ニューヨークを拠点とし、ジェネレーティブ AI 動画作成ツールを開発するために数億米ドルのベンチャー資金を調達しているスタートアップ RunwayML は、一部のユーザグループに対して新機能と AI モデルへの早期アクセス権の付与を開始すると発表した。

同社は新しい「Runway Creative Partner Program」を X（旧 Twitter）で発表し、次のように書いた。

このプログラムは、選ばれたアーティストやクリエイタのグループに、新しい Runway のツールやモデル、無制限プラン、100万クレジット、新機能への早期アクセスなどを独占的に提供するものです。

Runway の CEO兼創設者 Cristóbal Valenzuela 氏は X に次のように投稿した。

適切なタイミングで適切な場所にいることがすべてです。

「Runway Creative Partner Program」の内容

Runway の Web サイトでは、Creative Partner Program が提供するものについて詳しく説明している。その中には Runway のチームへの直接アクセスと Runway のスタジオの助成金への優先アクセスが含まれている。

Runway の料金体系では、「Gen- 1 」や「Gen-2」のマルチモーダル動画生成 AI ツール（ユーザは既存の動画、テキストプロンプト、画像から動画を生成できる）を使って各動画を生成するために、いくつかの独自クレジットを使用する必要がある。

このプログラムには、125の更新不可能なクレジットを持つ無料層がある一方、標準プランは、毎月更新される625のクレジットに対して、1ユーザあたり月額12米ドルかかる。一方、無制限プランは、1ユーザあたり月額76米ドルかかるが、各ユーザに、Gen-1 と Gen-2 で毎月2,250のクレジットと、より低速のリラックスジェネレーションモードで無制限のクレジットが与えられる。

ユーザにとっての大きな勝利

無制限プランで100万クレジットからスタートできるのは、潜在的なユーザにとって大きなメリットだ。

さらに同社は、今年2月にリリースしたテキストから動画への「Gen-1」、4月にリリースした動画から動画を生成するモバイルアプリ「Gen-1」、6月にリリースしたデスクトップおよびモバイル向けのテキスト／動画／画像から動画を生成する「Gen-2」のリリースと、継続的に更新と拡張を行っている。今月には、YouTube のようにユーザのビデオ作品を紹介する新しいタブ「Watch」をリリースしたばかりだ。

そのため、同社は近いうちにさらなる新機能や新サービスを提供することになるだろう。

「Runway Creative Partner Program」への参加方法

同社は今のところ、応募者全員を検討するオープンな姿勢で、Web サイト上のフォームに名前、代名詞、ポートフォリオ、ソーシャルメディアアカウントを記入するよう求めている。

対象者について、Runway の広報担当者は VentureBeat に次のように答えた。

世界中の誰でも応募できます。AI ツールやテクニックを駆使して、クリエイティビティの限界に挑戦するクリエイタを求めています。Runway の有料アカウントを持っている必要はありません。応募は今後数週間から数ヶ月にわたって順次受け付けられ、採用されたクリエイタは、各自の判断でそれぞれのコミュニティに参加を発表します。

他の動画作成プラットフォームの足跡をたどる

Runway と比較されるのは YouTube だが、後者はもちろん、AI による動画作成ツールや動画を提供しているわけではない。

しかし、YouTube はアマチュア（およびプロ）動画クリエイタの強固なエコシステムを構築する道を切り開き、その育成に努め、「YouTube Partner Program（YPP）」を通じて支援し続けている。

YouTube 自身は、映画「ベスト・キッド」のスピンオフ作品「コブラ会」など、YouTube Originals ブランドを通じて、より制作費の高いテレビ番組や映画にいくつか出資していたが、最終的に YouTube は脚本開発部門を中止し、そのシリーズは後にキャンセルされ、競合の Netflix に拾い上げられた。

Runway が YouTube のプレイブックをどの程度模倣しようとしているのかは不明だが、クリエイティブパートナープログラムの立ち上げは、クリエイタのエコシステムを繁栄させるための同様の出発点であり、AI 動画プラットフォームを支配的なものにするために必要な第一歩のように思える。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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