フローとストックの収益を意識しろ−−アクセルビート川野氏が語る継続する企業に必要な考え方

SHARE:

事業経験からビジネスチャンスを発見し、継続するためのモデルを作り上げることは当たり前のようで難しい。

川野尚吾氏は2006年にリアルアフィリエイト事業を軸としたベストクリエイトを創業。2011年にM&A売却を実施し、現在はアクセルマークの執行役員事業開発本部長、同社子会社のアクセルビート代表取締役に就任している。同氏がMOVIDA SCHOOLで語った、起業から売却までに学んだ継続する企業に必要な考え方をまとめた。

IMG_8813_2

大企業から創業への道のり

新卒で日商岩井に入社したが、その後会社が赤字転落し経営破たんの危機に陥った。自分自身の会社が潰れそうになり、どんな大企業であっても潰れる可能性を持つということを学んだ。その後、携帯販売の子会社に出向。携帯の販売活動に従事していたが、毎月のノルマ達成など厳しい就労環境だった。

同じく携帯事業の1つであるコンテンツ配信事業との収益性の違いを感じ、このギャップを埋めるためにはどうすればいいかを考えた。そこで、双方の強みを活かしたビジネスモデルとして、会員獲得費をいただき携帯販売窓口で顧客にコンテンツを売るリアルアフィリエイト事業を考案した。

市場の風を読んで一気に攻める

出向先でテストを実施して事業としての見込みもあった。自社以外の販売会社でもこのモデルを提供しようと考え、起業するに至った。しかし、創業当初は販売奨励金制度があり、店舗での営業は思った以上に厳しい状況だった。売上向上に奔走しながら、全国をドブ板営業で周り地道にクライアントを獲得していった。

2007年に販売奨励金制度が廃止され、それにより販売店舗の売上が激減し、店舗売上のニーズが強まった。ここに大きなチャンスがあると考えて一気に攻めの営業を展開し、その結果自社の売上が急激に向上した。市場の追い風を読み、攻めの姿勢に転じたことでチャンスを掴むことができた。

信頼出来る第三者の目を得ること

市場におけるシェアをさらに獲得しようと考えていた時、サイバーエージェント・ベンチャーズの田島聡一氏と出会い、営業面における支援以外にもVCの紹介など様々なアドバイスをいただいた。そのおかげで、経営における大きな基盤を作り上げることができた。

信頼ができ、自分にはない知識や経験を持っている第三者の目があること、メンターとして相談できる人が身近にできることは、企業にとって大きな支えとなり、その結果大きく飛躍する要因につながる。

大胆に行動することで想定以上の結果をもたらす

起業当初はリアルアフィリエイト事業の競合は少なかったが、今後競争は激しくなると予想。当時は数百店舗のネットワークしか持っていなかったが、大手の参入に対して直ぐさま資本提携や事業統合を直談判をする大胆な方針転換を実施した。私自身が携帯事業に長く従事していたため、誰にも負けないノウハウを持っているという自負があったからこそ、強気な提案ができた。その結果、提案先など多くの企業から出資をいただくこととなった。

積極的に大胆に行動することで、自身の想定を超える結果をもたらす可能性は高い。チャンスだと感じた時は一気に攻めるべき。

数字は絶対に裏切らない

その後、同じく競合であった光通信に事業提携を打診。打診後に直ぐさま意気投合し資本業務提携へと発展した。光通信との業務提携は、数字における絶対的評価の重要性を学んだ。徹底的な数字管理の中、毎朝毎夕でタスク管理と進捗共有をおこない、管理者クラスが常に現場の状況を把握していた。

人とお金に対しての攻め時と引く時の迅速な判断、社員それぞれの目標設定やモチベーションを高める昇格制度、絶対的な評価をもとに社員同士の競争関係を作る営業チームの組成など、多くの学びを得ることができた。数字設定とモチベーション維持に対する徹底さは、事業の根幹にとって必要な基盤だ。

ストック収益へのこだわり

光通信から得たもう一つの学びは、ストック収益に対するこだわりだ。事業を作る、モノを売る、収益を得る、といったこれらを総合的に評価する絶対軸は、それがストック収益に通じるかだ。この発想は会社を経営すること、会社を維持することに意味を置き換えた時に、極めて重要な考え方だ。

フローとストックの収益を意識した経営を

フローのビジネスは、常に事業を回し続けなければならず、何らかの事情で事業が破綻した際に経営破綻の恐れがある。しかし、ストック収益を事業の中に一定の割合を占めておくことで、どういった状況に陥っても対応できるだけの基盤が形成される。

会社の継続性を考えた上でも、ストック収益の発想を組み込むことで、安定した事業を作ることができる。フローとストック収益のバランスを考慮し、事業全体のビジネスモデルを作り上げ、継続する企業を作りあげて欲しい。