ローンチ後1週間で9万3000ダウンロードーー指先がリラクゼーションを生む、不思議な瞑想アプリ「Pause」

by Yuki Sato Yuki Sato on 2015.10.17

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10月8日、つい1週間前にローンチされたある「瞑想アプリ」が筆者の周囲で話題だ。そのアプリの名は「Pause」。指先をスマホのスクリーン上で動かすことで、リラクゼーション効果が得られるアプリである。

有料アプリ(1.99米ドル)だが、好奇心に駆られて早速ダウンロードして使ってみたところ、そのビジュアルデザインの美しさと新しさに魅了された。アプリに指示される通りに、白い小さな点に指を当て、その周りの円のゆっくり漂うような動きに合わせて、指先もゆっくり動かしていく。すると、指先の周りにさらに雫のような物体が集まり、指先の周囲の色がどんどんと広がっていく。

幻想的な美しいゲーム「Monument Valley」を開発したデジタルプロダクト制作会社 ustwo が設計・開発に関わっているとのことで、このPauseもまたユニークで幻想的なデザインが実現されている。

なぜまたこのようなアプリが誕生したのか興味がわき、アプリを開発した会社 PauseAbleのファウンダー / CEO のPeng Cheng氏に話を伺ってみた。

ユーザーの自由な解釈が可能なデザインに

佐藤:このアプリを知らない読者のために、どのようなアプリかを教えてください。

Cheng氏:東洋文化がそのコンセプトのベースにあるアプリといえます。注意を一つのものに集中させる、という瞑想や太極拳の考え方を取り入れています。瞑想をやったことがあればお分かりになると思いますが、瞑想をやろうとしても、すぐに色々な考えが頭の中に浮かんできて、注意散漫になってしまうことはよくあります。それを解決するために、このアプリは指先をゆっくり動かすことで精神の集中を保つことを目的にしています。

またモバイル端末が、指の動きに合わせてユーザーに素敵なフィードバックを継続的に与えるので、ユーザーは集中に対する「ご褒美」を与えられ、さらに継続して集中できるという仕組みになっています。

「フィードバック」とはつまり、指先の周囲の色がどんどんオーガニックに広がっていくインタラクティブなデザインのことですね。これはどのようにして生まれたのですか?

ユーザーが自由に様々な解釈をできるような抽象的なデザインにすることを重視しました。このデザインに至る前に、他のデザインも検討したこともあります。一つは、海の表面に浮かんでいる氷を指でゆっくりドラッグすると、氷がどんどん海底に沈んでいき、海底に着地したら画面が真っ黒になるというものだったのですが、意外にも「海に沈んでいくのが怖い」というフィードバックを何人かのユーザーの方から得て、このアイデアは採用しないことにしました。

色もユーザーが好みの色を使うことができるようにしました。スタート画面では、ランダムに表示された色がゆっくり変化していくのですが、自分の好きな色になったら画面に触れて、その色を使うことができます。

Pauseの色のパターン
Pauseの色のパターン

テクノロジーを使って「今この瞬間」に集中する方法を生み出す

「自由な解釈、選択を可能にするデザイン」とは面白いですね。ところで、そもそもこのアプリを作ろうと思い至った最初のきっかけはなんですか?

このアプリのきっかけは3年前に遡ります。当時、私は鬱症状と大きなストレスに悩まされていて、一度しっかりと人生の休憩を取らなければならない状況に置かれていました。そこで、私は休みを取って、瞑想や太極拳を練習したんです。

そこで気づいたことは、すべての人が自分の頭に浮かぶ考えの方向性をコントロールする力を持っていて、逆に考えに自分が支配されないようにすることができるという点です。それに気づいて、自分の頭に浮かんでくる色々な考えをうまくコントロールできるようになったら、日常生活のあらゆることをより深く楽しめるようになりました。食べるもの、周囲の人間との付き合い方、すべてにおいてです。

とはいえ、頭に浮かぶ考えをコントロールすることは簡単ではありません。瞑想しようとしても、すぐに色々な考えが頭に浮かんで、集中力は散漫になります。なので、私は現代のインタラクティブテクノロジーを使って、自分の心を今この瞬間、この場所に集中させる方法を生み出せないかと考えはじめました。そこで考えたのが、指先を自分の集中力の錨とする方法です。

もともと、私はソフトウェア工学の学士号を取得していたのですが、ソフトウェアプログラマーとしては10年ほどブランクがありました。なので、ビデオチュートリアルで、2週間ほどiPhoneアプリのプログラミングを独学で習得して、さっそくプロトタイプを作りました。指先の動きに合わせて、サウンドトラックが流れるというものなのですが、それだけでもかなり集中を保つ上で効果があるものだったので「これだ!」と思いました。

ustwoの人たちとは知り合いだったので、彼らの元にプロトタイプを見せにいって、一緒にアプリを開発することになりました。

とてもパーソナルな強い動機に動かされたプロジェクトだったのですね。
実際にアプリをローンチして、これまでのマーケットの反応はどうですか?

10月8日にアプリをローンチしたのですが、Appleにもピックアップされて大きな反響があり、1週間で9万3000ものダウンロードがありました。

眠る前に使ったら、よく眠れるようになったという感想を数多くいただきました。また、集中力に問題のある子供を教育している機関や心的外傷後ストレス障害のケアをしている方からの問い合わせもありました。

現在のアプリは英語しかありませんので、ユーザーは圧倒的に米国が多いですが、日本語も含めて多言語に展開していく予定ですし、リクエストの多いAndroid版も早めにローンチしたいと思っています。

日本語も追加されるとは楽しみです! いつ頃になりそうですか?

うーん……お約束はできませんが、数週間以内には日本語も追加することを目指しています。

楽しみにしています。ありがとうございました!

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