TikTok米国事業は売却より閉鎖を選択か、EC商戦控えJD創業者がアバターでライブ配信——中国スタートアップシーン週間振り返り(4月22~26日)

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ライブ配信する JD(京東)のアバター Dong(東)
Image credit: JD(京東)

本稿は、Technode(動点科技)が、4月22日〜4月26日に配信した「News Feed」記事の中から主要ニュースを翻訳したものです。

Alibaba Cloud(阿里雲)、動画生成 AI「EMO」を「Tongyi Qianwen(通義千問)」に導入(4月26日)

Alibaba Cloud(阿里雲)のモデル「Emote Portrait Alive(EMO)」は、ポートレート写真をしゃべって歌うアバターに変換することができ、アプリ「Tongyi Qianwen(通義千問)」で利用できるようになった。このツールは現在のところカスタム音声をサポートしていないが、ユーザはヒット曲を含む80以上のテンプレートから選択し、顔写真をアップロードした後に動画を生成することができる。

Alibaba Cloud は WeChat(微信)の公式アカウントによる投稿で、同社が2月下旬に EMO 関連の論文を公開した後、EMOが「OpenAI の Sora に次いで最も人気のあるAIモデルの1つ」になったと述べた。Alibaba Cloud はまた、EMO の音声技術が将来、デジタルヒューマン、映画制作、バーチャル伴奏などの分野に応用されることが期待されると付け加えた。阿里雲

ByteDance(字節跳動)、TikTok を強制売却よりシャットダウンを希望か(4月26日)

TikTok の親会社 ByteDance(字節跳動)は、アメリカ政府の圧力に対応する法的措置が失敗した場合、売却よりも TikTok の閉鎖を望んでいると、ロイターは4人の情報筋の話を引用して26日に報じた。1億7,000万人のアメリカ人ユーザを持つこのアプリは、独自のアルゴリズムに基づく人気動画を絶え間なくプッシュしている。

ロイターが話した情報筋によると、独自アルゴリズムを伴う同アプリを売却することは「可能性が極めて低い」と見られている。2020年以降、中国の輸出管理法はコンテンツ推薦技術を輸出する前に承認を得ることを義務付けている。ByteDance は25日夕方、テックメディア「The Information」がこのニュースを報じたのを受け、アメリカ事業の株式の過半数をアルゴリズム抜きで売却する意向を否定した。ロイター

Great Wall Motor(長城汽車)が支援する自動運転スタートアップ、67億円を調達(4月24日)

中国の自動車メーカー Great Wall Motor(長城汽車)が支援する自動運転車企業 Haomo.ai(毫末智行)は24日、中国の地方政府を巻き込んだシリーズ B2ラウンドで3億人民元(約67億円)を調達したと発表した。

今回の資金調達は、既存投資家の JZ Capital と中国東部の湖州市政府が設立した投資ファンドからのもので、今年初めに別の地方政府系ファンドから1億人民元(約22億円)を調達したのに続くものだ。

23日の発表によると、同社は Qualcomm の Snapdragon Ride チップをベースとした自動運転車プラットフォームをローンチした。毫末智行

中国の動画生成スタートアップ AIsphere(愛詩科技)、Ant Group(螞蟻集団)から22億円以上を調達(4月24日)

北京を拠点とする動画生成スタートアップ AIsphere(愛詩科技)は、Alibaba のフィンテック関連会社 Ant Group(螞蟻集団)から、最新の A2ラウンドで1億人民元(約22億円)以上を調達した。この調達からは2カ月を経過していない。

中国メディアの LatePost(晩点)が引用した Ant Group に近い人物の話によると、Ant Group は、Zhipu AI(智譜 AI) や Moonshot AI (月之暗面)といった傑出した中国の AI ベンチャーを投資ポートフォリオに加え、独自の AI 基盤モデルを開発する戦略の一環として、この出資を実施したという。

ByteDance(字節跳動)で映像解析技術をリードしていた Changhu Wang(王長虎)氏によって昨年4月に設立された AIsphere は、3~6ヶ月以内に OpenAI の「Sora」に追いつく計画をアピールしている。AISphere の Sora のようなツール「PixVerse」は、1月のローンチ後、月間トラフィックが116万件を超えたことが、サードパーティのアナリティクスプラットフォーム「SimilarWeb」の数字で示されている。晩点

JD(京東)、創業者のアバターによるライブ配信を開始(4月23日)

JD の創業者 Richard Liu Qiangdong(劉強東)氏のアバターが、今年の「世界図書デー」のプロモーションイベントの一環として、22日に3回目のライブ配信番組に参加した。バーチャルな劉氏の出演時間は40分近くに及び、11時間に及ぶ e コマースイベントの短いセクションに過ぎなかったが、それでもこのアバターの登場は、JD が自社のプラットフォームでの消費を促進するために、アバターの利用を見出しや誇大広告を生み出す戦略として考えていることを示唆している。

JD は6月に開催される中国で2番目に大きなショッピングの祭典「618」に向けて準備を進めており、セールスのアンカーとして非常に生き生きとしたデジタルパーソナリティを導入する試みは、加盟店の運営コストを削減し、競合プラットフォームのより確立された人間が主催するライブ配信に対抗することを目的としている。

私は調達・販売マネージャーのブラザー Dong(東)です。

デジタル版の Liu 氏は、22日のライブ配信でこう言って始めた。このアバターの最新の出演は、マルチカメラのセットアップを特徴とし、以前のショーが機械的な宣言と視聴者との対話の欠如のために批判されたの受け、インタラクティブなセッションを追加した。

JD は今月初め、短編動画やライブ配信のコンテンツ制作者にインセンティブを与えるため、現金で10億人民元(約20億円)を投資すると発表した第一財経

Alibaba Cloud(阿里雲)、「Llama 3」に基づくトレーニングを当面無料で提供(4月22日)

Alibaba Cloud(阿里雲)は、Metaの新しいオープンソースモデル「Llama 3」に基づくトレーニング、推論、デプロイメントサービスを、中国企業や開発者に一定期間無料で提供すると、22日に WeChat(微信)の公式アカウントによる投稿で発表した。

投稿によると、一時的に無料提供されるこのソリューションは、モデル開発と呼び出しにかかる計算電力コストを削減し、昨年10月の「Apsara Conference(雲栖大会)2023」で発表された Alibaba Cloud のアプリケーション開発プラットフォーム「Bailian(百煉)」で利用できる。

この動きが出たのは、Meta が先週最新の基盤モデルを発表した数日後のことだ。Alibaba は、同社の model as a service プラットフォーム「ModelScope(魔搭社区)」が直ちに Llama 3を追加サポートしたと述べた。阿里雲

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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