中国のTMT系(テクノロジー、メディア、通信)スタートアップに注目している投資家の皆さん、YY Inc.が「証券取引委員会(SEC)にて株式を公開する」という数日前のTechNodeのニュースを初めて目にしたとしても、気を悪くしないでほしい。広州拠点の同社は、地元中国の人たちの注目を集めすぎたくらいだ。
この驚くべきIPOのニュースによって、大勢の人たちがこのスタートアップに飛びついて何を計画しているのか掘り下げ始めた。ひとつ分かった興味深いことと言えば、音楽業界における海賊行為によって中国の音楽系スタートアップで成功しているところは非常に少ないのだが、それでもYYの音楽ビジネスは利益を上げて急成長しているようなのだ。
2012年の前半で、YYの音楽ビジネスはそれぞれ第1四半期に3376万元、第2四半期に5896万元の収益に到達した。多くの人々が中国のユーザはお金を払わないと不満を口にするが、YY Musicはすでに2657万人の月間アクティブユーザを獲得し、そのうち35万5000人が料金を支払っている。(データは2012年9月31のものである。)
プレミアムユーザといくつかの関連する付加価値サービスはさておき、YY Musicはプラットフォーム上で仮想アイテムを販売している。ユーザは、例えばバラのような商品を購入して好きな歌手にプレゼントできる。そして歌手たちは、実際にそのバラから利益を得ることができるのである。大衆に人気のあるミュージシャンは、YYコミュニティで非常に人気だ。そこでプラットフォーム上では、ユーザのためにミニコンサートやキャンペーンを開催し、利益を還元する予定である。
以前に一度、音楽ベンチャーの第一のルールは資金調達をしているということを教えてはならないと書いた。それはもっともなことで、業界インサイダーの話だと、YY Musicのビジネスモデルは著作権侵害しているのでは?ということだった。「もしユーザに演奏された曲が彼らのオリジナルではない場合、その著作権はほかのミュージシャンに属するもので、利益の一部はその著作権オーナーに行くべきである。実際のところ、多くのオーナーは彼らの著作権が侵害されているということを分かっていないようだが、この行為は盗作行為だと言えます。」とある業界者は言う。
弁護士のWang Bin氏もまた、YY Musicが著作権所有者の許可無しにこのような方法で利益を上げているとしたら、これは違法であると述べた。しかし、音楽業界からは違った意見が聞こえる。プロデューサーのZhong Sheng氏は、YY Musicのおかげで全ての人がポップミュージックを手に入れられるようになり、また良い宣伝方法でもあると考えている。また、ビジネスモデルとしてYY Musicは、同業各社間でユニークである、ユーザによる消費を習慣化させることができると語った。
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