発酵によるきのこ菌床で循環型農業を実現、新潟発の楽々(らら)が1.2億円をシード調達——ジェネシアV、ANOBAKAから

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楽々の「ララひらたけ」

脱炭素型有機きのこ菌床の研究・開発を行う楽々(らら)は27日、シードラウンドで1.2億円を調達したと発表した。このラウンドはジェネシア・ベンチャーズがリードし、ANOBAKA が参加した。

楽々は、温暖化ガス排出量を既存技術比で70%削減できる脱炭素型の有機茸(きのこ)菌床製造装置「マッシュファメンタシステム」を開発し、環境・雇用・食料・物流などの社会問題解決を目指している。

マッシュファメンタシステムは、新潟大学との共同研究による完全独自技術を基軸に研究・開発された、きのこ菌床の製造方法である。一般的なきのこ生産と異なり、菌床を殺菌せず、きのこの育つ培地を発酵させる。少ないエネルギーで装置本体内部の環境をコントロールし、緻密な微生物の動きを再現性をもって運用できるという。高い圧力や熱を必要としないため、温暖化ガス排出量を大幅に削減できる。

このシステムは、遠隔でも精密な発酵管理が可能なことから、菌茸生産の高額な設備投資と専門家需要というボトルネックを解消することができるという。技術転換の推進はもちろん、異業種参入者へのライセンス許諾やノウハウ移転も可能である。

また、菌床の原料には「コットンハル(高級食用油抽出後の廃綿:綿花のくず)」、「ビートパルプ(甜菜糖精製後の廃原料)」などの自然由来の安全なリサイクル原料を使用している。収穫を終えた培地は速やかに堆肥化されリサイクル原料として提供され、家畜飼料としての活用可能性もあることから、地球にやさしい循環型農業の実現に寄与することができるとしている。

その他にも、同社は菌茸類や農産物、加工食品の付加価値化・販売支援、営農型太陽光発電によるエネルギーコスト削減、有機JAS認証の取得、遊休不動産の活用、福祉事業の支援なども行っている。今後は、海外市場においても、有機食品やエコサート認証を取得し、加工食品の輸出を推進していく計画であるという。

楽々は、今回の資金調達を機に、さらに事業を拡大し、多角化する計画であるという。カーボンニュートラルによる温暖化対策や地産地消の推進、農業者支援など、幅広い社会問題の解決に向けた取り組みを加速させる予定である。また、同社のリブランディングとともに、ライセンスや商品の海外展開も視野に入れているという。

via PR TIMES    Summarized by ChatGPT

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