OpenAIとAP通信、ニュース記事によるAIトレーニングで提携 - BRIDGE（ブリッジ）テクノロジー＆スタートアップ情報

13日発表された画期的な契約において、ジェネレーティブ AI のパイオニア OpenAI は、1846年に設立された世界で最も歴史があり、最も読まれているニュースワイヤーサービスの1つ AP 通信と提携した。

この提携、大手 AI ベンダとメディアとの間で初めての試みであり、ある意味、それぞれの業界の2大巨頭の出会いである。OpenAI は、大規模言語モデル（LLM）の学習に使用される AP アーカイブのテキストコンテンツのライセンス供与を受ける。それと引き換えに、AP は OpenAI の専門知識と技術を利用することになる。ただし、AP 通信はリリースで、ジェネレーティブ AI を使って実際のニュース記事を書く手助けをするわけではないことを明確に強調している。

この契約は、一方ではメディアの象徴をジェネレーティブ AI の時代に導く橋渡しとして、他方では OpenAI の LLM に AP の人間が作成したニュースインテリジェンスと専門知識の深さを知らせる手段として両社にとって重要である。このニュースはまた、消費者被害について業界を監督する機関である米連邦取引委員会が、顧客の支払情報やチャット履歴、不正確な情報を流出させたデータ流出事件に関して OpenAI を調査していると報じられたわずか数時間後に発表された。

この提携は両社に大きなチャンスをもたらすが、財務的な条件は公表されていないため、具体的な金額は決まっていない。OpenAI のLLM である ChatGPT は、ここ数カ月で2億人近い月間ユーザを獲得しているが、AP は、アメリカ国内の何千ものローカルおよび全国ニュースメディアへのコンテンツ配信を通じて、毎日の読者は40億人を数える。

OpenAI、「ジャーナリズムの重要な仕事を支援する」とコミット

OpenAI と AP の提携は、新興テクノロジーからニュースビジネスが直面している継続的な圧力の中で、黎明期のジェネレーティブ AI 産業の発展において特に重要な時期にある。

OpenAI や他のジェネレーティブ AI ベンダは、ここ数週間から数ヶ月の間に、データ作成者の明示的なインフォームドコンセント無しで、一般公開されているデータをスクレイピングし、モデルのトレーニングに使用しているとして批判されている。現在 OpenAI は、データのスクレイピングをめぐって複数の法的問題に直面しており、原告側は AI ベンダが承認や法的権利なしにコンテンツを使用したと主張している。つい先週には、コメディアンの Sarah Silverman 氏が著作権侵害を主張する訴訟を起こし、苦情の大合唱に加わった。

著作権を保護し、ニュース業界を評価することは、OpenAI と AP の提携の重要な側面である。

AP上級副社長兼最高収益責任者 Kristin Heitmann 氏は声明で次のように述べている。

我々は、OpenAI が、事実に基づいた超党派のニュースコンテンツがこの進化するテクノロジーに不可欠であり、我々の知的財産の価値を尊重していることを認識していることを嬉しく思います。AP は、知的財産が保護され、コンテンツ制作者がその仕事に対して公正な報酬を得られるような枠組みを断固として支持します。

Heitmann 氏は、ジャーナリズム業界がこのテクノロジーから利益を得られるようにするためには、ジェネレーティブ AI に関して、すべての報道機関が会話の一部になることが重要だと付け加えた。

一方、OpenAI は、破壊的であると非難されている業界と協力し、支援する能力を示しており、この提携プはジャーナリストへの支援を示していると主張している。

OpenAI のCOO Brad Lightcap 氏は声明で次のように述べている。