動画広告オープンエイトがTBSグループ他から約8億円を調達、「ネイティブビデオアド」のインパクトとは

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2015.10.27

取材用3

動画広告事業を手がけるオープンエイトは10月27日、TBSグループ、アイスタイル、エキサイトとの資本業務提携を発表した。第三者割当増資の引受先となったのはジャフコ、TBSイノベーション・パートナーズ傘下のファンドおよびアイスタイル、エキサイトの計4社。

調達した資金は約8億円で株式比率や払込日などの詳細は非公開。同社は今後、調達した資金を元に人材強化に努める。

TBSグループについては今後、同社の持つグループリソースと連携し、新たな動画広告事業、通販メディア事業、動画メディア事業等の開発推進を目指すとしている。またその取り組みの第一弾としてテレビスポットとの連携サービスを検討中とのこと。

また、アイスタイルおよびエキサイトとはこれまで以上に連携を強化し、@cosmeおよびウーマンエキサイトにてネイティブビデオアドのスキームを11月下旬から開始するとしている。こちらについては詳細を後述するが、今後、この取り組みをベースに、他のメディアとの協業も模索するとした。

4000万UUに配信できるネイティブビデオアドスキームのインパクト

オープンエイト代表取締役の高松雄康氏
オープンエイト代表取締役の高松雄康氏

先月、私は同社代表取締役の高松雄康氏にインタビューし、月次売上規模が大きく躍進していることを聞いた。当然このような成長過程にある企業を投資家たちが放っておくはずもなく、創業(2015年4月)から約半年で今回の大型調達まで一気にジャンプアップしてきた。

アドテクならではの展開だ。

今回はTBSとの資本業務提携もあり、本格的なテレビスポットとオンライン広告の連携も大変興味をそそるところではあるのだが、こちらについてはまだ検討中のことも多く、詳細が決まってから改めてお伝えしたいと思う。

今回注目したいのはやはりネイティブビデオアドのスキームだろう。

メディアのネイティブ枠に対してどのような広告主のコンテンツを挿入するのか。その方法は広告主側にとっても非常に魅力的とも思える内容だった。高松氏から伺った内容をご紹介したい。

取材用2

まず、広告クライアントは広告素材となるクリエイティブ・コンテンツを用意する。このコンテンツは自社で運営するオウンドメディアのものでも、オープンエイト側や代理店に依頼してオリジナルに作成するものでもどちらでも構わない。

このコンテンツをオープンエイトが用意するプラットフォームVIDEO TAP内に入稿して広告コンテンツを配信するわけだが、このタイミングで上記のイメージ通り、@cosmeやウーマンエキサイトの記事のようにページが出力されるようになる。

この際、配信されている広告ページはVIDEO TAPのサブドメイン配下でコントロールされることになる。(ヘッダなどのナビはAPI経由で引っ張る方式ということだった)

メディア側がやることは広告素材の掲載審査と、インフィード(記事と記事の間に挿入する)広告枠をオープンエイト側に預け、広告出稿料金について協議することぐらいだろうか。従来メディアレップがやっていた仕事をオープンエイト側で吸収するようなイメージかもしれない。

まあ、もっと平たく言えばオープンエイト側にメディアのCMSの一部を解放する、という考え方だ。

取材用4

興味深いのは動画広告の露出の部分だ。

このネイティブアド・コンテンツには動画のクリエイティブが冒頭に挿入される。これはリッチ表現と単価の維持が狙いにあるわけだが、通常、動画広告はそれ単体だとマッチングが難しい。キーワードやメタ情報が乏しいことが理由だ。

マッチングができなければ「どの掲載面にその広告を出すか」という大変重要な決定を人力でやる必要が出てくる。未設定でただ流すだけにしてしまえば、広告を全く関係ないページに表示するなど、ロスにつながってしまう。

しかし、このVIDEO TAPの方法であれば、動画はあくまで表現の一部であり、コンテンツ自体はテキストで配信される。これを活用して最適な掲載面を探し出し、広告とのマッチングを実現するのだという。

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さらにこのキーワードマッチングのエンジンには同社が展開しているキュレーションメディア「Wanpick」のノウハウが使われているのだそうだ。同サービスで1日に処理されるコンテキストは15万件に上るのだという。

インフィード枠は記事の本数によって在庫枠が決まってしまうというデメリットがある。その代わり、メディアにマッチした広告表現が可能であり、(コンテンツが素晴らしければ)ユーザーにとっても有益な情報源として働く。当然価格カロリーも高く設定できる。

女性比率90%以上、のべの月間UUは4000万人という巨大なリーチをどうマネタイズするのか、テレビとの連携も含めて引き続き注視したい。

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