全国3分の1の保育士が子どもとの遊びのヒントを探しに来る「HoiClue♪」、アプリ「ほいくずかん」も

by Yukari Mitsuhashi Yukari Mitsuhashi on 2015.10.21

子どもたちの元気な声が響き渡る保育園や幼稚園には、賑やかでたのしそうなイメージがあります。ところが、そこには一見するだけでは見えづらい課題があるのだと言います。奈良文化女子短期大学の調査によると、専門学校卒業後5年間で離職する保育者が約半数。また、2年半後には6.5万人もの保育士が不足すると言われています。そこには、人手不足のため常に目の前のことに追われ、余裕がない保育者の姿があります。

全国3分の1の保育士が活用する「HoiClue♪」

保育や子育てに役立つ“遊び”情報サイト「HoiClue♪」
保育や子育てに役立つ“遊び”情報サイト「HoiClue♪」

そんな全国の保育士を支える情報サイトが「HoiClue♪」(ほいくる♪)です。2010年末から今に至るまでの約5年間の運営期間で、保育や子育てに役立つ遊びやティップスを豊富に提供してきました。現在は、月間20万人のユニークユーザーが訪問するまでに。全国の保育士の3分の1以上が活用しています。サイトへの流入は、9割以上を検索が占めています。それだけ、ヒントや答えを探している保育士がいる証です。

HoiClue♪を立ち上げたのは、キッズカラーのCEOでご自身も保育士の雨宮みなみ さんです。起業する前、保育の現場で5年間働いてきた雨宮さんは、そこにある課題を身にしみて感じたと言います。両親から子どもを預かるという責任重大な仕事であるにも関わらず、保育士の人数が少ないため、一人ひとりの負担がどうしても大きくなってしまい、離職も多い現実。

「子どもが大好きでこの仕事に就くのに、余裕がないため肩に力が入ってしまい、視野が狭まってしまう。カリキュラムを自由に考える余裕もないため、保育の専門雑誌にある通りのカリキュラムを作る。保育の中心には子どもがいるはずなのに、大人の都合に合わせられた環境の中で保育をするなんて、と疑問に感じていました」

ベテランではないからこその視点

5年間の保育士経験があるものの、ベテランの保育士はもっといらっしゃると謙虚な雨宮さん。でも、まだまだ学ぶことが多い保育士の立場としての視点や意見が、HoiClue♪の特徴になっています。一人の保育士として感じた「こんなのあったらいいな」という視点から役立つコンテンツを作ることで、他の保育士も参考にしやすくなる。

ガイドブック通りではない子どもとの遊び方やアプローチを共有し合い、ヒントを与え合うことで、楽しく発見を得られる場になっています。

「目の前のことにいつもいっぱいな保育士が、少しでも視野を広げて肩の力がふっと抜けるきっかけになったらいいなと思っています。保育や遊びには答えがないので、これがいいですという伝え方はしていません。遊びや学びのタネを子どもたちとどう楽しんでいくかをユーザーに委ねることに意味と価値があると考えています。」

サービスを作る上での何よりのこだわりは、ただの便利なサイトではないこと。ただの便利なサイトなら、自分たちがやる必要はない。HoiClue♪を見た時に、思わず子どもの顔や姿が思い浮かんでニヤニヤしてしまう。そんな、保育士なら誰でも持ち、この仕事に就いた理由でもある「子どものしあわせ」を改めて考えられるきっかけになるサイトを心掛けています。

写真でヒントを共有できる新アプリ「ほいくずかん」

アプリ「ほいくずかん」
アプリ「ほいくずかん」

多忙な保育士をサポートするために、HoiClue♪から派生したアプリが「ほいくずかん」(iOS)です。リリース初期の段階は、保育士が子どもとの「遊び」を写真に撮って記録していけるものでした。撮りっぱなしでスマホのカメラロールに蓄積されているだけの写真を活かしてもらおうと考えてのこと。現場の負担や不安を意欲や楽しみにつなげるきっかけになってほしいという願いが込められています。

そんな記録が主だった ほいくずかん に、9月末に新たに「みんなのずかん」機能を追加。ユーザー同士が、自分で撮影して保存した遊びの写真を、アプリ内で共有できるようになりました。これで保育士が、遊びの引き出しを写真で簡単に共有できるように。HoiClue♪とも連携しており、写真を見るだけでヒントを得られるため、さまざまに応用して遊びの幅を広げて行くことが可能です。

「保育士の支えになって、子どもたちが楽しむことにも繫がることって何だろう?と考えました。まずは写真を保存できる簡単なアプリを使ってもらい、反響が大きかったため、次のステップとして共有の機能を加えました。自分の経験や引き出しが可視化されて自信やモチベーションに繫がり、共有することで常に新しい刺激を受けて保育の幅を広げられる循環ができると良いなと思います。」

もっと多くの人に使ってほしい

HoiClueを運営するキッズカラーの雨宮みなみ さん
HoiClueを運営するキッズカラーの雨宮みなみ さん

HoiClue♪は、保育士だった雨宮さんと、エンジニアが2人で立ち上げました。保育に課題を感じていた雨宮さんでしたが、関われる範囲はあくまで自分が勤める保育園やそのクラスに留まります。もし、Webサービスという形で保育士に役立つ情報発信ができれば、保育士をもっと広くサポートできるかもしれないと考えました。

立ち上げて最初の1年は、幼稚園などで非常勤の保育士として働きながら、コンテンツ作りに一人で黙々と取り組む日々。この間も、メンバーは雨宮さんと共同ファウンダーの2人だけ。その後、2014年にサムライインキュベートから出資を受けたことをきっかけに、今ではHoiClue♪の運営に専念しています。

これまでに掲載した最初の500〜600本の記事は、全て雨宮さんが自分で執筆したものです。5〜6年の経験でそれだけのアイディアが出て来るなら、ベテラン保育士や今も現場で働く保育士にはもっとアイディアがあるはず。現在は、保育士を卒業したママなどに記事を執筆してもらうなどして、その専門性やスキルを、次世代の保育士に繋げる仕組みも作っています。

「HoiClue♪は現在、全国の3分の1の保育士が使ってくれていますが、もっともっと多くの人に届けたいと思っています。同時に、保育士が本来持っている専門性や価値も、もっと社会に発信していきたいと考えています」

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