アジアの個人金融マーケットプレイス「CekAja」「eCompareMo」、シリーズCで2,800万米ドル調達——信用スコア大手Experianがリード出資

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CekAja

オンライン金融サービスマーケットプレイスの CekAjaeCompareMo は大規模アップグレードを予定中だ。

両者の親会社である C88 Financial Technologies はつい最近、大手クレジットスコアのグローバル企業 Experian がリードしたシリーズ C ラウンドで2,800万米ドルを調達した。

Experian の戦略投資はグロースキャピタルだけでなく、C88と提携することで、自社の需要創出、分析、デジタルオンボーディング技術を直接インドネシアの CekAja とフィリピンの eCompareMo に導入させることも狙っている。組み込みソフトウェアに並び、C88は Experian のパートナー流通ネットワークを利用することもできるようになる。

イギリスを本拠とする Experian は、これにより C88のプラットフォームはサードパーティーの金融商品と顧客をより効果的にマッチングできるようになると声明で述べている。金融商品にはクレジットカード、ローン、保険プランなどがある。

C88のサイトを通じて商品を販売する銀行やその他金融サービスプロバイダ各社は Experianのクレジットスコアリングソリューションにアクセスできるようになり、ローンやクレジットカード申請をより効果的に承認できるようになる。

特に Experian の技術によって、クレジットヒストリーがほとんどない、または全くない「銀行口座を持たない」顧客に対する C88のサービス提供能力の改善が期待されている。一部の見積もりによれば、東南アジアの人々の3分の2以上は銀行口座を持っておらず、CekAja や eCompareMo などの商品比較サイトや両社が扱うサードパーティー金融サービスプロバイダが直面している課題を浮き彫りにしている。

信用能力のある人にクレジットカードを

eCompareMo

投資家の間では、アジア太平洋地域の膨大な非銀行利用者人口に見込まれる機会に対する熱が高まっている。先週(7月第4週)、ジャカルタに本拠を置く FinAccel は、Square Peg Capital と500 Startups を含む投資家らから3,000万米ドルを手に入れた。同社の Kredivo は普及の初期段階にあり今後の成長が期待されるインドネシアのオンラインショッピング客を狙ったデジタルクレジットカードだ。

Experian 自身もより広範な地域への進出を進めている。同社はベトナムの MobiVi にも投資している。MobiVi はショッピングモールのオンライン支払いキオスクなど、現金を好みクレジットヒストリーがない顧客に合わせた一連のデジタル支払いソリューションを提供している。

また、同社はインドの金融商品マーケットプレイス BankBazaar3,000万米ドルのシリーズ D ラウンドをリードし、同スタートアップの株式10%を取得している。BankBazaar の後ろ盾には Amazon、Fidelity International、Sequoia Capital など他の有名どころもついている。

今回の C88のシリーズ C ラウンドには他にも DEG、FengHe Fund Management、Fuchsia Venture Capital、InterVest、Pelago Capital、ResponsAbility Investments などが参加した。また、前回までの投資家の Kejora Ventures、Kickstart Ventures、Monk’s Hill Ventures、Telstra Ventures の参加もあった。

C88がシリーズ B を実施したのは2016年後半のことだ。

同社は、タイで金融サービスマーケットプレイスの第3弾を近々ローンチする計画だという。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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