【ゲスト寄稿】パリのスタートアップ・シーンは今—シリコン・サンティエのLe CampingとLa Cantine

嶋田敬一郎氏

11月、いくつかのモバイル関連プロジェクトを手がける嶋田敬一郎氏と筆者は、あるプロジェクトに関連して、ヨーロッパのモバイル業界、スタートアップ業界を訪問する機会を得た。ロンドン、パリ、ベルリンと、それぞれ1週間ずつ滞在したが、各都市の業界のコアな人物に多く会い、日本はもとより、アジアやアメリカでも聞いたことの無い興味深い話に、連日連夜打ち拉がれていた。

嶋田氏が自身のブログ(英語)に記事を書いてくれたので、その日本語訳をお届けする。前回のロンドンに引き続き、今回はパリのテック・スタートアップ・シーンについてだ。

パリのパブリック・アクセラレータ「Le Camping」

ロンドンで出会った Springboard の Jessica が、パリの Le Camping の人と会ってみるようにと紹介してくれた。Le Camping はパブリック・アクセラレータ・プログラムで、パリの地域政府のほか、Google や BNPパリバのような有名企業によって運営されている。Le Camping は、フランスのイノベーション・シーンを支える企業の集合体「Silicon Sentier(シリコン・サンティエ)」を構成する一部だ。ここ数日仕事に使ったコワーキング・スペース「La Cantine」も、シリコン・サンティエの活動に関与している。

Le Camping

簡単に前述した Le Camping は、スタートアップが離陸するのを助けるアクセラレータ・プログラムだ。3年前にスタートし、6ヶ月毎に200件ある申込から12のスタートアップを選んで、プログラムに参加させている。Le Camping に居る起業家の平均年齢は26歳くらいで、大学を出てまもなく、アイデアを具現化するためにやってくる。スタートアップ各社は各々1.5万ユーロ(約150万円)のシードマネーを得ている。ここでは、他の選ばれしスタートアップと話ができるし、言うまでもなくコーヒーやスナックもタダで提供されているから、1.5万ユーロという金額は、個人的には申し分無いと思う。

部屋の後ろには大きなホワイトボードがあり、毎週、各スタートアップは、過去1週間にあった進捗(緑)と問題(赤)、さらに次の週に向けての活動(黒)を貼付けるようになっている。これは素晴らしいアイデアで、オープン・ネットワーキングやコラボレーションの考え方に似ている。Le Camping の出身スタートアップの55%は、Le Camping を離れて後、または、入居している間に追加の資金調達に成功している。6ヶ月のプログラムの最中に中退したスタートアップは、今のところ1社だそうだ。すばらしい。

Le Camping

Le Camping は、定期的にピッチ・イベントも開催しており、ベルリンやロンドンのパートナーが開催するピッチ・ツアーにスタートアップを送出している。このようなイベントでは、スタートアップの話を聞きたい50〜100の投資家(投資会社)と出会うのだそうだ。

この素晴らしいアクセラレータ・プログラムに加え、Le Camping は Palais Brongniasrt という歴史的な証券取引所の建物の中にある。この建物は 1800年代初期に建てられたのだそうだ。その建築は素晴らしく、ここで仕事ができるスタートアップがうらやましい。

もしフランスのスタートアップ・シーンについて詳しく知りたければ、Le Camping を訪問してみることをお勧めする。我々がコーヒーとフランス菓子で暖かく迎えられたことも付け加えておきたい。

コーワーキング・スペース「La Cantine」を訪ねて

La Cantine

パリに来て3日目、この街でもまともなコワーキング・スペースに入ることができた。その名は La Cantine といい、ソファや椅子もある広々としたオフィスで、エスプレッソやティーも無料で提供されている。初回訪問者に対して無料のメニューは無いが、半日7ユーロまたは1日10ユーロと非常に廉価だ。ここの WiFi は非常に早く、螺旋階段の上にはガラス張りの会議室があった。多くのデジタルノマドは、ここに居れば、一人で仕事していても寂しくないだろう。Rue MontmartrePassage des Panoramas という狭い小道から少し入ったところにあるので、やや見つけにくいかもしれない。

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