アフリカに魅せられた寺久保拓摩氏、ルワンダで5億円規模のファンドを設立——ネクスト・ビリオン市場で、最大80社程度にシード投資を展開へ

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寺久保拓摩氏(左)
Image credit: Leapfrog Ventures

東南アジアのスタートアップシーンにおいてシンガポールがハブとしての座を射止めたように、ルワンダがサブサハラアフリカにおけるハブになろうとしていることは、先ごろ訪問した Transform Africa Summit(TAS)の記事にも記した。そして、この地に根を下ろし、本格的にスタートアップを育て始めようとする若き日本人投資家が現れた。元サムライインキュベートの寺久保拓摩氏だ。

寺久保氏はこのほど、出身のサムライインキュベートと共同出資で Leapfrog Ventures を設立し、ルワンダ、ウガンダ、ケニア、タンザニアなど東アフリカを中心に、シードステージ向け投資を開始することを明らかにした。ファンド規模は5億円で、スタートアップ80社程度に1社あたり最大5万ドルまでの出資を予定している。新会社の名前は、ネクスト・ビリオン市場に見られる「リープフロッグ現象」に由来する。

先ごろ開催された Transform Africa Summit 2018 で、〝アフリカ版マネーの虎〟「Face the Gorillas」のピッチ登壇者に質問する寺久保氏
Image credit: Kozue Ishii

投資先の対象領域は、物流、金融、ヘルスケア、農業、エネルギーなど。寺久保氏は、ルワンダで JICA(国際協力機構)が実施するエコシステム強化プロジェクトの ICT インキュベータを務めているほか、ルワンダの政府諸機関や周辺国の VC/アクセラレータなどとも緊密な関係を築いており、これらのネットワークを活用して現地の有望スタートアップのディールソースを行う。寺久保氏は、ルワンダ・キガリにあるコワーキングスペース「kLab」などを拠点に活動する見込みだ。

Leapfrog Ventures ではスタートアップ投資に加え、若年層が人口の多くを占める社会構成を活かした起業家育成や、ルワンダ政府と Tech SandBox を組成し、規制の対象とならない日本企業向けの PoC 環境を作ることで、日本〜ルワンダ間のオープンイノベーションの創出にも貢献したいとしている。

Leapfrog Ventures のパートナー
Image credit: Leapfrog Ventures

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