中国に来る外国人起業家が知っておくべきこと—パート2

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【翻訳 by Conyac】 【原文】

私の前回記事「中国に来る外国人起業家が知っておくべきこと—パート1」の続きだが、Bowei氏のプレゼンテーションについてさらに詳しく述べていきたい。Bowei氏とコンタクトを取り、彼はスライドについて私にアップデートしてくれた。

私は前回の記事で、中国の規模とチャンスからもたらされる魅力がまばゆいほど輝いており、それは時に、店を開きさえすれば、人々が買ってくれる商品を簡単に販売できるなどと、事を容易に考えている海外の実業家たちの目をくらませる、と記述した。他のどの地でも同じように、ビジネスを行うことは容易ではない。中国でビジネスを行うことは、さらに輪をかけて困難を伴うものだ。この地に実際に足を踏み入れ、経験し、学び、受け入れ、順応するまではとにかく分からないことがあるのだ。

競争相手は、スタートアップ企業が市場に参入する際に考慮すべき重要な要素である。競争相手を打ち負かすことができるか? できないのであればなぜ競い合おうとするのか? 以下に詳しく述べるが、Bowei氏はいくつかのポイントを指摘してくれた。

1.終わりなき競争 – 重要であるかどうか?

Bowei氏は、アメリカでは一般的に市場を牛耳る競争相手はたった一握りしか存在しない、と述べた。もちろん中国では主要な市場プレイヤーがいるのだが、驚くべきことに小規模な競争企業の数が1000数社となっているのだ。

中国では、その大規模なサイズ、参入への低いバリア、知的所有権に関する法律の欠如などの理由から、多くのスタートアップ企業はいつ何時でも大手の競争相手に対して攻撃を仕掛けている。Grouponクローンサイトが5000もあり、100以上ものAndroid向けアプリストアがあるのもうなずけるわけである。そう、表面上では競合他社が多いということは恐ろしいことでもあるが、時には市場に参入しないように人を説得する材料ともなりうる。しかしあなたが勇敢な海外の実業家で、確固とした経験や適切な人脈をもっているなら、そんなにおびえることはない。私はコピーサイトのことをよく聞くが、それらのほとんどがそんなに本気でビジネスをやっているとは思っていない。例えば、共同購入のコピーサイトを例に挙げれば、それらの多くのサイトができるだけ多くの顧客を獲得し、その後にLashou(拉手)、Meituan(美団)、Gaopeng(高朋)など大手サイトの1社に会社を売却するという撤退戦略を立てて事業を始めている。

そして彼らは粗末な運営プロセスと共に平均的なサイトを寄せ集めるが、最初に強固で持続できるビジネスを構築することについて注意深く考え、計画を立てることはしなかった。だから、たとえ、5000というクローンの数だけを聞けば厳しい環境に思えるだろうが、本気でビジネスをしている競争相手についてのみ意識すればいいだけのことだ。

2.相手は悪質で、多くは不誠実で、いくつかは違法である-あなたは戦い続けるか?

中国で数多くの競争相手に勝つべく激しい戦いに挑むため、人々はしばしば倫理を守ることにプレッシャーを感じ、手段を選ばなくなる。ただ、人々が本当に倫理的なジレンマを感じているかどうかは疑問である。中国は文化的に異なる土地柄であり、普通のこととして見られることもある。

Bowei氏は顧客の買収、良いレビューもしくは競争相手について悪いレビューを書く人々への金銭の支払い、ユーザアクティビティの数や売上金額の偽装について言及した。私は企業が、汚れ仕事をしてくれるようPR会社に金銭を支払う話を聞いたことがある。以前、より人気を出したり、切迫感を演出するため、共同購入サイトが数を偽るケースについて記事を書いた。これがどうして複雑な問題なのか、私にはよくわかっていない。

私は一般論を述べようとしたり、外国人は中国人より倫理的だと言おうとしているわけではないが、ここで得られる経験のいくつかを意識する必要があると言っている。あなたは倫理的価値に固執し、全てを合法的に行うことができるし、競争のために倫理価値を曲げることもできる。また、中国にいるとあなたの考え方や行動に影響を与える可能性がある。

3.アメリカのネット大手は、中国において引き逃げされる-ローカルのパートナーが必要なのか?

Bowei 氏は、アメリカのネット大手が中国で我を張ることに失敗した話、有名で模範的な例のいくつかに言及した。Google、Yahoo、 Twitter、Facebookなどは、中国において重要な足跡をつけることに失敗した。Bowei氏は、政府の規制により、中にはサービスを始める前からチャンスがなかった会社もあるとしている。

この良い例がFacebookとRenRen(人人)の場合である。RenRen は、見るからにFacebook中国語版レプリカであるが、多くの中国人はFacebookを聞いた事がない。そして、このような種類の政府の「関税」は、外部の競合が参入することを妨げ、ローカル会社は開けた競争の場を持つことにつながる。中国で成功する事を望む外国人のために、多くの経験ある起業家や投資家が、ローカルの中国人パートナーを持つべきだとアドバイスしている(「外国人」と言う時、海外生まれの中国人も含まれる)。理由はいたって明白である。ローカルの人々は文化を本質的に理解し、生まれつき中国語を話し、人脈を作るためのより良いチャンスをもっている。

しかしながら、大きな会社であっても単にローカルパートナーを持つだけで上手くいくわけではない。私達は皆、Grouponと Tencent(騰訊)の関係がどうなったかを知っている。私は中国で事を成そうとしている起業家を何人か知っているが、彼らにローカルパートナーが必要だとは思わず、それを独力で行うための十分な自信を持つ事が必要だと思う。統計的に、海外駐在員のみで構成された企業のチームの成功率は低い。しかし、絶対にうまくいかないというわけではなく、ただ難しい、というだけのことである。

中国で起業家になるには度胸を要するが、その見返りは非常に大きいものである。ここで論じた話で誰かを恐れさせたいわけではなく、むしろ中国で事を運ぶにあたって、より現実的な背景を描きたかったのだ。また、物議を醸し出すものもいくつかあり、それらは必ずしも明瞭なものとは限らない。中国は極界の地であるが、ビジネスの面でもその他の面と同じくその特性を表している。

もう一度言っておくが、私はBowei氏のスライドの一つから要点を取り上げただけのことだ。ただ、どうやらこの種の記事は、連載の扱いとなりそうだ。

【via Technode】 @technodechina

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