ベトナムのコワーキングスペースTSCがテック起業家のために「Startup Villa」をオープン

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TSC_featureベトナムのテックシーンは波に乗りつつある。ベトナムで最も活気のある都市ホーチミン市では、コワーキングスペースのTSCが「Startup Villa(スタートアップ・ビラ)」をオープンし、テック起業家に宿泊設備を提供している。

同じ志を持つ人たちとスペースを共有して働くことができるのに、なぜコーヒーショップに行って1人で働くのだろうか?ベトナムで最も活気に満ちた都市ホーチミン市では、コワーキングスペースのThe Start Center(TSC)が、設立者およびそれぞれのチームメンバー合わせて50人以上の宿泊施設となっている。

同コワーキングスペースを設立したのは、Christopher Zobrist氏と、Royとしても知られているHai Nguyen氏。両氏は「家」という定義を強化し、オフィスの隣にある4階建ての家を起業家向けのホステルに変え、「Startup Villa」と名付けた(以前はStartup Houseと呼ばれていた)。

Startup Villaには5つの部屋があって、TSCには屋内ドアで通じている。このドアは朝7時から夕方5時まで利用できるので、宿泊設備を利用する起業家はその時間帯は自由にコワーキングスペースにアクセスできる。

また、TSCのメンバーは、Startup Villaの1階部分も利用可能。Zobrist氏によると、Startup Villaは短期および長期滞在向けの料金設定があり、この料金の中にはランドリーやハウスキーピングのサービス、TSCへの無料アクセス、wifi接続が含まれているとのこと。

StartupHouse

Startup Villaの始まり

すべては2010年に始まった。その年、Nguyen氏(共同設立者でアウトリーチ・ディレクター)とZobrist氏(設立者でマネージングディレクター)は、ベトナムで行われていた起業家向けのカンファレンスで出会った。両氏は、そのカンファレンス参加者の数人と一緒に、SAVVi Investors Forumというエンジェル投資家グループを作った。

彼らの目標は、ベトナム版Y Combinator(アメリカのシードファンディングアクセラレータ)になることだったので、そのプロジェクトを「V-Combinator」と名付けた。彼らは、その後1年の間にいろんな起業家に会ってみたが、投資したいと思う適切なものを見つけることができなかった。

だが、そこで話が終わったわけではなかった。Zobrist氏は、シンガポールのHackerspaceThe HUB、アメリカのコワーキングスペースなど、世界中のコワーキングスペースをいくつも見て回り、それらの施設が地元のスタートアップエコシステムにどのような影響を与えているのかを学んだ後、ベトナムを訪れていた世界銀行のコンサルタントに会った。

そのコンサルタントは、ベトナムの「実質的なインキュベーションサービス」をサポートするために支援してもいいと言った。Zobrist氏は、

「その額はわずかでしたが、それによって、ここホーチミン市で潜在能力の高いスタートアップチームを惹き付けて育成する場所を作るために、同等の額の出資をするよう仲間のエンジェル投資家たちを説得することができました」

と語った。

ベトナムでの需要

コワーキングスペースを考えた時に、最も重要なのは立地、アクセスのしやすさが鍵だ。Zobrist氏は、街の中心部近くに1軒の家を見つけた時、その物件に飛びついたという。そして、2012年5月にその住宅をTSCにするための改修工事を始めた。

TSC_outdoors

同氏の説明によると、TSCチームの約半数が留学経験のあるベトナム人で、残りの半数は外国人だそうだ。その外国人のなかには、同氏と同じように、ベトナムの血筋を持つ人もいる。そういう彼らが、自分たちのビジネスを人口8700万人以上の国ベトナムで始めようと決めたのだ。

Zobrist氏はまた、以下のように付け加え述べた。

「私たちは、これらの2つのグループが一緒になって行うコラボレーションを推進しようとしています。多くの共同設立者がこの2つのグループに属しています。今後、特定分野のスキルを共有したり育成したりすることに特化した定期的なミートアップ、例えば、デザイナーや技術者、設立者向けのミートアップなどを開催していこうと思っています。」

ベトナムの発展がさらに進み、初期段階にあるテック産業が受け入れられるようになるにつれ、同国のテック起業家は国外の市場にも目を向けているようだ。なんだかんだ言っても、テクノロジーによってベトナム人の収入と雇用が増えていくのだから、それはいいのではないだろうか?

IDCが発表したベトナムにおける情報・コミュニケーション・テクノロジー業界のトレンドに関するプレスリリースで、2012年「ベトナムの全IT市場の規模は32億5000万米ドルに達すると見込まれて」おり、タブレットとスマートフォン市場が大きく成長するということが明らかとなった。

e27でも、多くのベトナムサービスが人気となるのを見てきた。例を上げると、Not A Basement Studio「Manga Rock」というアプリでダウンロード数100万回を達成し、Kleiiオーストラリアにサービスを拡大したばかり、そして、eコマースアグリゲータOi Zoi Oiはわずか1か月で週間の訪問者数が2000人となり、東南アジア諸国でのサービス拡大を目指している。

Zobrist氏は以下のように説明した。

「ベトナムは、優秀な人材の保有率が世界で最も高い国の1つだと思います。特に、数量的能力の分野においてです。素晴らしいエンジニアたちにより、上手く処理されることができます。ベトナムの教育制度が時代遅れであるにもかかわらず、ベトナムの素晴らしいエンジニアたちは、難しい問題に直面した時に非常に豊かな創造力を発揮します。」

ホーチミン市に強くてサポート力のあるコミュニティを築く

startuphouse

ホーチミン市に強くてサポート力のあるスタートアップコミュニティを築くという目標を掲げ、Zobrist氏のいるエンジェル投資グループは、今では「SAVVi Angels」と名前を変え、テック起業家とソーシャル起業家、そして業界および政府との間にある隙間を埋めることを目指している。

同グループは、ベトナム国立大学や、あらゆるタイプの起業支援を行う草の根レベルの団体とも既に良い関係を築き、ベトナムのイノベーションレベルを高めたいと思っている。

新しく画期的なプロダクトやサービスを構築するための高い能力を持っている人の多くが、「優れた学校」で付加価値の高い教育を受けていたとしても、若いベトナムの起業家が企業をジャンプスタートさせるためのパズルの最後のピースは、社会体制と物の考え方の中にある、とZobrist氏は述べている。

【via e27】 @E27sg

【原文】

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