クラウド化する経営資源

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スタートアップを考える人であれば必ず「人・モノ・金」という経営資源の話題を耳にするはずだ。人材がなければ何も出来ないし、ウェブサービスではあまり設備(モノ)の話題はないかもしれないが、ものづくり系の話題になれば生産、在庫の概念が出てくる。当たり前だけどこれらを用意するための資金も必要だ。

この経営資源をどうにかかき集めてスタートラインに立つことになるわけだが、ここで挫折する人も多い。しかし少し見渡してみると、経営資源を取り巻く環境は変わりつつある。そう、まさしくインターネットがこの状況を変えつつあるのだ。

人:クラウドソーシングというネット上の人的リソース

ウェブサービスなどに限らず、人材を求める声というのは後を絶たない。しかし人が運命的な出会いを果たすというのはそう簡単なことじゃないし、転職エージェントは高額すぎてスタートアップには使えない。そこで注目したいのが成長著しいクラウドソーシングだ。

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かく言う私もこのメディアを立上げる時、英語記事の翻訳をクラウドソーシング「Conyac」でカバーした。もちろんこれだけで全て賄えたかというとそうではない。

少ない創業メンバーでワークフローを作り、そこにクラウドソーシングでお手伝いしてくれるリソースを組込んで毎日記事を配信する体制を作ったのだ。特性を理解した上で活用すれば十分戦力になってくれる。

先日企業向けサービスを発表したクラウドワークスや、今日、リニューアルを果たしたランサーズなど両社の躍進で、このオンライン上には100種類ほどのスキルを持った約20万人の人的リソースが生み出されている。

先述の翻訳Conyacや音声に特化したVoip!など専業系のクラウドソーシングは、質が担保された段階で私たちのような小さな事業者のニーズを掘り起こすのではないかと想像している。実際、キャラクターデザインのMUGENUPは独自のフローで事業を順調に成長させている。

オンライン上のどこかにいるリソースはあなたの味方になってくれるはずだ。

モノ:STORES.jpの倉庫サービスにみる可能性

コマースビジネスが大きく動いている。連日お伝えしているSTORES.jpBASEの進化も、モバイルコマースもC2Cも、本当に話題が尽きない。決済やスマートデバイスが進化した結果、確実に彼らは成長の波に乗っている。

先日、ある一つのサービスがSTORES.jpに追加された。倉庫サービスだ。ユーザーは送料と手数料を支払えば、手元に在庫を保管する必要はなく、売れた段階で発送をしてくれる。

もし、この設備を自分で用意しようとしたら、倉庫業者と契約するか自社で購入しなければならない。個人事業主のような存在には手が出しづらい設備リソースだ。

それがほぼ無料になった。STORES.jpが抱える多くの店舗在庫を一括で管理することで実現したサービスだ。この例は一つの倉庫事業社との提携で実現しているが、もし数が増えれば同様に他の倉庫事業社を追加していけばいいかもしれない。

こういった偏在する設備をクラウド上で仮想的にまとめたサービスには、他にも印刷のラクスルのような例がある。

金:国内クラウドファンディングはどこまで進化するか

新たな資金調達の仕組みとしてクラウドファンディングが注目され続けているのはご存知の通りだ。購入型のプロジェクトとして分かりやすい商品開発などを計画している人であれば、今でもすぐ活用する価値はある。

例えばこんなインスタントカメラを作りたい場合は資金だけでなく、同時に購入者も集めることになるので、スモールスタートアップには理にかなった資金リソースの獲得方法と言えるだろう。

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ただやはり次のポイントは本当の投資金をここで集められるかどうかだ。北米ではJOBS Actのクラウドファンディング条項により、不特定多数の投資家から小額投資を募ることができるようになるとされている。一方国内では資金決済に関する法律※金融商品取引法に記されている通り、個人間投資には規制がある。

※初出時に個人間投資の規制が記されている法律を「資金決済に関する法律」としましたが、正しくは「金融商品取引法」でした。修正させて頂きます。

現在この資金調達の手法は政府の規制改革会議ワーキンググループで議論されており、これが実現すれば、例えば北米でシード・アーリー時期のスタートアップを投資家とマッチングしているAngelListのような仕組みが日本でも生まれるかもしれない。

個人が起業しやすい時代に

仕組み自体の目新しさではない。個人やスタートアップでもこれらのリソースが使えるレベルにこなれてきているということを理解し、チャンスがあれば使ってみることが重要だろう。

少人数でECを始めようと思い立てば、商品やサイトづくりに必要なリソースをクラウドソーシングに依頼することも出来るし、ストアや決済、倉庫の設備はオンラインですぐに手に入る。新商品を開発するのに資金が必要であればクラウドファンディングも選択肢に入るだろう。なにもすべての起業がベンチャービジネスのような急成長を求めるものばかりではないのだ。

もしあなたが何かを決断して新しい生活を手に入れようとした時、このクラウド上に存在する経営資源は強い味方になってくれるのではないだろうか。

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