【ゲスト寄稿】海外事業パートナー開拓を積極化させるRenrenーSnapDishが見た提携と中国モバイル事情

この記事をゲスト寄稿してくれたのは、舟田善さん。料理写真のソーシャル・アプリ「SnapDish」の生みの親にして、ヴァズ株式会社のCEO兼創業者。ヴァズ創業前は、オン・ザ・エッジ(現・ライブドア)の取締役兼CIOや、Seesaaブログを提供するシーサー株式会社の取締役兼CSOを務めた。

このところ、SnapDish は、RenRen(人人網)との連携韓国のモバイルキャリア・SKテレコムのアプリマーケットへの進出Echelon へのピッチ入選など、アジア市場への進出を加速している。舟田氏には、5月に北京で開催された RenRenのパートナー・ミーティングへ参加した際の体験談を記してもらった。彼の寄稿は、日本のスタートアップにとって、アジア展開をする上での大きなヒントになることだろう。


北京で5月10日から11日に開催されたGMIC2012(Global Mobile Internet Conference)中に実施された「Renren Meetup」に参加してきました。中国最大手SNS「Renren」との提携がどのようなもので、具体的なコミュニケーションはいかに行われるのか、レポートにて共有いたします。

GMICとRenrenミーティングとは?

GMICはアジア最大規模のモバイルインターネットのイベントで、国家会議センターというオリンピック開催時に建設された巨大な展示施設で開催されました。Renren Meetupは中国最大の実名SNSを運営するRenrenが主催する事業提携パートナーの交流会になります。

弊社ヴァズは、料理写真をおいしく加工して共有できる『SnapDish 料理カメラ』というアプリを提供しており、Renrenとアプリ連携しています。この関係で招待を受けての初参加で、その他の日本企業としてはDeNAが参加していました。

国家会議センター内に設置された300人程度が入れる会場は、世界中から招待されたRenrenパートナー企業や、関心を持つ企業が集まってほぼ満席。Renrenから各種発表やDeNAなどのパートナー企業のスピーチが続き、ミーティングは3時間ほどで終了。最前列のパートナー席で私たちはFlipboardやAngry BirdsのRovio Entertainmentと共に発表に耳を傾けました。

ここにアジェンダと幾つかのポイントを共有しておきます。ミーティングの議長はRenrenVPのJiang Wu氏でした。

  • Renrenの事業内容と今後の戦略についての説明
  • Renrenの新プロダクトの説明
  • パートナー企業との署名セレモニー
  • パートナー企業によるスピーチ
  • Renrenとパートナー企業参加のディナーパーティー

積極的な事業パートナーを探し

実際に参加してみるとRenrenとパートナーの交流イベントで、彼らが新規パートナーと出会うきっかけづくりの場であるという印象を受けました。

ミーティング後、オリンピックが開催された国家体育場(通称「鳥の巣」)で、パートナー企業何社かを招待したディナーパーティーに参加したのですが、ホストのJiang Wu氏や海外事業開発のメンバーが積極的に一社一社と丁寧に話をしているのが印象的でした。

Jiang Wu氏はパートナーからの要望を非常に熱心に聞いたり、様々な国のアプリやゲーム事業者に関する質問をしていました。私たちに対しても、海外事業開発のメンバーから日本企業を紹介できないかと具体的な企業名を出して打診される場面もあるなど、海外の良質なアプリやゲームを彼らのプラットフォーム上に取り込むことが重要課題であるという様子が伺えました。

モバイル強化への強い意識

魅力的なアプリやゲームのラインナップに注力している彼らがもっとも重視し、パートナー企業に求めていることがモバイルの強化です。

私たちがRenrenと連絡を取り合うようになったのは昨年から。Snapdishは昨年の夏にRenren APIの開発者登録を済ませていたのですが、秋頃に「Renren APIを使ったアプリ連携をして欲しい」との連絡を受け取ったのが始まりでした。Renrenにはアプリやゲームを誘致する専門のチームがあって、海外のパートナー開拓(海外事業開発)を常に実施しているのです。

ただ、せっかく声をかけてもらったものの、昨年はメンバー全員が二足のわらじを履きながらの開発・運営状態だったため、すぐの対応は無理でした。アプリ翻訳やRenren連携、中国向けの料理ジャンルの作成(中国の食文化を知らないと難しい)などの細かいローカライズ作業、中国語ドキュメントの読解、開発費などの問題をクリアすることは容易でなかったのです。

認証用の文字入力が中国語で入力できず、しばらく先に進めない、なんてこともありました。

秋頃から話し合いが始まって、諸条件はすぐにまとまったのですが、アプリの対応は年末になってもなかなか進みません。その間もRenrenからは何度もサポートの申し出や開発を催促するメールが届きましたが結局、無事対応してリリースできたは4月。ただ、最後までRenren側からのサポートは途切れることはありませんでした。

日本への関心

今回のミーティングの数週間前には、日本のアプリやゲームを誘致するため、日本語のできる専任のスタッフまで採用していて、イベント期間中は張り付きで対応をしてくれました。これまでの開発対応などをみても、彼らのモバイル強化への強い意識、それに加えて日本への関心は強く感じる結果となりました。

彼らが積極的である分、日本のスタートアップで中国市場に興味のある方は、このようなプラットフォームにアプローチしてみることも一つの有効な手段になるのではないでしょうか。