スタートアップのエコシステムはイケてない?だからどうした?

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【翻訳 by Conyac】 【原文】

この記事はDarius Cheungが執筆したものだ。Dariusは以前、tenCube(McAfeeに買収された)の設立者兼CEOだったが、今は、Neoteny、JFDI、Crittercism、Astrid、LoveWithGood、 FrenzooPlaymoohaStickeryDailyMus.esの出資者だ。現在は世界制覇を目論んでいて、その計画を実行する同志を探している。


最近、「シード投資のような明らかなものは除いて、シンガポールのスタートアップ・エコシステムに本当に欠けているものは何だと思う?」と聞かれた。少し笑えた。というのも、アーリーステージの投資家と話をした時に彼らが投資するほどの価値がある良い企業がないとぼやいていたからだ。

本当のところ、金は常にあるのだ。もちろん、他と比べてスタートアップのための資金が得にくい所もあるが、それでも金は存在する。

あなたは待つ人なのか、実行する人なのか

何千回も聞いただろうが、もう一度ありきたりな話をしよう。なぜなら、それが真実だから。投資家はアイディアに投資するのではなく、人に投資する。一秒でもエコシステムの話をする投資家は、事が起こるのを待つ、待ち人なのかもしれない。一夜で一攫千金を夢見るスタートアップは多すぎるほどある。それがシリコンバレースタイルだ。真の起業家は夢ばかり見たりはしないし、その夢の到来を待ちもしない。エコシステムの状態など関係ないのだ。

確かに、エコシステムはベンチャーのスピードや結果に影響を与える。それこそが、YCombinatorや500Startupsに参加を希望するチームが多い理由でもある。しかし、本当の実力者は影響を及ぼせないことについてエネルギーは消耗せず、むしろ自分達のやりたいことを最短で達成することに集中する。もちろん、エコシステムについて不平を言ったりしない。

投資家に拒絶されたからといって諦めることはない。投資家が初回で出資を見送ったとしても、資金調達の機会が完全になくなったわけではない。傑出した起業家は、努力をしてあらゆる方法で難題を解決し、資金がなくても素晴らしい結果を出す。(お金がないから問題が解決できないのなら、さらなる資金を託されることはないだろう。)同じビジネスのアイディアも、実際に人気を帯び始めると全く異なって見えるだろう。まじめな話、投資家のほうが媚びへつらって出資してくれる方がもっと面白い。だから、待つ人ではなく、実行する人になろう。

プロダクトに相応しいマーケットを見いだす

スタートアップはプロダクトで、投資家はバイヤーだ。その投資家は投資の機会を買っている。だから、1人の投資家に拒絶されたからといって落ち込むべきではない。あなたのプロダクトが万人向けではないように、あなた自身の企業も万人のためにあるわけではない。あなたのスタートアップが必ずしも悪いというわけではなく、その投資家があなたには適していないというだけに過ぎない。

だが、描いていたターゲット市場の全ての投資家に拒絶された場合は、自身がやっていること、もしくは資金の調達先を再検討した方がいいだろう。例えば、アイスホッケーのソーシャルネットワークのためにインドで資金調達するのは、ある意味バカげている。インドならアイスホッケーではなくクリケットに変えるか、もしくはカナダで出資者を見つけるべきだろう。これは本当の話だ。

(プロからの助言:大抵の場合、投資家は、特にリミテッドパートナーシップではないエンジェル投資家が投資を決める理由は投資収益率(ROI)だけが理由ではない。彼らが信じる社会的大義を支持するためかもしれないし、自慢する権利を得るためかもしれない。それを十分に利用するべきだ。)

犬のように食らいつこう

資金調達は営業活動だ。私は、投資家らに「ノー」と拒絶されたスタートアップが、打ちひしがれてただ「OK….」と言って退場するようなピッチを数多く見てきた。営業と同じように、見込み客が商品を買わなければ、その人がなぜその商品を買わないのかを突き止める。販売行為の2つの結果のうち1つを辿るしかない。「プロダクトと顧客が適合していないと理解する」か、「方向転換をして販売を成功させる」かのどちらかのはずだ。

ピッチに失敗して嘆きながら去って行くスタートアップが多すぎる。「投資家はこのプロダクトに投資する勇気がないんだ」と言ったりわめき散らしたりする。ひょっとしたらそうなのかもしれない。でもだからといって、それで自分自身が救われるわけでもないだろう?むしろ、本当に重要な問いかけは、「投資家はなぜ出資してくれないのか?どのように修正したらよいのか」だ。必要なら、その答えを得るまで投資家に犬のように食らいつくべきだ。電話をかけて、ランチミーティングや何かに誘ってみよう。

プロからの助言:投資家、特にアジアの投資家は、ぶしつけにならないよう「時期が早すぎる」などという、どうでもいい理由で拒絶することもある。それをそのまま受け止めず、本当のフィードバックを得よう。指導して欲しいと尋ねて、彼らの自尊心をくすぐろう。誠実に、本気で、根気強くだ!

【viaTech in Asia】 @TechinAsia

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