旅SNS「trippiece(トリッピース)」が約2億円の資金調達ーー元ミクシィ取締役CFO小泉文明氏が取締役に

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みんなで旅をつくるソーシャル旅行サービス_-_トリッピース-2

ユーザー同士が旅のプランを作り、実際に旅行を実現させる旅系ソーシャルネットワーク「trippiece」を運営するtrippieace(社名はeとcの間にaが入る、以下トリッピース)は8月6日、Draper Nexus Venture Partners他から約2億円の資金調達を実施したことを発表した。主にマーケティングなどの人材強化、iPhone、Androidのアプリ開発などを予定している。

また、これに伴いミクシィやDeNAなどのIPOに携わった小泉文明氏の取締役就任も公開している。同氏は2012年のミクシィ取締役退任後、エンジェル投資家や複数社の取締役、監査役として活動を続けていた。トリッピースでも主に経営基盤の強化にあたる。

新興ソーシャルメディア成長の1年

trippieceが正式に公開されたのは2012年1月。1年が経過した今、これまでに計画された旅の企画は1400件にのぼり、毎週100人から200人ほどのユーザーが旅に出ているそうだ。運営オペレーションもこなれてきて、今回の調達でもこの箇所を増強する。

ただ、話を聞けばここまでの過程もそう簡単ではないことが伺える。トリッピース代表取締役CEOの石田言行(いあん)氏によれば、特に当初のソーシャルメディアの拡散力は期待はずれだったという。

「trippieceは小さい旅行プランの集まりです。ここがソーシャルメディアでもっと拡散すると想定していたが、そこまでではなかった。ユーザー数が2万人を越え始める頃からコミュニティが動きだした」(石田氏)。

現在、5万人ほどにまで成長したユーザーコミュニティだが、ある程度のボリュームが確保できないと次のステップに進めないことが伺える。

拡大に向けて実施される法人アカウント

trippieceでは5人ほどの「旅行希望」ユーザーが集まったプランについて、旅行会社と連携し実際のプランを作成して販売する。

ここで彼らが新たに取り組むのが法人アカウントだ。これは芸能事務所など、ある一定のファン層を持つ法人と連携し、芸能人ツアーなどの企画実施を狙ったもの。現時点で公開はできないそうだが、既にいくつかの企画が進行中だという。今後はこのアカウントの開設を積極化させるそうだ。

5万人というユーザー数は決して他のソーシャルメディアサイトに比較して大きいとはいえない。しかし、小さいコミュニティで粘り強くユーザーオペレーションを回し、ビジネスモデルの完成度を上げたことはもちろん、石田氏のサービスへの強い思い入れが次のステージへと推し進めた要因なのだろうなと感じた。

ちなみに石田氏と話をするとトリッピースへの愛を語ってくれることがある。以前にも書いたことがあるが、彼もまたサービスとよく似ている。

今後、小泉氏という経験者とのタッグで「ここでしか体験できない」旅の新しい形がどう拡大してくのか、興味深い。

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