スタートアップとアクセラレーター、共に築く起業の環境ー10社がピッチで競演

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サムライインキュベートとMOVIDA JAPANの二社がちょっとおもしろい取り組みをしていたので、お邪魔してきた。両社の支援先合わせて10社のピッチがまとめて聞ける貴重な機会だ。

少し前置きを。

2010年頃から始まったスタートアップアクセラレーターの取り組みだが、当初はスタートアップとスモールビジネスの違いも曖昧、初期投資の難しさからトラブルも聞こえてこなかったわけではない。私も当時はCB(コンパーチブルノート)に対して、本当に日本でワークするのかという疑問を持ちながら取材した覚えがある。(この連載はCNETに掲載されているこれだ。今読み返すと改めて新鮮な気持ちになる)。

しかしこれらの取り組みは単なるブーム、YC/TechStarsコピーには終わらず順調に支援先の会社数を増やし、アクセラレーター側もKDDI∞ラボやドコモ・イノベーションビレッジといったキャリアも参加した大きな取り組みに発展しつつある。一方でbeenosのようにメンターを独自に囲い込み、スタートアップを自ら製造しようという派生も生まれた。

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たった数年の過程で数を増やし、バリエーションを拡大させつつあるのが、日本の起業環境の今、といえるかもしれない。

その中で彼らの関係性もひとつ興味深いポイントだ。お互いが関連性のあるLP(有限責任事業組合)やファンドを持っているという直接的なものも含め、横のつながりが多い。

数年前「起業のエコシステムを作る」と各社が上げた声が、こういう形で実を結んでいると考えると感慨深い。

さて、思い出話の前置きはこれぐらいにして、ピッチの結果をお伝えしよう。合計10社はさすがに書ききれないので、評価の高かったものをいくつかピックアップさせていただく。

※ちなみにイスラエル行きが明らかになったサムライインキュベートの榊原健太郎氏が大遅刻という状況の中、イベントが開始されたことは付記させていただく。

マイデスク・edulio

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東進ハイスクール出身の起業家が取り組む総合的なオンライン学習サービス。学校の人事や担当者に対して、総合的な機能提供で不慣れなオンライン学習を始めるにあたってのハードルを取り払う。2012年5月リリース以降150社が導入済み。

Anipipo(アニピポ)

アニメーター特化のクラウドファンディングサービス。昨年の5月末にローンチとほかのプレーヤーと比較して立ち上がってからしばらく経っており、現在の状況で441名が719万円を支援、566万円が成立しているということだった。なるほど、この数字をどうみるか。

ロケットベンチャー

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小規模EC向けの広告運用ツール。スイッチをONにするだけで、リスティング広告の運用を自動化してくれる。BASEやSTORES.jp、ヤフーなどの小規模コマースが増える中、需要増を見込んで展開をはかっていた。

RisingAsia (ライジングアジア)旅の達人

英語が話せない旅行者を現地在住の日本人とマッチングさせて旅行を楽しんでもらうマーケットプレース。言語のギャップを活用したサービスというのは翻訳やスカイプ英会話などの語学学習があるが、逆に海外であろうと (日本人が現地在住の日本人と会うので) 日本語ですべて押し通すというのもなかなか興味深い。

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