中国でAppleのMac OS Xを使う人はほとんどいないにも関わらず、同国のインターネット大手企業であるTencent(騰訊 HKG:0700)は他の中国企業がこれまでやったことがなかったことを成し遂げた。なんとMac版のwebブラウザを作り出したのである。
真新しいMac版QQBrowserはその新しいプラットフォーム向けに一から作りあげられたものであり、それゆえ同社の人気のWindows版である兄弟製品と共有する機能はほとんどない。同製品は(最近のGoogle Chromeブラウザがそうであるように)AdobeのFlashを組み込みでサポートし、中国語版および英語版が選択可能で、また特色ある機能として(ed2kのような)P2Pおよびbittorrentをサポートしている。
同ブラウザは同社の所有するSoso(搜搜)検索エンジンを使用するようデフォルト設定されているが、Baidu(NASDAQ:BIDU)およびGoogleに変更することも可能である。検索エンジンの設定を除けば、Mac版QQBrowserは非常にシンプルであり、見た目はSafariに似ている。URL入力欄の下にタブを配置していることからそう感じるのかもしれない。
タブが一番上にある(私がMacでAppleのSafariではなくFirefoxを使用する理由の一つだが)のに慣れていると一歩後退のように感じられる。「新しいタブ」ページ(下図参照)もChromeの流儀に習ってシンプルで、私のスクリーン上では8つのお気に入りしか表示してくれない。
一番右側のリストのように見えるボタンは、履歴、ブックマーク、ダウンロードへと導くショートカット。残念ながら、ブックマークとダウンロードへのキーボードショートカットはないので、アイコンを押さなければならない。恐らく「バグ」だとは思うが、Mac版QQブラウザで最も変わっているのが、タブ・バーのダブルクリックでブラウザウィンドウ全体が最小化されてしまうことだろう。ダブルクリックすると新しいタブが開くものだと思ってしまうが(Firefoxでも同じ動作だ)。
まとめると、Mac版QQBrowserは興味深く、しっかりとした良い初期バージョンだ。しかし、Mac用の他のブラウザと比べて特にお勧めできる魅力はない。Macにはたくさんの素晴らしいブラウザがある。例えばFirefox、Chrome、Sleipnir、Opera、Safariなどだ。この新しいブラウザにTencentがどれだけの労力をかけているかはとても興味深いし、拡張機能やそのような拡大をするのかは気になる。
Tencentは市場にMac用のコアアプリをいくつか登場させ、中国のウェブ企業の先陣を切ってきた。ビデオチャットのサポート機能を持たせ、昨年の夏にお目見えしたユビキタスQQ IMアプリに加えQQ IMEもある。たった2つだけなのだが、Baiduや他社を超越する2つだ。
Mac版QQは新しいホームページからダウンロードできるが38MBある。だが実際にインストールしてみると100MB近くもあり、OS X 10.6と10.7でしか動作しない。
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