharp 氏と Ryan Olson 氏

Retro には写真や動画を撮影する機能はなく、投稿を公開することもできない。ホームページのインターフェイスは写真アルバムの欄のようになっており、ユーザは自分のモバイルのアルバムから「今週の写真アルバム欄」にのみ写真や動画をアップロードすることができる。

Retro を使う上でのストレスを最小限にしたい。ユーザは、編集、フィルター、トリミング、テキストなしで、複数の写真やビデオを素早く選択し、数秒で公開することができる。Retro は、フィルターやテキストをコンテンツに追加するためだけに目の前の仕事や食べかけの夕食を放置せず、一日の終わりや一週間の終わりに写真を共有し、日常を振り返るために、今この瞬間を生きることを人々に奨励している。(Olson 氏)

レイアウトを整然と保つため、Retro は1週間分の写真を積み重ねられたカードに保存する。カードをクリックするとその週に友達が共有したすべての写真を見ることができる。共有されたページやノイズの多さに辟易とすることもない。

Facebook で共有されたアルバムは永久に残り、Instagram のコンテンツは24時間後に消去されるが、Retro では選択したアルバムが4週間公開される。

我々は、スイートスポットを見つけようとしている。アップロードのプレッシャーから解放され、ユーザは特定の友人に自分のアルバムへの永続的なアクセスを与えることを選択できる。(Olson 氏)

Retro はユーザを長期にわたり魅了し続けられるか

Retro は13日にApp Storeで正式にローンチされた。 しかし、正式ローンチ前から、Thrive Capital、Dylan Field、Scribble Ventures、Box Group、Imaginary Ventures、Coalition、Conviction、Copper、Positive Sum、多数のエンジェル投資家など、多くのベンチャーキャピタルから支援を受けている。

ベータ版に参加したユーザの多くが、Twitter でその体験を共有した。

Retro はレトロでありながら新鮮で、友達を誘いたくなるアプリだ。

当時の Facebook や Instagram のようだ。

この6年間、Facebook、Instagram、TikTok を削除してきたが、Retro は私にとって完璧な解毒剤だ。友人の生活をリアルに見ることができる。

注目すべきは、Retro がこの種のアイデアでビジネスを始めた最初のチームではないということだ。2022年、本物志向を特徴とする写真コミュニティ「BeReal」は爆発的な人気を博し、短期間で1,500万人のユーザを獲得したが、今年3月にはBeRealのユーザは600万人にまで減少している。本物志向をいかに飽きさせず、Retro によってユーザを楽しませ続けるかが、長期的なユーザー維持の鍵となる。長期的なユーザ維持の鍵は、いかに Retro でユーザを楽しませ続けるかにある。

広告のないソーシャルスペースをユーザに提供することを約束しているため、Retro は将来、より多くの写真機能を備えた有料版をローンチする予定だが、詳細はまだ明らかにされていない。

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【via Meet Global by Business Next(数位時代) 】 @meet_startup

【原文】

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