中国がいかにして2012年のモバイルインターネットを推し進めているか [チャート]

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【翻訳 by Conyac】【原文】

段階的であるが非常に大規模なモバイル・インターネットへの移行については、アジアが先導している。近年、アジアのモバイルインターネットにおけるトラフィック量は192.5%成長しており(下図)、他の地域を大きく上回っている。これらを促進しているのは中国で、10億人以上のモバイル加入者と、スマートフォンや3G接続といったモバイルウェブを使用する中流階級の急成長と相まった結果である。

ここで中国が果たす役割をひも解いてみよう。アプリからモバイルOS、ライフスタイルへ、人気の高いUC Browserの開発元であるUCWeb[1]の新しいレポートから考察する。このインフォグラフィックはStatcounter社のデータを使用している。Ciscoの予測によると(UCWebから引用)、アジアの成長率からすると、2015年にはアジアでのモバイルインターネットトラフィックが最も多くなるという。

Ciscoの見解を裏付けるこのグラフは、2015年には中国のモバイル利用者が非常に多く、モバイルによるウェブ上のクリックや決済が多数発生することを示している。

もはや否めないのは、今年の初めに中国では既にモバイルインターネットユーザの数がデスクトップパソコンの利用者数を抜いており、転換期に行き着いたということだ。

もちろんモバイルコマースのようなものを成功させるためには、全ての人々がモバイルウェブに参加する必要がある。手頃なスマートフォンの存在はその問題の核心であり、中国の携帯メーカーはとりわけ、価格が1000元(158米ドル)以下で契約無しで使える代替機器を製造することに長けている。これは魅力的なことであり、Androidアプリの世界への扉を開くのだ。

社会経済がより公正なスマートフォンの価格帯を必要としていることで、中国で商品を流通しているNokiaが維持されてきたが、同社の古いSymbian携帯の消費者間での需要は依然として急速に減少している。

中国はAndroidの国であり、2012年の第2四半期では、中国のスマートフォンのうちiPhoneのシェアはわずか7.5%で、Androidが大きなシェアを占めている(アメリカでは対照的に、スマートフォンのうち34%がiPhoneである)。Samsung、Lenovo、Coolpad、Huawei、ZTEの売り上げのほとんどはAndroid携帯によるものである。

文化の違いを考える

このような中国のモバイルインターネットの勢いにも関わらず、注視すべき大きな違いが、特にアプリのデベロッパーにとって存在する。このブログでは、中国人消費者がよく使用する、サードパーティーアプリを販売する様々なストア、特にAndroid向けのものについてしばしば取り上げてきた。

アメリカ人消費者がiTunesやGoogle Play、Amazon(おそらく少々の著作権侵害を含むのだろうが)に固執しているのに対して、中国人のスマートフォンユーザは様々なところからアプリを探しているようだ。一見して、AppleやGoogleの巨大なエコシステムに組み込まれることよりも好ましいのだろう。

中国やアジアでの他の展開としては、UCWebの指摘によると、多くの市場(日本や韓国を除く)ではアプリへお金を払うことに嫌悪感を持つことが多く、広告によるアプリの無料化もしくはアプリ内での購入によるフリーミアムモデルが必要となる。

中国やその他の地域での日常生活パターンにおいてモバイルウェブが重要な役割を担うといっても、欧米に比べて多くの人口は都会に住んでいる。ということは、携帯とウェブが通勤の一部になり、より長時間画面に触れることができることを意味している。

またアジアや中国でのソーシャルアクティビティはよりオープンになる傾向があり、したがってアプリやウェブが中国社会のオープン化の重要な要素を担うようになる。

これはウェブブラウザメーカーからの意見だということを心に留めてほしいのだが、最後の論点は携帯ブラウザーは必需アプリとして、アメリカ人より中国人にとってなくてはならないものになっているということである。

ブラウザメーカーは、アジアでのブラウザの利用者に対して、アプリを起動した際にAppleのモバイル用のSafariのように黒い何もないページや、Google Chromeのようなブックマークの羅列を表示するのではなく、幅広いコンテンツを提供する必要があることを認識しておくべきである。

1. 2012年10月の中国・アジアにおけるUCWeb携帯インターネットレポート

【viaTech in Asia】 @TechinAsia

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