シリコンバレーと中国へのベンチャーキャピタルによる投資が増加している一方で、ヨーロッパへの投資は冷え込みつつあるようだ。Dow Jones VentureSource が発表した直近四半期の結果によると、ヨーロッパのスタートアップが調達した資金額と案件数は、いずれも9月までの3ヶ月で急激に減少している。
ヨーロッパのベンチャーキャピタルに関する2018年第3四半期のレポートが12日発表された。このレポートによると、ヨーロッパでベンチャーキャピタルが支援している企業の第3四半期の調達額は52億2,000万米ドルで、前年同期に比べて21%ダウンしている。資金調達の件数は684件で、2017年第3四半期と比べて9%減少している。
これらの数字は2018年第2四半期と比べても減少しており、資金調達額が26%減少、件数も18%ダウンしている。
EU 離脱が懸念されるなかでも、イギリスのスタートアップは群を抜いている。第3四半期には総投資額の43%、案件の32%が行われている。それでも、イギリスのスタートアップが調達した投資額は23億米ドルと、第2四半期からは11%ダウンしており、件数も215件で16%ダウンとなっている。
ベンチャーキャピタルによる投資額が6億7,900万米ドルで2位のフランスは、1位のイギリスに大差をつけられており、案件数は78件で3位となっている。ドイツへの投資額は6億3,100万米ドルで3位、案件数は83件で2位となっている。
ベンチャーキャピタリストにとって良いニュースもある。第3四半期では24のVCファンドがクローズし、41億米ドルを集めている。これは第2四半期と比べると50%アップ、前年同四半期と比べると90%アップである。
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【via VentureBeat】 @VentureBeat
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