BASEの勢いが止まらないらしい。家入一真氏率いるLivertyが始めた新プロジェクト、BASEがロンチしたのは11月20日。半月ほどで開店したストアの数は5000店舗を超えたそうだ。
ーーさて。BASEとは一体なんだろうか。本来であれば数ステップで立ち上げられる「C2Cコマースプラットフォーム」と説明するのがしっくりくるのだろうか。即席コマースでは国内のStores.jpがやはり急成長しているそうだし、C2Cマーケットといえば海外Etsyなんかが近いかもしれない。単なる小規模カートであればごまんとある。
でもBASEはなんかちょっと違う。
BASEで開店している店舗は物販というより、Tumblrのようなページを作っておまけで売れる、そんな感じがするのだ。だから真面目に物販しているところもあれば、フリマみたいなページもあるし、石を売ってるところも出てくる。こういう「幅」がなんというか、独特な香りを発している。
もう一つ、彼らは使用料を取らない。僅かながら決済手数料は取るようだが、そもそもこれはビジネスなのかと疑いたいぐらい全て無料になっている。
摩訶不思議なサービス、それがBASEだ。「あの」Livertyが立ち上げたサービスとしては至って真面目という意見も散見されたが、果たしてそうだろうか。
まだよくわからないことも多いので、とりあえずいくつかの店舗をピックアップしてみた。まずはここからこのサービスを俯瞰してみたい。
石EC
石が売ってある。確かに世の中にはビーズ・アクセサリーのお店もあるし、庭石だって立派な商品だ。しかし、この写真はあきらかに「石」(追記:石じゃないな…これ岩だ…)だ。それもどっかに転がってる。ずっとみてると哲学的な気分になってくるから不思議だ。石とECを掛けたんだと思う。それがやりたかったんだと思う。
女子めざ! – これから毎日、名前を呼ばれて目覚めよう。
紹介二件目にして既に物販ではなく、サービスを販売している。そういう意味では、共同購入クーポンでサービスが販売されたことは少なからずこういったところに影響は及んでいるのかもしれないが。
手紙屋
「あなたのために手紙をしたためます。どんな手紙が届くかはわかりません」ーーそうですか。
hanatoku
一瞬何が売っているのか分からなかった方もいると思う。ポイントは自分の似顔絵を売ってるということではない。なんとこの画像データ、販売しているにもかかわらず右クリックでダウンロードできてしまう。しかもスペック通りのサイズで、だ。手渡しのエビストラップがかすんでしまうほどのインパクトだった。
自家製グラノーラ通販専門店「グラノーラ・キッチン」BASE支店
こんなのばっかりだと本当に面白おかしい人ばかり5000人集まってることになるので、マトモなのもいくつか。こういうハンドメイドっぽいアイデアを販売できるところはEtsyに通じるところがあるかもしれない。
Livertyガジェット部直営店
Livertyで走ってるプロジェクトのガジェット部で開発されている物が売られている。デスクトップでのものづくりがどこまで発展するのかはまだまだ未知数だが、作ってすぐ売るという仕掛けは評価したい。
京都フラワーツーリズム
舞妓さんかわいい。
商いは門門“商売繁盛”SHOP
https://linkagemic.thebase.in/
どれだけ稼いでも、人脈があってもここで販売しているところにBASEのポテンシャルを感じざるをえない。
むすびショップ
BASEよりもクラウドワークスとかにいった方がよさそうな気がするのは私だけだろうか。
その他、普通に運営しているショップ
さて、ここまでのショップをみていかがだっただろうか。
可能性だともいえる。一方で、トラブルの匂いも依然として強烈に漂う。
詐欺などの可能性についてプロデュースを担当するLivertyのBASE運営責任者、鶴岡裕太氏に聞くと、クレジットカードなどの決済については発送ステータスをトリガーにしてさらに2週間は振り込まれないようにするなど、トラブルが発生した際の猶予期間は取ってあるという。ただ、銀行振込や代引きなどは当事者間での取引になるので、規約での注意喚起があるとはいっても、いわゆる個人間取引トラブルには相当注意しないといけないだろう。
開店数が勢いよく伸びている今だからこそ、うまく、正しく波を乗り切って従来とは違う、新しいプラットフォームの姿を見せてほしいものだ。
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