【ゲスト寄稿】31歳、サラリーマンからの起業を支えてくれた4つのこと

この記事をゲスト寄稿してくれたのは、株式会社ブライトテーブル代表取締役の松下勇作さん。

東京大学博士課程からコンサルティング会社を経て、インキュベーションプログラムを通過し、ベンチャーキャピタルからの出資を受けて起業。ソーシャルダイニングサービス「TableShare(テーブルシェア)」をリリース準備中。

はじめに、この寄稿をした理由

はじめまして。株式会社ブライトテーブル代表取締役の松下勇作と申します。弊社は、「世界中の食卓を明るくする」ことを目指し、「Table Share(テーブルシェア)」というfacebookの友達同士で行う食卓への招待サービスを運営しています。この寄稿に書かせて頂いた起業までの体験談は、これから起業を考えている方、特にサラリーマンとして働きながら起業を考えている方に向けたものです。
僕は現在31歳で、前職ではITコンサルタントとして金融機関向けのディーリングシステムの開発・運用保守を行っており、大きな不満などは無い状況でした。サラリーマンとして数年の経験を経てある程度社内でも認められてくると、それまで持っていた「野望」のような想いが遠のき、「人生このままでいいのか?」と自問自答しつつ、毎日を過ごしている方も少なくないのではないでしょうか。そんな方に僕の体験談をお話することで、起業の決意の後押しや、逆に起業しないという決断の材料になれば良いなと思っています。

1. 手応えを掴む~やりたいサービスを小さい規模で試す~

ソーシャルメディアの躍進を肌で感じたものの、facebookなどを用いることでリアルなコミュニケーションが減っているような気がしていて、幾らか虚しさを感じていました。そんな僕は2011年の夏頃から、自分のfacebook上の友達を誘って、「親しい友達が集まる食事会」を開催していました。これがTableShareの原型です。そこでのリピート率、友人への拡散スピード、感動にも近い感想をもらえたのを受け、自分の周りの数百人だけではなく、もっと多くの人に体験して欲しいと感じました。

これから起業する人は、解決したい問題と解決策を持っていると思います。ただ、本当にその問題を抱えている人が実在するのか、その解決策が問題を解決しているかを確かめてみるのが良いと思います。人生の大きな決断をした後で、空振りするよりも、まずは試してみるという行動を僕は取りました。

2.投資家からのフィードバック~キャピタリストとの相性~

小さく試して行く中で、顧客候補からの信頼を得たと思い、次に前職の在職期間中にインキュベーションプログラムへの応募をしました。その当時は、投資を受けたいというよりは腕試しのような感覚です。

僕が入ったプログラムはインキュベイトファンドが開催するインキュベイトキャンプでした。このプログラムは公募されたビジネスプランの中から、約20名の起業家を選抜し、その中からさらに上位者3名が採択されるというものです。インキュベイトキャンプの特徴の1つに、その上位3名に至らなかった事業に対しても、続く3ヶ月間サービスを磨き上げ、投資採択のレベルに至った時点で投資採択が決まるところにあります。

僕のテーブルシェアは、当初のベンチャーキャピタリストからの評価は21人中12位という結果でしたが、その後のフォロープログラムにて、参加キャピタリストの一人である赤浦徹氏と共にサービスを磨き上げ投資採択に至りました。ここで感じたことは、起業家と投資家には相性があり、必ずしもすべての投資家から評価を受ける必要性は無いと言うことです。自分を買ってくれるキャピタリストとの出会いを大事に今後もサービスを大きくして行きたいと思っています。

3.小さく始め、継続性を持つ組織に~2年間はサービス運営に集中できる資金の準備とチームづくり~

出資を得られることが決まり、創業を決意して準備期間に入りました。起業する際に、受託はしないでサービスに集中しようと考えました。起業する場合、当座の資金を本業とは違うところ(受託開発などの)で稼ぐケースがありますが、起業してサービスを本気で取り組むのであれば、やりたい仕事だけに集中できる環境を作るべきだと僕は思っています。それは貯金をはたいてもいいし、ベンチャーキャピタルなどの外部からの出資を受け入れることも良いと思います。

現在、弊社は僕とエンジニアの二人体制でシステムを開発しています。固定費をなるべく抑えて小さく始め、長く改善を続けることを念頭においた上でのチーム構成です。サービスリリースをするまでが勝負では無く、その後の継続的な改善を意識して取り組んでいます。

4.自分の価値を客観的に確かめる~ヘッドハンターとのコンタクト~

始める前から失敗したときの事を考えていたら成功なんてできないと言う人がいますが、全く失敗したときのことを考えないということも現実にはありえないと思います。失敗したときの事を想定して、それでも大丈夫と思えるからこそ、大胆にチャレンジできるのだと思います。無謀なチャレンジと、勇気ある考えぬかれたチャレンジは全く異なるはずです。

僕は退職の相談を上司にする前に、転職サイトのヘッドハンターにコンタクトし、起業後に再就職できるかどうかを相談した後で退職を決意しました。そこでの面談から起業した末の結果が大成功でなくても、今以上に求められる人材になれるとの確信を強めました。たとえば、転職の際に重要視される新規事業企画経験、財務会計知識、マネジメント経験、そして、新たなチャレンジを行えるマインドをもった人材であることが評価されるようです。起業して失敗したらお金は残らないけど、自分の中に貴重な経験が残るはずで、それを評価してくれる場所はいくらでもあります。実際に会社を2月に創業し関係者が増える中、その思いを強めています。

最後に

僕は、会社員時代から今のサービスの原型を始め手応えを掴み始めていました。みんなからありがとうという声も頂いていたので、もしかするとそのまま続けていても良かったかもしれません。ただ今思えば、僕がありがとうという声を受け取っていたのは僕の周りの数百人のみでした。野球にたとえるなら、草野球をやって楽しんでいたようなものです。そこに、ベンチャーキャピタルという存在を知ったことで、プロ野球の世界があることを知り、一歩その世界に足を踏み込み、自分もプロを目指したいと考えました。

起業したほうが良いかどうかは人それぞれですし、最後には自分がどう在りたいかで決めれば良いと思います。ただ、「選択肢の一つに起業を加えてみて、吟味する事」をした結果、新たな道が見えたように思えています。これはぜひ、サラリーマンで個人のプロジェクトなどに熱を持っている人にも頭に入れて欲しい考えかたの一つです。自分自身、今後もこれまで以上に挑戦していきます。

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