オンライン作品集サービス「Creatty」を運営する Connehitoは6月17日、クリエイターが在庫を持たずデザイングッズを販売できる新サービス「Creatty Store」のプレオープンを発表した。
Creatyはファインアートや工芸品などのオンラインギャラリーを公開できるサービス。2012年4月にサービス開始後、2万点の作品が投稿されており、ウェブの他、iPhone、Androidから無料で利用が可能となっている。
今回公開されたCreattyStoreは、このCreattyに登録されている作品からConnehito側で選択したデザインを特定のプロダクト(公開当初はスマートフォン向けスキンシールやTシャツなど)に製品化して販売する仕組み。商品の制作から発送など販売に関する手続きはすべてConnehito側が担当し、売上の一部をデザイン料としてクリエイターに還元する。
さてこのストア、クリエイター向けのC2Cマーケットプレースとしては少々変わった形式だ。
いわゆるEtsyのようなハンドメイドクラフトC2Cは、ユーザーが作ったものをそのまま販売し、プラットフォーム側は販売手数料を受け取る仕組みだ。
Creattyもコンセプト段階でそのような未来を描いていたし、そう聞いていた。どうして間に運営者が入るようになったのだろうか。Connehito代表取締役社長の大湯俊介氏は運営を続けた結果、ある課題に直面したという。
当初は作品を撮影してすぐに売れればいいよね、というスタートでした。でもウェブブラウザでアプリを作って提供してみたら、市場の成熟度はまだだったんです。勝手に撮って売ってくださいというのはハードルが高すぎたようでした。
彼らが対象とするクリエイターはファインアートなど純粋に美術を志す人たちだ。一般的に大量生産品とは違う商品の確保、一般的なEC事業者と同じスキルを彼らに求めるのは無理がある。
購入者に対してはECの体験を確保しなければなりません。質を担保して常に買える状況にしておくことは難しいと判断しました。良質なものを作っている人は多いが、量産は難しいんです。
作品をオンラインで自由に販売する、という状況はもちろん目指すべきゴールかもしれないが、文化が成熟していない状況であれば、このようなステップも必要かもしれない。
Etsyのように完全なプラットフォーム型もあれば、Fabや国内でいうMONOCOのように受注ベースでの在庫を持たない販売手法もある。CreattyStoreは丁度この両者の中間点あたりにある印象だ。
大湯氏によれば、数カ月以内に販売するクリエイターの数を50人規模にまで拡大し、また、製品もキャンパスプリントやファッションアイテムなどに順次広げていくという。
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