<ピックアップ>Why Wall Street talent is moving to Silicon Valley
米国で、金融からテック業界へと人材が移動している。モルガンスタンレーのCFOだった Ruth Porat氏がGoogleのCFOへ、ゴールドマンサックスの元役員 Anthony Noto氏がTwitterへ移籍、といった大きな移籍ニュースも最近では目立つ。インターネットトレンドのレポートの著者として有名なメアリー・ミーカー氏もまた、シリコンバレーのベンチャーキャピタルKPCBに移籍する前は、モルガンスタンレーの証券アナリストとして長年活躍していた。
こうした「金融業界の大物」がテック業界に移動したり、引き抜かれているのはなぜだろう? VentureBeatの記事はその背景として、大手テック企業によるスタートアップの買収の増加を指摘している。買収後の二社の統合を進めることはもちろんのこと、買収を検討中の段階におけるディールフローを進める上でも、こうした金融のプロフェッショナルへの需要が高まっている。FacebookがWhatsAppを190億ドルで買収したように、その買収規模もかつてに比べると多額になってきたことも影響を与えている。
同時に、この「ウォールストリートからシリコンバレーへ」という傾向はベテランの人材だけでなく、MBAホルダーの就職においても見られるようだ。かつてビジネススクールの就職先として人気だった金融業界は、長時間労働でワークライフバランスにかけるというネガティブなイメージがもたれることも多く、むしろジーンズとTシャツで働けるカジュアルでフレキシブルな労働スタイルがより普及しているテック企業への人気が上昇しているという。
昨年、MITの卒業生で金融業界に就職したのは10パーセント。2006年の31パーセントに比べるとその割合は大きく落ち込んでいる。
給与、企業カルチャー、働き方、企業の理念…その動機は様々だが、テック企業やスタートアップの盛り上がりが、労働市場にも大きなインパクトを与えているのは確かなようだ。
via. VentureBeat
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