10月16日~10月20日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは4件で、資金総額は335億ウォン（約37.1億円）に達した。

主なスタートアップ投資

ドローン制御専門企業の Pablor Air（パブロ航空、파블로항공）が210億ウォン（約23億円）を調達し、累積調達額が430億ウォン（約48億円）に達した。2018年に設立された同社は、無人移動体自律群集飛行技術、統合管制システム中心技術を保有している。来年下半期の技術特例上場を念頭に置いた調達により海外市場の拡大に集中する計画で、公演用ドローンの販売、ドローンショーの海外進出に重点を置く。

デジタルヒューマンスタートアップの Klleon（클레온）が95億ウォン（約10億円）を調達した。アメリカに本社移転後初めての調達。同社は顔写真1枚、音声30秒を録るだけで、リアルタイム会話が可能なデジタルヒューマンを作成できるプラットフォームを開発した。アメリカ、日本、東南アジア市場で、IP をもとにしたサービスを披露する予定だ。

トレンド分析

M&Aは鈍化中… 下半期の見通しは？

投資の冬が長期化し投資市場は低迷したが、むしろ M&A 市場は活気を帯びているようだった。2022年は経営が難しくなった有望スタートアップを買収する好機となり、多くの取引が行われ、多くの投資家が M&A は継続的に増える見通しだった。

今年第1四半期までに30件近い買収が行われ、今年も件数の面では昨年と大差なく進む予想だった。しかし、第2四半期に入ると M&A に鈍化の兆しが見られ、前年とは違った様相が散見され始めた。上半期の買収件数は昨年同期比で37％減少し、予想に外れて第3四半期は大幅に鈍化し、第1四半期比で買収件数は40％下落した。

今年の M&A 市場で現れた最大の変化は、大企業の買収事例が減ると同時に、ユニコーンの活動がほとんどなくなったことだ。ユニコーンスタートアップが豊富な資金でスタートアップを買収して事業を拡大し、小チームを育てるという戦略が消えたのだ。昨年 MarketKurly（마켓컬리）、Zigbang（직방）、Yanolja（야놀자）などがスタートアップはもちろん、大企業の一部部門も買収したが、今年は注目すべきユニコーンの買収話は聞こえてきていない。ユニコーンにも投資が行われておらず、投資環境の改善速度が遅くなっており、彼らも資金投入に慎重を期している。

買収取引の大多数は金額非公開ではあるが、主な取引を見てみると、Qoo10（큐텐）が Wemakeprice（위메프）を1,500億ウォン（約170億円）で買収したのが最大の取引とされ、かき氷フランチャイズの Sulbing（설빙）が1,050億ウォン（約120億円）で売却され規模では上位に入った。大企業・中堅企業に買収されたのは、AI 翻訳サービス Voithru（보이스루）が200億ウォン（約22億円）で Kakao Piccoma（카카오픽코마）に、AI オーディオの Supertone（수퍼톤）が450億ウォン（約50億円）で Hybe（하이브）に買収されたこと、不動産投資の Kasa Korea（카사코리아）が Daesin Securities（大信証券、대신증권）に150億ウォン（約17億円）で買収されたことなどが注目に値する。

市場鈍化の中でもスタートアップ間の M&A 取引は依然として全体の中で大きな割合を占めている。年初めには Drama & Company（드라마앤컴퍼니）、Class 101（클래스 101）、Barogo（바로고）、Beauty Selection（뷰티셀렉션）、Leferi（레페리）などが買収に乗り出した。市場先取を狙うスタートアップが初期のスタートアップや大企業の事業部門を買収するのが一般的だ。ただし、上半期にはある程度維持されたスタートアップ間の取引数は、下半期になり減少傾向だ。

分野別に見ると、ファッション／ビューティーブランド、ペット、e コマースなどが、コンシューマーテックで最も多くの取引が行われた。また、コンテンツメディア分野でもドラマ／コンテンツ制作など関連技術を保有する事業者が買収対象となり注目を集めた。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

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