近年ロボットの活用事例は、工場などで長年使われている繰り返し作業の自動化からラストワンマイルや配膳といった人に代わって人と接触する作業の代替へと適用範囲が増えてきました。多くの国では警備員の成り手が不足しており、世界的に見ても52%不足しているとのデータもあります。
スイスのロボティクススタートアップ Ascento はセキュリティ業界で自動運転の屋外セキュリティ巡回ロボット「Ascento Guard」を展開しています。このロボットは、ユニークなホイールデザインを採用しており、屋外のあらゆる地形を機敏かつ安定して移動することができるのが特徴です。歩行速度(4.5 km/h)で移動でき、自律充電機能が備わっているため、人間の介入なしでシステムを継続的に動作させることができます。
活用事例としては、不審者や不要な人々の検出、敷地の完全性の確認、ドアや窓の状態のチェック、敷地内の照明の記録、洪水や火災の特定、駐車場の制御などが挙げられます。Ascento の顧客には、特に大型の屋外倉庫、工業製造、製薬キャンパスなどでの展開が既に始まっており、今年だけでこれまでにパトロールを行った距離は3,000km以上に達しました。
Ascentoによると、Ascento Guard は導入から展開まで数時間しかかからないため、企業は導入初日からコストを節約し、現在のセキュリティ ニーズに迅速に適応できます。サブスクベースのビジネスモデルを採用しており、時間単位での利用、配備、年中無休のサポート、サービス、修理が費用に含まれます。
Ascento は9月、プレシードラウンドで430万米ドルを調達しました。このラウンドは Wingman Ventures と Playfair がリードし、Zoox の創業者 Tim Kentley-Klay 氏や Clearpath Robotics と OTTO Motors の CTO 兼共同創業者 Ryan Gariepy 氏などが参加しました。また、調達金額には、スイスのイノベーション機関 Innosuisse やヨーロッパ宇宙機関のインキュベータ「ESA BIC」からの資金も含まれています。
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