フィリピンのスタートアップインキュベータIdeaSpaceが、全国スタートアップコンペの勝者10社を発表した。各スタートアップはシード資金として50万ペソ(1万2000米ドル)を受けとると同時に、6か月のインキュベーションプログラムに参加する。
同プログラムでは、オフィススペースと事業運営サポートが提供されるほか、マニラに拠点がない場合には宿泊施設も用意される。プログラム期間中、将来有望と見なされたスタートアップにはIdeaSpaceからさらに最大500万ペソの現金が提供され、フィリピンやシリコンンバレー、その他の国からの投資家にも紹介される。
それでは、勝者のスタートアップ10社を紹介しよう。
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Armtech(アンヘレス市):家庭用に浄水器を手頃な料金で提供
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DateCola(ダバオ市/ジェネラルサントス市):天然の濃縮ナツメヤシを豊富に含む飲み物(ソフトドリンクに替わるヘルシーな飲料)を提供
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Mirand(マニラ首都圏):高品質で低価格の関節インプラントをアジア市場で提供
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PGRS(マニラ首都圏):交通量の多い道路に設置したスピード防止帯から電気を生み出すスタートアップ
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PinoyTravel(マニラ首都圏):モバイルテクノロジーを活用した州内向けのバス座席予約システム
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PortfolioMNL(マニラ首都圏):プロのクリエイター向けのオンラインマーケットプレイス
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Prodigo(マニラ首都圏):ビッグデータアナリティクスを活用し、高度にターゲットを絞った販売キャンペーンの実施ができる販売店向けソリューション
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Tech4Health(マニラ首都圏):糖尿病を含む慢性疾患の健康をモニタリングするソリューション
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TimeFree(サンボアンガ):SMSベースの自動待ち合わせシステム
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WeGen(ソルソゴン):現行のテクノロジーよりも効率の良い風力タービンの新しいデザイン
これらのファイナリストで印象的なことは、彼らが解決しようと取り組んでいる課題の種類だ。一般的なハードウェア・ソフトウェア・モバイルというスタートアップもあるが、これらのスタートアップの多くが、農業やエネルギー、健康、そして交通という分野に取り組んでいる。これらの勝者は700を超える応募者の中から選ばれたスタートアップだ。
IdeaSpaceは2012年3月に非営利団体としてローンチされ、First Pacific CompanyやMetro Pacific Investments、PLDTグループからの支援を受け、成功を収めているテック起業家Manuel V. Pangilinan氏が統括している。
同団体は5年にわたって、5億ペソ(1210万米ドル)の資金を受け取っている。CEOはEarl Valencia氏(同氏の話はこちら)。ローンチ以来、同組織は全国的なPRを行い、昨年8月にスタートアップコンペを行った。参加者は一連のコンペを経験し、その過程でメンターシップとトレーニングを受けた。
以下に、トップ20のその他のスタートアップを紹介しておこう。
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AgriCultureTechnology(マニラ首都圏):海洋家畜の成長を監視
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CornerData(マニラ首都圏):電子センサーを使い、農業と災害準備のために簡素化したデータ収集ツール
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DepEd Smart Cloud(アンヘレス市):公立学校システムのための企業ソリューション
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FindmyDok(ダバオ):医師を探すためのソリューション
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Lost Meets Found(セブ):落とし物のオンラインソリューション
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miCab(セブ):モバイルインターネットで、もしくはモバイルインターネットがなくても、タクシーを見つけられるスマートフォン向けソリューション
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Nambal.com(セブ):ポータブル機能のあるオンライン健康管理システム
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SafeCab(セブ):タクシー通勤者のためにフィードバックを提供するソリューション
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Summarize and Notify(レイテ):ウェブ検索、情報の要約、ユーザへの通知が行えるサービス
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Tudlo(セブ):災害時および緊急事態の時の、情報提供・誘導・現在地の表示をしてくれるシステム
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