特許の取れるイノベーションをしているアジアのテック企業は?

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【原文】

IEEE Spectrumが今年の「特許力」の評価スコアリストを発表した。これは、どの企業が昨年、アメリカにおいて最も印象的な特許ポートフォリオを保有していたかに関するレポートの概要だ。スコアの付け方は複雑で、アメリカでの特許に制限される。すなわち、アジアにおいては、巨大な多国籍企業だけがリストに掲載される競争力があると評価されるわけだが、そうであっても、どの企業がアジアから世界規模のイノベーションを起こしているかをチェックすることには価値がある。

通信およびインターネット関連機器のランキングには、中国のHuaweiが唯一の国際企業としてランクインしているが、順位は比較的低く17位となっている。注目すべきなのは、同社が今年アメリカにおいて415件の特許を申請したことだ。

通信およびインターネット関連サービスの中にはより多くのアジア企業が名を連ねている。韓国からはSK Telecomが14位、そしてKT Corporationが19位にランクインしている。日本からも2社、リストに掲載されている。15位にNTTが入っており、その子会社であるNTT Docomoは16位だ。

事実を述べると、コンピュータソフトウェアのカテゴリについては、アメリカ企業によりほぼ完全に独占されており、日本のSonyがランクインした唯一のアジア企業となっている(それもかろうじて20位)。

それとは対照的に、コンピュータシステムについてはアジア企業の大パーティーとでもいうべく、順位表の半数近くをアジア企業が占めている。日本はFujitsu(富士通)(2位)とNEC(6位)が、そして中国はLenovoが7位にランクインしていた。しかしここで大勝利を収めたのは台湾で、Asus(8位)、Micro-star(微星科技、11位)、Acer(19位)、Compal Electronics(仁宝電脳、20位)がランクインしている。

ここから、より詳細な情報と各企業のイノベーションランキングが載っている実際の評価スコアリストをチェックすることができる。(エレクトロニクス関連特許についてのリストも読者の方々にはなかなか興味深いものだろう。)しかし、概してアジア企業はソフトウェアよりもハードウェアに関連するカテゴリにおいて、よりいっそう有力なのは明らかだ。

もちろん、これはアジアのソフトウェア企業がイノベーションを起こしていないと言っているわけではないが、これらのランキングはアメリカで申請された特許に基づいていることから、ソフトウェア企業がハードウェア関連のビジネスほどにはグローバルにうまくやっているわけではないことを示唆しているのは確かだ。

しかし、私の予想ではこれがかなりの早さで変化すると見ている。ゲームやモバイル関連のソフトウェアを手がけるアジア企業の数、そして彼らがグローバルな展開を進めていることを考慮に入れると、5年か10年後にはソフトウェア特許ランキングは大きく異なったものとなるはずだ。

【viaTech in Asia】 @TechinAsia

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