【ゲスト寄稿】失敗しても腐らず、再チャレンジし続けるために大切だと思う4つの事

この記事をゲスト寄稿してくれたのは、椿奈緒子さん。2004年サイバーエージェント入社後、オンラインサンプリングサービス「トライアルネット」立ち上げ、ビジネスポータルサイト「cybozu.net」会社立ち上げ、メディアマネタイズ事業「HubsMedia」を立ち上げる。現在は、株式会社VOYAGE GROUPにてアンドロイドアプリレコメンドサービス「appmom」を立ち上げ、運営している。


2004年にネット業界に入り、5つの事業や会社を作り、閉鎖、譲渡してきた。

女性向けEC+メディア(1年)→ビジネスポータルメディア+マネタイズ(6年)→アドテクノロジー(半年)→マーケットエントリー(半年弱)→Androidアプリ(1年半)。

スタートアップが注目されてチャレンジャーが増え、新規事業が増え日本が盛り上がっていくのは素晴らしい事だと思う!しかし、同時にそのチャレンジャーの多くが「失敗」している、そしてしていくだろう。

一発勝負ではなく、例え事業が失敗しても次々にチャレンジしていく事業家がもっと増えたらいいなと願う。「挑戦しやすい環境」など外部環境も大切だが、事業家本人がへこたれず腐ることなく再起するエネルギーを持ってチャレンジし続けない限り、いくら環境が整ってきても何も始まらない。

自分も次々チャレンジしていく事業家(シリアルアントレプレナー)を目指しているので、過去を振り返って「失敗しても腐らず生き残り、再チャレンジし続けるために大切だなと思う事」をまとめてみる。

失敗しても腐らず、再チャレンジし続けるために大切だと思う4つの事

過去の経験やネットワーク、そして”プライド”にしがみつかない

~事業も自分も心機一転する覚悟を持つ~

今までやってきたことを「強み」として、その強みで突き抜けて行こうとする人が多いと思う。もちろんそれで勝っていく覚悟があればとことん活用すべきだと思う。

ただし、ネットビジネスは短いスパンで流行廃りが激しく、先行者メリットを受けやすい。先に始めた所がシェアを占めている事が多い。そんな中で新参者として過去にやっていた事にしがみ付いても時既に遅し。過去のリソースは過去のもの。相当な資本を投入しない限りは(たとえ投入したとしても)、ある程度まで到達することはあっても、先行の競合に勝ちNo.1になれる道はなかなか遠い。

これから伸びていく産業に目をつけて、先端を駆け抜けて行きNo.1を目指していくのが、変化の多いネット業界で働く醍醐味であり、スケール感をイメージできると考える事業家も多いのではないか。その場合、たいてい今までやってきたテーマとは異なり、またゼロから積み上げていく必要がある。

情報は人に集まる。新しい業界はみんな情報を求めるので人が集まりコミュニティとなり、コミュニティの中から業界盛り上げ活動が始まる。ゼロベースからのネットワーク作りから築いていく事になる。これが結構大変。過去のプライドを持っていても通用しない。過去何をしていようが、どんな肩書きを持っていようが、あまり関係ない。

新しい業界では経験も実績も無く、知らない人ばかりでなかなか相手にされない中で、どのように相手に「この人と一緒に何かすると有益かも」と思ってもらえるかを必死で模索する期間を乗り越え、パートナーを見つけ事業を始める、一歩前進するビジネスチャンスにめぐり合えればラッキーだ。

様々なアプローチがあると思うが、私の場合アドテク系の仕事をしていた時は、勉強会・ミートアップを自ら開催していた。アンドロイドの仕事を始めてからは、アンドロイドのコミュニティに入り、コミュニティの中でのネットワーキング、イベント開催、ハッカソン参加などを通して、新入りでもコミュニティの中に入る試みを続けた。おかげさまで、わからない事はコミュニティの皆様に日々教えて頂きつつ、日々感謝している。

最強のチームを作るために、T型人材になる

~「私はこれしかできません」も「何でもできます、広く浅く」も必要とされにくい~

事業を立ち上げるにあたって、T型人材になる必要があった。

「私はこれしかできません」ではなかなか通用しないし、「何でもできます、広く浅く」だけでも差別化しにくく必要とされにくい。事業を始める、大きくするにあたって必要な役割に貢献できて、特に○○が得意です、という人材でないと、なかなかチームが作りにくいからだ。

情熱ももちろん大切だけど、「これしか出来ません、わかりません」だと、事業を立ち上げる上で最も足を引っ張る頼りない存在になりかねない。自分が最も役に立たないような状況では、当然優秀な人も近寄ってこない。これで情熱も行動力も無かったら何も残らない。

ではどうすればよいか?少しでも必要とされる人間になるように、努力すればよいい。

まずは、強みを誰よりも強くすることが一番の近道。「収益化なら任せて」「ユーザー10万人に増やします」「資金は引っ張ってきます」「最強のUX作れます」など、そのパートはこの人にお願いすれば最強、と人に思われる人を目指す。

また、自分の強み以外の「浅く広く」については、特にチームワークでのコミュニケーション円滑化に貢献することが多い。例えば、自分でやってみてどれだけ大変か何となくでも理解した上で頼むのとそうでないのでは、相手の伝わり方が大分違う事がわかった。それは少しのチャレンジで改善することができる。

– 自分でプロトタイプ開発、もしくはサービスを開発してローンチしてみる

– 技術者がやるような実現可能かの調査を、自分でやってみる Formatted: Highlight

人によって反応は様々とは思うが、T字型になることで何よりもお互いに説明コストが削減されるのと、ちゃんと理解する姿勢と努力が伝わり、信頼関係も深まることが多い。さらに自分に自信もついてくる。

サービスイン後半年、初めての「うまく行かない期間」の乗り越え方

~目標計画だけはなく、下限計画(これを下回ったら閉鎖)も定めておく~

いざ事業が始まって3~6ヶ月経過すると結果が見えてくる。ここで計画どおりに結果が出ている事業は結構少ないのではないか?

事業がうまく行かないと組織の雰囲気も悪くなり、初の「組織の危機」を迎えるタイミングになる。「このまま続けてうまくいくのか?」という不安に押しつぶされて、自分の心が折れてしまいそうになる人も少なくないだろう。いつまで水の出ない井戸を掘り続けるのか?の判断は非常に難しく、重要だ。

そこでよくある3つの選択肢。

1) 掘っても水が出ない井戸と見做して、早々に撤退、解散
掘っても水が出ない井戸にコストをかければかける程、累損も膨らむ。情も膨らむので、そう簡単にやめられなくなる。早急に判断し、早々に撤退し、次の仕込みに投下する。これ以上のリスクの回避なのでローリスク。

2) 黒字をキープする形にして、そのまま放置、コスト規模縮小
少しでも売上やその他資産が増え続けていることが見えているのであれば、わざわざ抹消はせずに最低限黒字を保てるコストバランスに調整して、戦略的放置。ローリスク、ローリターン。

3) 手を加えて継続改善していく?チームはそのままでPivotする?
諦めず手を加え改善し続ける。またはチームは解散せず全く違う事業にpivotして次の立ち上げサイクルに入る。コストはかかるが、成功確率は上がる可能性はある。ハイリスク・ハイリターン(?)。

何が成功なのか、失敗なのかは、誰にもわからない。しかし、事業を始める際に「やってみないとわからない」で済まさずに、重要指標や損益計算の計画を作るのはとても大事。目標計画だけではなく、どこまでいったらやめるのか、下限のリミットも定めておくと自分をはじめ、チームやステークホルダーとの覚悟・コンセンサスができて良い。

会社内新規事業等でこのようなルールで決まっていればそれで十分だが、もし無ければ是非お勧めする。始めるとどうしても情が入ってしまうので、始めることより終わらせる方がよっぽど大変だからだ。

変化に対応するために、引き出し・仕込み作りを続ける努力を怠らない

~ギブアンドテイク精神で、たくさんギブができるように意識する~

特に上手く行かない時に、プランBのアイディアや、差し伸べてもらえるサポートが無ければそれで終了。上手くいっているときにこそ、上手くいかない時の仕込みを常に作っておくことが大事だ。

今まで助けて頂いたことを挙げると、属人的なサポート、アイディア/情報、ユーザーフィードバック、業界内で儲かり始めていること、変化の情報など。

事業のことで目の前の問題だけでいっぱいになるのではなく、自分のキャパシティ+20%で変化対応のための投資を続けていくと、目の前が苦しくなったときの仕込みや引き出しになったりチャンスになったりする事もある。特にギブアンドテイクの関係構築は、上手くいっている時ほど「ギブ」がしやすいので、いつか点が線でつながることを意識してギブを重ねる先輩方の話によると、大抵、後に似倍以上になって返ってくるらしい。

以上、まだまだ経験不足ながらまとめてみた「失敗しても生き残り、再起する方法」でした。特にチャレンジ中の方、現状を直視して今後どうしようと考える方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

最後に私事ですが、現在妊娠9ヶ月。マリッサ・メイヤー氏と近い出産予定日です。今までは複数の事業を生んで育ててきましたが、今度は子供を産むチャレンジをします。少しだけ事業のブランクが空きますが、子育てという「留学期間」から新しい視点を身につけて再起、パワーアップし、引き続き「世界に通用する事業家」を目指し生き残り続け、チャレンジし続けたいと思います!

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