AI検索エンジンのPerplexity、ソフトバンクと戦略的提携——コンシューマ向けに有料版を1年間無料で提供

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左から:ソフトバンク専務執行役員の寺尾洋幸氏、ヒコロヒー氏、カズレーザー氏(メイプル超合金)、Perplexity CEO の Aravind Srinivas 氏

Google をディスラプトするかもしれないと注目を集める AI 検索エンジン Perplexity がソフトバンクと提携し、日本国内ではエンタープライズ向けのサービスを営業展開することがすでに明らかになっているが、両社は17日、都内で記者会見を開催し、コンシューマ向けにもサービス展開で戦略的提携を発表した。

この提携を受けて、ソフトバンク、ワイモバイル、LINEMO のユーザは Perplexity を向こう1年間無料で利用できる。サービスの受付開始は6月19日から。

Perplexity は、質問応答特化型 AI サービスを提供している。AI を最大限に活用して自然言語形式の質問に高い精度で直接的な答えを出すことが可能で、従来の検索エンジンに代わる革新的ソリューションとなることが期待される。会見の中で、「今回の提携を受け、ソフトバンクは AI 革命をリードする存在となることを目指したい」とソフトバンク専務執行役員の寺尾洋幸氏は述べた。

一方、Perplexity CEO の Aravind Srinivas 氏は次のように語った。

われわれのミッションは「世界の知識を皆の指先に」です。日々、人々には無数の質問が浮かびますが、これまでの検索エンジンでは10個程度の関連リンクしか得られず、自分で一つ一つ web サイトを開いて答えを探さねばなりませんでした。

これに対し、私たちのサービスでは AI が直接ユーザの質問に最適な回答を生成します。リンク集ではなく、明確な答えが一発で得られるのです。これこそ、ネット検索の新時代到来を意味します。

他社の AI 質問応答ソリューションと大きく異なるのは、高い透明性が確保されている点です。ユーザは回答の根拠となった情報源を確認でき、事実確認も可能です。つまり、最大限の正確性と信頼性を追求しているということになります。(Srinivas 氏)

左から:ソフトバンク専務執行役員の寺尾洋幸氏、Perplexity CEO の Aravind Srinivas 氏
Image credit: Masaru Ikeda

さらに Perplexity では、月額あるいは年額の有料 Pro プランへの加入によって、文書や画像を使った質問にも対応できる。また音声対話による自然な問答なども実現し、多様な検索ニーズに対応できるという。Pro プランの利用者には、最新の AI 言語モデルによる高度なナレッジ検索が可能になるとしている。

AI 分野の第一人者である NVIDIA の CEO Jensen Huang(ジェンセン・ファン、黄仁勲)氏も、Perplexity の公式ユーザとなっているそうだ。「億万長者にとっても、1日は24時間。時間は人類にとって最も貴重な資産です。Perplexity はその時間を最大限に有効活用できるよう、求める知識や情報を素早く提供してくれます」とSrinivas 氏はその有用性をアピールした。

ソフトバンクの寺尾氏は次のように語った。

AI の活用によって、一般のユーザでも最新の AI 技術の恩恵を受けられるようになります。高度な知識をスムーズに得られる Perplexity は、その好例になるはずです。ソフトバンクは、全ての層のユーザに AI の価値を届ける使命があり、そのために心地よいユーザ体験の実現を目指します。」

ソフトバンクは昨年 SB Intuitions を設立し、特に日本語に強い1兆パラメータ以上の国産 LLM の開発を目指している。この SB Intuitions で開発されている LLM へのシナジー、ソフトバンク傘下のコンシューマサービスである LINE ヤフーの生成 AI 系サービスなどとの連携については、寺田氏は可能性の一つとしては認めつつも、特に決まっていることはないとした。

カズレーザー氏(メイプル超合金)とヒコロヒー氏
Image credit: Masaru Ikeda

記者会見の中盤には、カズレーザー氏(メイプル超合金)とヒコロヒー氏を招いての、サービスのデモンストレーションが行われた。カズレーザー氏がヒコロヒー氏におすすめの運動を Perplexity に尋ねたところ、ヒコロヒー氏の特技が麻雀の盲牌であることから、集中力や手先の器用さを高める運動が適していると Perplexity に勧められ二人は驚いていた。

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