商談獲得自動化ツールのimmedio、3.5億円をシリーズA調達——AIで機能強化、B2C領域へも展開

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Image credit: immedio

商談獲得の自動化ツール「immedio(イメディオ)」を開発・提供する immedio は17日、シリーズ A ラウンドで3.5億円を調達したと発表した。このラウンドは DNX Ventures がリードし、Sansan(東証:4443)、DEEPCORE、グロービスの G-STARTUP などが参加した。これは同社にとって、2022年9月に明らかにしたシードラウンドに続くものだ。DNX Ventures、Sansan は以前のラウンドにフォローオン。今回のラウンドを受けて、immedio の累積調達額は約5億円に達した。

immedio は2022年4月、代表取締役の浜田英揮氏により創業。浜田氏は、三井物産でのキャリアを経て、Harvard Business School への留学後、bitFlyer や Sansan などで要職を歴任した経歴を持つ。immedio は、企業のインバウンド営業プロセスを自動化・効率化するもので、問い合わせから商談設定までを迅速かつ効果的に行うことができる。浜田氏によると、今回調達した資金は主にプロダクト開発の加速と、新規領域へのマーケティング施策に充てられる予定だという。

我々の最終目標は、顧客接点を全てカバーすることです。お客様が興味を持った瞬間を逃がさないための機能を、今後もどんどん開発していきたいと考えています。当初は問い合わせ直後の対応に特化していましたが、現在はお客様の Web サイト再訪問時の対応や、フォローアップメールの自動送信など、より広範囲なカスタマージャーニーをカバーできるようになっています。(浜田氏)

浜田英揮氏

同社では AI の活用も進めており、資料請求してきた顧客の情報を自動的にリサーチしてまとめる機能、展示会で取得した名刺情報のデータ化する機能など、AI 技術を取り入れつつある。今回ラウンドに新たに参加した AI に特化した投資家として知られる DEEPCORE からの知見も得つつ、今後さらなる AI 活用を進めていく方針だ。

近年、インサイドセールスの普及に伴い、電話による営業活動の効果が低下しているという課題がある。immedio の調査によると、インサイドセールスの電話接続率は2023年の30%から2024年には22%にまで低下している。この背景には、リモートワークの普及や電話代行サービスの利用増加、さらにはB2B顧客の情報収集行動の変化などがあるという。

最近のインサイドセールスの世界では、電話が通じないため、メールが勝負になっているという話をよく聞きます。そこで我々は、Web サイトにもメールにも組み込めるソリューションを提供することで、多様なコミュニケーション手段をカバーしています。不動産や人材紹介などの B2C 領域への拡大を目指しています。既に不動産投資や転職支援の分野で導入事例が出てきており、手応えを感じています。(浜田氏)

具体的には、保育士の求人サイトでの活用例があり、資格や転職希望時期などの情報をもとに、適切なキャリアアドバイザーとの面談を自動でセッティングするなど、B2C 領域での活用が進んでいるという。

現在、immedio の主要顧客には Sansan、マネーフォワード、freee などの上場企業や、STORES、hacomono、HERP などの成長中のスタートアップが名を連ねる。

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