冷蔵庫からドアベル、ベッド、オーブンまで…「あらゆるモノのインターネット」の時代はすぐそこに?

Paul Sawers by Paul Sawers on 2016.4.6

VB Insightは、VentureBeatが提供するマーケティングテクノロジーに特化した企業向け有償レポートです。日本語版は、サンフランシスコのクリエティブ・エージェンシーbtraxが提供しています。詳しくはこちらから。

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上: Ring: Video Doorbell Pro Image Credit: Ring

Internet of Things(IoT、インターネット・オブ・シングス)が実を結びつつある現在、2016年は記念すべき年になるかもしれない。

サンフランシスコを拠点とするJuneは昨日、2,250万ドルの新たな資金調達ラウンドを完了したと発表した(編集部注:原文掲載3月26日)。 スマートオーブンを市場に送り出すために同社がこれまで調達した資金額は3,000万ドルに達したことになる。

Juneのオーブンは既存のものとは異なり、食材を認識するために使われるディープラーニング技術を用いるカメラを内部に搭載している。そして、適切な調理をするために最適な温度を設定できる。2週間前には、新参企業でY Combinatorが支援するTovalaがKickstarterでスマートオーブンのキャンペーンをローンチしている。このキャンペーンでは、目標としていた金額の200%以上をすでに調達している。

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インターネット・オブ・リングス、いや「シングス」の別の分野では、スマートドアベルスタートアップのRingが先週、6,120万ドルの調達を行い、2011年からの累計で1億ドルの大台を達成した。

このビデオ式ドアベル技術の基本的な仕組みはこうだ。あなたの不在中、誰かがドアベルを鳴らしたとするとRingはあなたに電話をかける。あなたは誰か来たのがわかり、来訪者に直接話しかけることができる。

このような設計になっているため、あなたが不在の時や二階の部屋にいるときも訪問者を確認できるのだ。さらには、「家人がいるかどうかを確認する」のが目的の空き巣のような人物を撃退することもできる。ドアベルを鳴らす前、一定のエリアに誰かが来たときにアラートを発する機能もある。

Above: Ring: Configurable motion-detection zones

上: Ring: 来訪者の動きを検知するエリアを選択できる

その他、Ballugaという新参のスマートベッドメーカーは今週、Kickstarterにて目標額5万米ドルのキャンペーンをローンチしたが、キャンペーン2日目にしてもう目標を達成しそうな勢いだ。

さらに、今年のCESで一般公開されたSamsungの有名なインターネット接続型のスマート冷蔵庫も忘れてはいけない。21.5インチの高解像度画面を備えたこの冷蔵庫はインターネットの閲覧ができるほか、牛乳が切れたときに内蔵カメラがスマートフォンに知らせる機能もある。

上: Samsung Smart Fridge

上: Samsung Smart Fridge

まだ他にもある。先週、Volvoは本当の意味でキー不要なスマートフォン制御の自動車を初めてローンチする計画を発表した。また、Microsoft、Intel、Samsungその他のテック系大手はIoTの標準機構を立ち上げ、NokiaはIoTプロジェクトを支援するための巨大なファンドを設立した。さらにはGoogle傘下のNestは、ファミリーアカウントで未来のスマートホームに進出しようとしている。

ユビキタスコンピューティングやインターネット・オブ・シングスは決して目新しいコンセプトなどではない。当然ながら私たちはWi-Fi稼働の冷蔵庫を目にしてきたし、Ringのビデオ式ドアベルなどは何年も前からある。Googleが2014年に30億米ドル以上をかけてNestを買収したのには理由があった。

しかし今年の状況はやや異なるようだ。夥しい数のIoTはさらに勢いが増し、ベンチャーキャピタルは大きな賭けをするようになっているので、来年あなたが新しく購入するソファには「INTEL INSIDE(インテル入ってる)」というラベルが貼ってあるような状況になりそうだ。

でもそれは良いことなのだろうか?

こうした動向は昨年のトレンド、スマートウォッチを思い起こさせる。時刻表示以上の機能を持つこの時計は2015年に最も流行した製品だった。どの企業も、そしてその親会社もこの流行の波に乗り、スマートウォッチをローンチした。

しかしその実態は往々にして、欲しくもない機能を付けて主流の道を歩んでいるように思わせているようだった。InstagramはApple Watchに搭載された最初のアプリであったのに対し、MicrosoftもAndroid Wearデバイスで写真を閲覧できる新機能を設けた。 しかし、誰も腕時計で写真を見たいとは思わなかった。何かができるからといって、そうしなくてはいけないということにはならない。

2016年まで話を進めると、まさに同じことが起ころうとしているようだ。とは言え、私はコネクテッドホームに中身がないと言っているわけではないし、スマート機器に市場がないと言うつもりもない。Ringのビデオ式ドアベルの技術は多くの人にとって有用だろう。

また、ものぐさな人や神経質な人はスマートオーブンを重宝するだろう。しかし時々、市場に出てくるIoTの機器類を見ていると、マスマーケットを掴もうとする真剣な取り組みというよりは技術のオンパレードにすぎないのではと感じてしまう。

別の言い方をしよう。何かにチップを埋め込めるからといって、そうしなくてはいけないとは限らないのだ。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

Paul Sawers

Paul Sawers

ロンドンを拠点に活動するテクノロジー・ジャーナリスト。2010〜2014年、The Next Web で書くべきすべてのことを書いていた。VentureBeat では、ヨーロッパに焦点を当てつつ、世界中のニュース、スタートアップ、テックを取材。

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